【大阪杯】前走内容から巻き返し必至 GⅠ級の能力秘めるローシャムパーク
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
実力拮抗のメンバー構成
3月31日(日)に阪神競馬場で行われる大阪杯。有馬記念優勝馬のドウデュースや牝馬三冠を達成したリバティアイランドなどは同週に行われるドバイへと遠征したため不在。それに伴いリーディング上位騎手も騎乗できないという側面もあり、今年は実力拮抗のメンバー構成となりそう。出走予定馬の主な参考レースを、GⅠ昇格以降、過去7年のデータとともに振り返っていく。
金鯱賞【データ:A メンバーレベル:B】
過去7年の成績【3-2-1-21】勝率11.1%、連対率18.5%、複勝率22.2%
最多の3勝をあげる金鯱賞組。直近では2022年にポタジェとレイパパレがワンツー決着を果たしており、単回収率312%、複回収率100%と妙味もある。
今年の金鯱賞はスタート後、一旦はシーズンリッチが先頭に立つも2角でエアサージュがかわしてレースを引っ張った。1000m通過は58.4と流れ縦長の隊列となるなか、プログノーシスが内から中団までポジションを押し上げた。直線も開いた内を力強く伸びると、後続に5馬身差をつける完勝で金鯱賞連覇を果たした。勝ちタイムは1:57.6だった。
道中後方2番手を追走したハヤヤッコは、直線で馬群を捌いてジリジリと伸び、プログノーシスから1.1秒差の4着。差しが届く流れが向いたのもあるが、自身の力は発揮できたと言えるだろう。ただし、GⅠとなるとやや荷が重いかもしれない。
有馬記念【データ:B メンバーレベル:A】
過去7年の成績【1-1-0-5】勝率14.3%、連対率28.6%、複勝率28.6%
17年にキタサンブラックが勝利、19年にはキセキが2着となっているが、それ以降は3着以内への好走馬は出ていない。
タイトルホルダーが1000mを通過したあたりから後続を引き離し逃げる展開。序盤は後方待機だったドウデュースが勝負所の4角で3番手までポジションを押し上げると、ゴール前は粘るタイトルホルダーとスターズオンアースとの追い比べを制した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
道中9番手を追走していたタスティエーラは6着という結果に終わったが、直線で馬群を突こうとしたところで挟まれる不利があった。ブレーキがかかってから再び伸びた内容は評価できる。今年はここまで4歳牡馬勢が結果を残せていないが、ダービー馬の意地を見せてもらいたい。
ハーパーは好位からレースを進めたが、勝負所でドウデュースに外からかわされるとジリジリ後退して9着だった。初めての超一戦級相手では結果を残せなかったが、上がりのかかる展開になれば巻き返しがあってもいい。
中山記念【データ:B メンバーレベル:B】
過去7年の成績【1-1-2-9】勝率7.7%、連対率15.4%、複勝率30.8%
20年ラッキーライラックがここをステップに勝利。直近では23年にダノンザキッドが10番人気で3着に入っている。
小雨が降り、稍重で行われた中山記念。ドーブネがハナを奪い1000m通過58.6というハイペースとなった。結果、道中3番手のインからロスなく立ち回ったマテンロウスカイが残り100mでドーブネを振り切って勝利。1:48.1というタイムで重賞を初制覇した。
ジオグリフは勝ち馬の後ろ、好位集団の一角から3着に入った。皐月賞馬ながら、古馬になってからダート路線を中心に使われてきたが、芝で久々の好走。引き続き道悪となれば警戒しておきたい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ソールオリエンスは先行馬有利の展開のなか、4角12番手から大外を回して4着。先を見据えた仕上げではあったが、同時に物足りなさも感じた。叩き2戦目で適距離の2000mとなる今回、トップクラスであることを証明するためには結果を残すしかない。
香港C【データ:B メンバーレベル:A】
過去7年の成績【1-0-0-3】勝率25.0%、連対率25.0%、複勝率25.0%
4頭が出走し、昨年にジャックドールが勝利している。
すんなりとハナを奪ったマネーキャッチャーが単騎で逃げ、1200m通過が1:15.07というスローペース。4番手を追走していた1番人気のロマンチックウォリアーは抜群の手応えで直線に向き、堂々先頭へ。一旦は後続を完全に突き放すも、ルクセンブルクとヒシイグアスにジワジワと詰め寄られゴール前では接戦となったが、短アタマ差凌いで2:02.00というタイムで連覇を達成した。
ローシャムパークはスタートで後手を踏み、後方からのレースとなった。加えて前半は折り合いを欠くレースぶりで、直線は伸びず0.76秒差の8着。本来の力を発揮できれば、GⅠでも好勝負できる力は秘めている。
京都記念【データ:C メンバーレベル:C】
過去7年の成績【0-2-1-14】勝率0.0%、連対率11.8%、複勝率17.6%
過去7年で勝利した馬はゼロ。20年クロノジェネシスと21年モズベッロの2着が最高成績となっている。
12頭立てとなったレースは、大外枠からスタートしたアフリカンゴールドが後続を4馬身ほど離して、1000m通過59.7というペースで逃げた。5番手のインを追走していたプラダリアは勝負所で徐々に外へ持ち出すと、直線は大外から伸びてベラジオオペラとの追い比べを制した。勝ちタイムは2:12.1。現状、GⅠでは結果を残せていないが、一枚落ちるGⅡの舞台かつ上がりがかかる条件では流石の強さだった。
1番人気のベラジオオペラは中団追走から直線は勝ち馬の内に馬体を併せたが、最後に振り切られて3/4差の2着。2番手から運んだ9番人気のバビットは直線でただ一頭内を突き、しぶとく粘って久々の3着好走、波乱を演出した。エリザベス女王杯2着から挑んだルージュエヴァイユは中団よりやや後ろからレースを進めたが、最後は伸びを欠き8着に終わった。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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