【ラジオNIKKEI賞】現役最多勝は戸崎圭太騎手ら、レコードタイムはビワタケヒデの1:45.6 「記録」を振り返る

緒方きしん

ラジオNIKKEI賞思い出の記録,ⒸSPAIA

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名手・蛯名正義騎手(現調教師)が3勝

グレード制導入以降、ラジオNIKKEI賞の最多勝は蛯名騎手のあげた3勝。内田博幸騎手や柴田善臣騎手、横山典弘騎手や戸崎圭太騎手らが2勝をあげるなか、単独でのトップとなった。ちなみに本レースは、武豊騎手やM.デムーロ騎手、川田将雅騎手らが未勝利の重賞でもある。

蛯名騎手のラジオNIKKEI賞初制覇は、『ラジオたんぱ賞』時代の1996年。中山競馬場での開催となった中でビッグバイアモンと共に逃げ切った。このとき、ビッグバイアモンはキャリア4戦目ながら2番人気。残念ながら次走の神戸新聞杯がラストランとなってしまったが、NHKマイルC2着馬ツクバシンフォニー、皐月賞とダービーの3着馬メイショウジェニエらを相手に堂々たる素質を見せつけた。

同レース2勝目となった2003年は、ヴィータローザとのコンビで上がり最速の差し切り勝ち。前回同様、2番人気での勝利だった。重賞初挑戦のヴィータローザとはここが初コンビだったが、続くセントライト記念でも勝利をあげている。8歳まで現役を続けた同馬だが、その現役最終年でも七夕賞で5着と相性の良さを披露した。

3勝目はストロングガルーダとのコンビだった2009年。のちの安田記念勝ち馬ストロングリターンや神戸新聞杯勝ち馬イコピコ、ダイヤモンドS勝ち馬ケイアイドウソジンといった素質馬がずらりと揃う一戦だったが、ゴール前で差し切り勝ちを収めている。8枠2頭での決着で、馬連167倍の万馬券となった。

蛯名騎手が引退した今、3勝となるタイ記録を目指すのがレーベンスティールに騎乗予定の戸崎騎手と、オメガリッチマンに騎乗予定の横山典弘騎手。どちらもチャンスがある馬だけに、注目したい。


様々なGⅠで活躍する2着馬たち

本レースのレコードタイムは1998年にビワタケヒデと藤田伸二騎手が記録した1:45.6。ナリタブライアンとビワハヤヒデといった名馬の弟である良血馬が、母のパシフィカスに新たなタイトルをプレゼントした。2着はのちに大阪杯と鳴尾記念を制し、マイルGⅠで2度の3着があるメイショウオウドウと、レベルの高い年だった。

ラジオNIKKEI賞の2着馬は様々なGⅠで活躍する馬が多い。菊花賞を制したフィエールマンやソングオブウインド、ジャパンC勝ちのスクリーンヒーローや天皇賞(秋)とマイルCSを勝ったカンパニー、安田記念勝ち馬のタイキブリザードらが該当する。

そんな中で特にインパクトを残すのが、2020年の2着馬パンサラッサである。今もなお現役で、ドバイターフやサウジカップといった海外GⅠを制して、合計で約18億円もの賞金を稼ぎ、獲得賞金トップの座に君臨している。

今年、人気を集めそうなレーベンスティールは母父トウカイテイオーという面白い血統。現在4戦2勝2着2回と抜群の安定感を誇る。ここで重賞タイトルを掴み取り、秋に戦うであろうダービー組や古馬勢との戦いに備えたいところだろう。テイオーの血の新たなる輝きがあるかも含めて、注目したい1頭である。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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