【エプソムC】ジャスティンカフェとマテンロウスカイは消し ハイブリッド式消去法で残るのはルージュエヴァイユ

八木遊

2023年エプソムカップの消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の安田記念は、消去を免れた5頭(セリフォス、シュネルマイスター、ソングライン、ナミュール、イルーシヴパンサー)の三連複ボックスで勝負した。的中はしたものの、人気上位3頭の決着で配当は跳ねず。それでも連敗を止めたことで、流れに乗って本格的な夏競馬に向かえそうだ。

さて今週予想するのは、11日に東京競馬場で行われるエプソムC。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消していく。


『母父サンデーサイレンス系』×『前走で人気を上回る着順』★0.0%

まずは血統データから入ってみたい。ここで取り上げるのは母の父がサンデーサイレンス系の馬。過去10年の成績は【1-2-1-27】(複勝率12.9%)と苦戦している印象だ。特に前走で人気を上回る着順だった馬は、全19頭が4着以下に敗れていた。

登録がある18頭のうち、この条件に当てはまったのは4頭。上位人気が予想されるインダストリアやマテンロウスカイなども含まれるが、迷わず消去したい。

【今年の該当馬】
・インダストリア
・カワキタレブリー
・ココロノトウダイ
・マテンロウスカイ


『前走ハンデ戦』×『前走から斤量2kg以上増』★4.8%★

続いては、前走でハンデ戦を走っていた馬に着目。過去10年で【4-6-6-72】(複勝率18.2%)と成績は悪くない。ただし、ハンデ戦の前走から斤量が2kg以上増えていた馬はエプソムCで【0-0-1-20】(同4.8%)。21頭の中で唯一馬券に絡んだのは、20年に18番人気で3着に激走したトーラスジェミニだけだった。

今年この条件に当てはまったのは以下の3頭。このうち2頭はすでに消去済みたのめ、新たにゴドルフィン期待の良血馬フィアスプライドを消去リストに追加する。

【今年の該当馬】
・(インダストリア)
・フィアスプライド
・(マテンロウスカイ)


『前走から距離短縮』×『前走時馬体重480kg以下』★4.8%★

3つ目は距離変動別データから、距離短縮組に注目した。過去10年の成績は【2-5-3-47】(複勝率17.5%)とまずまず。ただし、馬券に絡んだ10頭中9頭は馬格に恵まれた馬だった。具体的には前走時馬体重が480kgを超える馬は【2-4-3-27】(同25.0%)の好成績。これに対して、480kg以下の馬は【0-1-0-20】(同4.8%)だった。3つ目の条件としてこの組み合わせを取り上げたい。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。この中で昇級初戦のレインフロムヘヴンは、鞍上がD.レーン騎手でかなり人気するとみられる。ただし、過去に出走した重賞でことごとく惨敗しており、今回も馬券内には届かないとみる。

【今年の該当馬】
・トーラスジェミニ
・ピースワンパラディ
・ラストドラフト
・レインフロムヘヴン


『関西馬』×『美浦所属騎手』★4.8%★

続いては東西別データから、【4-6-4-56】(複勝率20.0%)の関西馬に注目した。このうち鞍上が栗東所属の騎手だった場合は、【4-5-4-13】(同48.0%)の好成績だったが、美浦所属騎手だと【1-1-0-40】(同4.8%)。陣営の勝負度合いの高さが騎手に表れていた。

今年は執筆時点でレクセランスの鞍上が未定のため保留。1番人気が濃厚の関西馬ジャスティンカフェは美浦所属の横山和生騎手に乗り替わるため消し。他にエアファンディタとエアロロノアの「エア軍団」2頭、さらにヤマニンサルバムとヤマニンサンパの「ヤマニン軍団」2頭の各陣営が美浦所属騎手を鞍上に起用してきた。この5頭はバッサリ消去する。

【今年の該当馬】
・エアファンディタ
・エアロロノア
・ジャスティンカフェ
・(マテンロウスカイ)
・ヤマニンサルバム
・ヤマニンサンパ
※レクセランスは鞍上未定


『前走時馬体重500kg以上』×『今回7~8枠』★0.0%★

4つの条件を終えた時点で、騎手未定のレクセランスを含めて4頭が残っている。最後は前走時の馬体重をもう一度取り上げたい。ここでは同500kg以上の大型馬に注目。過去10年の成績は【2-2-3-40】(複勝率14.9%)とやや苦戦気味だった。特に今回枠順が7~8枠の時は【0-0-0-14】(同0.0%)で、1頭も馬券に絡んでいなかった。

残っている馬のうち、前走時の馬体重が500kg以上だったのは昨年の2着馬ガロアクリークとショウナンマグマの2頭。金曜日に判明する枠順次第で消去対象となる。

【今年の該当候補】
・ガロアクリーク
・ショウナンマグマ

全ての条件を終えて、確実に残るのは、ルージュエヴァイユのみとなった(騎手次第でレクセランス)。オープン昇級後の近2走はどちらも2桁着順に敗れているが、今回は巻き返しに期待したい。鞍上が1800mの距離を得意とする石川裕紀人騎手に替わるのも好材料だ。

いつも通り、買い目は消去を免れた頭数が4頭の時は三連複ボックス、3頭の時は三連複1点勝負、2頭の時はワイド1点、1頭の時は単勝1点とする。果たして今週はどんな結末を迎えるか。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は44.6%(6月4日現在)。

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