【愛知杯】距離に対応できればルージュスティリアにチャンス 今年は条件戦組も出番あり
勝木淳
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5歳が優勢
古馬牝馬路線は、春はマイル、秋は中距離と争う距離が大きく異なる。冬の愛知杯はその端境期にあたる。舞台は芝2000m。秋の続きでもあり、ここから距離を短縮し、マイルに対応できるか否かの見極めを行うと同時に、GⅠに向けて賞金を加算する場でもある。端境期らしい難しさと小倉芝2000mの適性、ハンデ戦と複雑な謎解きになる。データは1月に施行時期が移った2016年以降8回分を使用する。
1番人気は【2-1-1-4】勝率25.0%、複勝率50.0%と、難解ながら信頼できる数字になっている。その分、2番人気以降は横一線で、6番人気【1-1-2-4】勝率12.5%、複勝率50.0%、8番人気【2-0-1-5】勝率25.0%、複勝率37.5%など穴馬も台頭する。穴狙いもよし、1番人気から上手く組み合わせてもいい。いずれにせよ、買い方の工夫が必要だ。
4歳【2-2-2-24】勝率6.7%、複勝率20.0%より5歳【4-4-3-36】勝率8.5%、複勝率23.4%がよく、6歳は【1-2-2-36】勝率2.4%、複勝率12.2%とやや落ちる。5歳から4歳または6歳へ、という組み立てが理想だろう。5歳の単勝回収率は108%であり、穴馬は5歳から出現する。5歳の取捨選択がカギを握りそうだ。
前走条件戦までしっかりチェックを
1番人気と6、8番人気に好走ゾーンがあり、好走確率、回収率とも5歳が優勢。これらの傾向を踏まえつつ、ここからは前走成績をもとに候補を絞る作業を進めよう。
前走クラス別成績をみると、前走GⅠが【3-2-3-26】勝率8.8%、複勝率23.5%でなんやかんやとGⅠ組もいい。内訳は秋華賞【2-0-0-9】勝率、複勝率18.2%、エリザベス女王杯【1-2-2-17】勝率4.5%、複勝率22.7%と牝馬GⅠが主流だ。前走GⅠは5着以内が有力で、6~9着【0-1-2-6】複勝率33.3%まで。ローゼライトの10着以下は【1-0-1-14】勝率6.3%、複勝率12.5%とやや確率が落ちる。
前走GⅢ【3-2-1-24】勝率10.0%、複勝率20.0%の内訳は、ターコイズS【2-1-0-5】勝率25.0%、複勝率37.5%が有力だ。マイルから2000mに距離が延びて好走する中距離型に注意しよう。ターコイズS6~9着【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%、10着以下【0-0-0-1】。9着ルージュスティリアはデータ上よさそうだが、マイル戦中心に使われてきた馬で、距離延長がどう出るかは未知数でもある。
前走2、3勝クラスの条件戦組は【2-2-3-33】勝率5.0%、複勝率17.5%。ハンデ差を生かした下克上も牝馬限定戦だからこそ。
その距離内訳をみると、2000m未満【0-1-1-22】複勝率8.3%、2000m【1-0-2-8】勝率9.1%、複勝率27.3%、2000m超【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%。条件戦組の一発にかけるなら、前走2000m以上だった馬から選ぼう。特に「前走2000m以上×斤量が前回から3キロ以上減」だと【1-1-0-2】勝率25.0%、複勝率50.0%。見込まれる馬ではなく、はっきりと斤量が減った馬に目をつけた方がいい。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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