【大阪杯】単勝回収率472%の「黄金配合」を発見 名門出身の伏兵がGⅠ初制覇なるか
逆瀬川龍之介

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人気薄の激走が目立つ配合
「平成の名種牡馬」ディープインパクトは、多くの黄金配合を生み出した。例えば「母の父ストームキャット」はキズナやスタディオブマン、リアルスティール&ラヴズオンリーユーの兄妹など、国内外でGⅠ馬を9頭も輩出。「母の父ガリレオ」はJRAこそGⅠ未勝利だが、欧州で”最終世代の傑作”オーギュストロダンを筆頭にサクソンウォリアー、スノーフォールといった名馬を送り出した。
そして本題に移ろう。今週末の大阪杯で要注目のディープインパクト産駒は「母の父デピュティミニスター系」の馬だ。これまでに延べ15頭が出走して【2-2-1-10】の勝率13.3%、複勝率33.3%、単勝回収率472%、複勝回収率150%となっている。
21年に4番人気のレイパパレ(母の父クロフネ)が勝利。22年には8番人気のポタジェ(母の父オーサムアゲイン)が1着、3番人気のレイパパレが2着でワンツーフィニッシュを果たすなど、人気薄の好走が目立つ。
また、19年には10番人気のマカヒキ(母の父フレンチデピュティ)が4着、20年にも11番人気のカデナ(母の父フレンチデピュティ)が4着になるなど、大穴提供まであと一歩だった馬もチラホラ。レース適性は◎と断言できる。
そもそも大阪杯の舞台となる阪神芝2000mは「父ディープインパクト×母の父デピュティミニスター系」の十八番なのだ。
<阪神芝2000m成績>
ディープインパクト産駒【87-69-66-354】
勝率15.1%、複勝率38.5%、単勝回収率91%、複勝回収率74%
→母の父デピュティミニスター系【9-5-3-28】
勝率20.0%、複勝率37.8%、単勝回収率219%、複勝回収率96%
母の父デピュティミニスター系は、ディープインパクト産駒全体のアベレージを上回る数字を残している。
これを偶然と言う人もいるだろうが、個人的な見解は否。ご存じのようにディープインパクト産駒には東京や京都&阪神の外回りなど、直線が長いコースを得意とする馬が多いが、母系のデピュティミニスターから持久力&パワーを注入された馬は適性が変化する。阪神芝2000mのようにコーナーが多かったり、直線に急坂があったりするコースで好成績を残しているのだ。
今年の大阪杯にも「父ディープインパクト×母の父デピュティミニスター系」の伏兵がエントリーしている。京都記念で重賞3勝目を手にしたヨーホーレイク(母の父フレンチデピュティ)だ。
22年の勝ち馬ポタジェとは共通点が多く、馬主・金子真人ホールディングス(株)、調教師・友道康夫、生産者・ノーザンファームまで同じ。明けて7歳となったが、度重なる故障で長期休養を強いられていたため、キャリアは僅かに12戦。まだまだ伸び代があっていい。フレッシュなベテランが、血の後押しも受けて悲願のGⅠタイトルを獲得することを期待したい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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