【アイビスSD】4連覇中の「牝馬」、好走率で抜ける「5歳」　データからの推奨はチェイスザドリーム

2024/07/24 11:00

門田光生

ⒸSPAIA

この記事のレース

アイビスサマーＤ

GⅢ

7月28日(日)　新潟7R

牝馬が優勢

2024年7月28日に新潟競馬場で行われる第24回アイビスサマーダッシュ（以降アイビスSD）。芝の直線競馬で行われる、日本で唯一の平地重賞である。直線競馬といえば外枠有利の印象が強く、このレースも過去10年で8枠が4勝ととにかく強い。ただ、2枠が2勝、4～7枠も勝ち馬を出しており、ここ5年では、2、5、6、7、8枠が1勝ずつ。外目優勢だが8枠一辺倒というわけではない。では、アイビスSDの好走データは、他に何があるのか。今回も過去10年の成績をもとに検証していきたい。

☆所属
美浦所属6勝（12連対）、栗東所属4勝（8連対）。勝率、連対率で美浦所属が少し上回っているが、複勝率は全くの互角で、馬券に絡む確率は同じだ。

出走馬の所属,ⒸSPAIA

☆性別
牡・セン馬は3勝（7連対）、対して牝馬は7勝（13連対）。頭数、そして好走率ともに牝馬が上回っている。しかも牝馬は目下4連覇中だ。

出走馬の性別,ⒸSPAIA

☆年齢
年齢別でみると、勝ち馬が出ているのは3、4、5、7歳で勝率はほぼ横並び。連対率は3歳が30.0%と高い。3歳の母数は10頭と少ないのでどうするか悩んでいたが、ありがたいことに（？）、今年は1頭も登録がなかった。

4、5、7歳の比較では、5歳馬が連対率19.1%、そして複勝率29.8%で抜けている。馬券絡みの頭数も多く、ここは5歳馬有利としたい。勝ち馬がいない6歳馬は38頭が出走し、2着2回だけと物足りない。そして、8歳以上は馬券に絡んでいなかった（今年は登録馬なし）。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA

☆前走クラス
連対馬20頭中、19頭は前走でオープンか、GⅢを走っていた。そして2着馬は9頭が前走オープン組だった。例外の1頭は2015年の2着馬シンボリディスコ（前走3勝クラス）だ。基本的には前走がオープンか、GⅢに該当しない馬は割引だ。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA

☆主な前走
同じ直線競馬で行われる韋駄天S組が【4-7-1-32】で、連対馬のうち半分以上がこのレースから出ている。韋駄天Sは、例年5月中旬に行われるレース（今年は5月19日）。2か月以上も前のレースがステップレースというのも、直線競馬ならではかもしれない。他では、CBC賞組も相性が良いのだが、今年は日程が変わっていて8月開催。代わりに北九州記念がCBC賞の日程に組み込まれたのだが、この北九州記念組の結果がどうなるかにも注目したい。

☆その他
その他で気になったデータだが、まずは前走距離。韋駄天S（1000m）やCBC賞（1200m）との相性の良さを書いたが、逆に1400m以上を走っていた馬はすべて馬券外。同じく、前走がダートだった馬も馬券に絡んでいない。また、前走10着以下や前走10番人気以下だった馬からは連対馬が出ていなかった。

その他のデータ,ⒸSPAIA

好走データすべてを満たすチェイスザドリームを推奨

アイビスSDのデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「牝馬」
B「5歳馬」
C「前走が韋駄天S」

【好走率ダウン】
D「前走がオープン、GⅢ以外」

【勝ち馬なし】
E「6歳馬」

【連対馬なし】
F「前走が1400m以上」
G「前走がダート」
H「前走10着以下」
I「前走10番人気以下」

今回は連対馬なしのH「前走10着以下」、I「前走10番人気以下」という2つのデータがあるのだが、なんと21頭中14頭に当てはまっている。過去10年では前者は49頭、後者は55頭が該当。サンプル数が十分あることから、該当の14頭は消しとする。

残ったのは7頭。このなかで目立つのは、プラスデータABCすべてを唯一満たすチェイスザドリーム。「5歳」「牝馬」で「前走が韋駄天S」という条件を満たす馬は、ここ5年で【1-1-0-4】の2連対。この細かい条件で2頭も連対していれば上々だろう。

続いてプラスデータA「牝馬」C「前走が韋駄天S」の2つを持っている、ファイアダンサー（前走3着）とマイヨアポア（前走6着）。ともに勝ち馬が出ていない6歳馬だ。6歳馬は2着も2頭しだけだが、今年は「連対なし」データに該当する馬が大半だ。たとえ勝ち馬がいなくても連対馬が出ているだけマシ。というわけで、この2頭を2、3番手とする。順番付けだが、前走着順で比較すると前走3着からは連対馬が5頭、前走6着馬は1頭。よって、◯ファイアダンサー、▲マイヨアポアの順とする。

残った4頭でプラスデータを持っているのはスリーアイランドだけ。よって、これが4番手。最後の1頭はウイングレイテスト。前走2着馬は過去に10頭しかおらず、今回は好走データとして扱わなかったが、連対率が40%と優秀。印を入れて損はないだろう。なお、スリーアイランドは登録の時点で抽選対象（1/4）となっている点に注意。抽選から漏れた場合はウイングレイテストを4番手に格上げとする。

◎チェイスザドリーム
◯ファイアダンサー
▲マイヨアポア
△スリーアイランド
×ウイングレイテスト

《ライタープロフィール》
門田光生（かどたみつお）
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
年齢なのか、それとも昨年より暑いのか。クーラーがなくても我慢できる体質だと思っていましたが、今年はスイッチを入れる回数が明らかに多いような。まだ就寝時は扇風機でしのげていますが、時間の問題のような……。