【カペラS】「三度目の正直」なるかリュウノユキナ ハイペースなら面白いベルダーイメル
勝木淳
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不利とされる1枠が優位に
唯一のJRAダート1200m重賞の舞台は中山。冬のフェブラリーSと同じく芝スタートであり、芝からダートに入ると、一気に残り800mまで下っていく。
短距離戦で前半が下りといえば中山、小倉の芝1200mと同じだ。ハイペース必至のレイアウトで、最後の急坂でどこまで我慢できるかが勝負の分かれ目となる。先行勢がこらえ切れなければ差し馬に順番が回ってくるが、そこは重賞クラスの馬たち。そう簡単には止まらなかったりもする。最後の直線は308mと短く、オープン級なら我慢できる。前半がどこまで速くなるか。その読みが大切になるレースだ。データは過去10年分を使用する。
なにせJRAでは唯一の1200m重賞なので、近10年は毎年フルゲートで行われており、さらに戦力比較も難しい。1番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%で、勝ったのは2018年コパノキッキングしかいない。2番人気【2-2-4-2】勝率20.0%、複勝率80.0%、3番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%まではそれなりにアテになるが、以下は大きな差がない。7番人気【0-2-2-6】複勝率40.0%など伏兵台頭の機会も十分ある。
年齢別では3歳【3-0-0-9】勝率、複勝率25.0%、4歳【4-2-1-23】勝率13.3%、複勝率23.3%と短距離戦らしく若い組が優勢だ。5歳【2-3-4-35】勝率4.5%、複勝率20.5%、6歳【1-3-2-28】勝率2.9%、複勝率17.6%なので、ベテランは頭数も多く、絞りにくい。基本は若い馬から探そう。
中山ダート1200mといえば芝を長く走れる外枠優位が定石だが、この重賞はどうも違う。不利とされる1枠が【4-2-1-13】勝率20.0%、複勝率35.0%ともっとも成績がいい。直近ではリュウノユキナが2年連続1枠1番から2着に好走した。ダートの最内枠は買うのに勇気がいるところだが、カペラSは例外と考えよう。ここを除けば6枠【0-5-1-14】複勝率30.0%から外が優勢で、やはり外枠はアテになる。1枠を嫌わないようにしよう。
ハイペースならベルダーイメル
今年も、2年連続2着のリュウノユキナや3歳メタマックス、芝から転戦するオールアットワンス、カイザーメランジェなど多士済々な面々がそろう。しっかり前走傾向から絞っていく。
前走クラス別成績はダート重賞らしく、まずは前走地方【3-5-2-25】勝率8.6%、複勝率28.6%から探る。前走がJBCスプリント(京都開催除く)だと【2-4-2-7】勝率13.3%、複勝率53.3%と確率がグンとあがる。3着以内【1-2-2-3】、5~9着(4着は該当データなし)【1-2-0-2】、10着以下【0-0-0-2】なので、ひと桁着順まではチャンスだ。3着リュウノユキナ、5着ラプタスなどが該当する。
JRAの重賞では武蔵野S【1-0-2-2】勝率20.0%、複勝率60.0%が有力。ここは6着ベルダーイメルが当てはまる。1400m巧者で1200mは初出走。中山だと置かれる可能性もあり、飛びつきにくいが、超ハイペースなら直線一気で差を詰めるだろう。
続いて前走オープン・L【5-5-4-73】勝率5.7%、複勝率16.1%に注目しよう。距離別でみると、1200m【2-3-2-39】勝率4.3%、複勝率15.2%、1200m超【3-2-2-33】勝率7.5%、複勝率17.5%で距離短縮組がいい。ハイペースで最後に時計を要するケースが多く、スタミナが問われるからだろう。
出走馬が多い室町S組にあたる前走京都ダート1200mは【1-2-1-29】勝率3.0%、複勝率12.1%と厳しい数字だ。また、前走同距離のOP・Lだった馬は、2着以内【2-3-0-13】、3~9着【0-0-0-11】、10着以下【0-0-2-15】。室町S組からは勝ったアイスリアンを除く、3着デュアリスト以下は苦しい。その他では、ながつきS2着パウオレもデータに合致する。出走できれば面白い存在とありそうだ。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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