【チャンピオンズC】血統から距離延長にも対応可能! Cアナライズからはスピート能力高いシャマルを推奨

貴シンジ

チャンピオンズC過去8年、前走着順別成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週のジャパンカップでは◎ダノンベルーガが5着と惜敗。早めに動いた分ラストが少し甘くなり、最後は挟まれる不利もあった。

今回は11月27日(日)中京競馬場で行われるチャンピオンズCについて下記3つのファクターを組み合わせる、「コンプレックスアナライズ」で分析を行い、推奨馬を導き出す。

・レースの好走馬と凡走馬の共通点を探る「好走&消しデータ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

今回は特別登録のあった18頭を検討対象とする。なおチャンピオンズCは2014年から中京競馬場での開催となっており、過去8年のデータを採用する。

好走&消しデータ

勝ち馬を輩出するローテーションは地方交流重賞

前走レース別成績(主要レースのみ),ⒸSPAIA


最初は前走レース別の成績から見ていく。勝ち馬が出ているレースはJBCクラシック、マイルCS南部杯、JBCレディスクラシック、日本テレビ盃の地方交流重賞の5レース(JBCは18年京都開催除く)。JRAのレースからの臨戦では【0-4-4-58】と2着まではあるものの勝ち馬は出ていない。

【前走がJRAレースの出走予定馬】
・グロリアムンディ
・サクラアリュール
・サンライズノヴァ
・サンライズホープ
・ジュンライトボルト
・スマッシングハーツ
・タガノビューティー
・ハピ
・バーデンヴァイラー
・レッドガラン
・レッドソルダード

前走5着以内馬が狙い目 JBCクラシックなら3、4着馬

前走着順別成績,ⒸSPAIA


続いて前走着順別成績を見ていく。勝ち馬が出ているのは前走5着以内で、好走ゾーンも同じ。前走6着以下からの臨戦は【0-2-3-31】と2着までしか出ていない。

ちなみに2着した2頭は20年ゴールドドリームと18年ウェスタールンドであり、前走の着差はどちらも0.9秒以内だ。前走6着以下かつ1秒以上負けていた馬の連対はない。

【前走6着以下かつ1秒以上負けている出走予定馬】
・オーヴェルニュ
・グロリアムンディ
・ケイアイパープル
・サンライズノヴァ
・ノットゥルノ
・バーデンヴァイラー
・レッドガラン

前走JBCクラシック着順別成績,ⒸSPAIA


JBCクラシック組の着順に関しても面白い傾向がある。1、2着馬の成績が奮わず、勝ち馬も出ていない。3着馬【2-1-0-3】4着馬【2-0-0-2】とホットゾーンとなっているが、今年ここに該当する馬の出走がないのは残念。テーオーケインズ、クラウンプライドにとっては逆風となるデータだ。

内枠有利の中京ダート1800m

中京ダート1800m枠別成績(2012年以降・フルゲートのみ),ⒸSPAIA


中京のダートコースは3角~4角の区間は下り坂、そして4コーナーは角度がきついスパイラルカーブとなっている。従って外を回した馬はかなり膨らんでしまう傾向があり、1、2枠の馬が好成績となっている。またチャンピオンズCにおいて差し・追込馬の好走はイン差しが非常に多い。

18年2着ウェスタールンド、16年1着サウンドトゥルー、15年2着ノンコノユメ、3着サウンドトゥルーなどは3コーナーで最後方に近い位置にいたが、4コーナーで最内を通り好走している。スパイラルカーブで馬群がばらけるということはインコースがごっそり開くことも多いため、鮮やかなイン差しに期待するのも良いだろう。

枠順発表前で具体的な馬名には触れられないが、枠の並びを見て最内のポジションを取れそうな馬には要注目だ。

前走不利データ:マイルCS南部杯シャマル

シャマルがこれまでのキャリアで馬券外に敗れたレースは新馬戦(12着)と伊賀S(6着)の2回。この2走には共通点がある。それは「初角6番手以下」のポジション取りになってしまっていたことだ。シャマルという馬はスプリント戦でも先行してポジションを取って押し切る競馬を得意としている。

前走の南部杯では15番ゲートからの発走だったことや内にいた各馬の動きもあり、一度はポジションを取りかけたが下げざるをえなかった。結果、初角のポジションは6番手、同馬にとっては不得意な形だった。しかしそれでも3着まできたのは成長の証と考えたい。

今回必ず先行できるという保証はないが、元々先行力が高い馬。そしてスプリントを主戦場としていたことなどから、1800mの舞台であればテンのスピードの違いで優位に立てる可能性が高い。

血統解説:シャマル

日本では3代母マジックコードを根幹として牝系を広げている。マジックコードは現役時バレリーナH(GⅢダート9F)を連覇した実績馬。繁殖としても優秀で05年の阪神JF2着シークレットコードや16年秋華賞2着のパールコードを輩出。孫世代からも今年のローズS勝ちアートハウスが出ていて活力を持った一族だ。元々ダート適性が高かったファミリーだが配合次第で芝での活躍馬も輩出している。

シャマルはマジックコードからダンスインザダーク→アグネスデジタル→スマートファルコンと種牡馬が繋がっている。その中でもアグネスデジタルとスマートファルコンの影響を強く受けており、スピード性能の高いダート馬に出ている印象だ。スマートファルコン産駒は中京ダート1800mとは相性が良く、単勝回収率は100%を超えている。折り合いもつくようになってきており、ダンスインザダークを持つ母系からも距離延長にも対応できる可能性は十分ある。

シャマルのスピードに期待

今回のコンプレックスアナライズからシャマルを推奨馬として取り上げたい。初の1800mとなるが血統的にはこなしてもなんら不思議のない下地がある。一般的に短い距離を走ってきた馬の距離延長は不安を囁かれることが多い一方、テンのスピードという点においては優位にたてる。

枠の並びは非常に重要なレースではあるが、シャマル持ち前のスピードで好位を確保し、経済コースを上手く立ち回る姿に期待したい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。現在はWEBサイト『サラブレッド研究所』でも執筆を行い、一口馬主クラブ募集馬や、セリ馬の血統を独自の切り口から分析している。

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