【チャレンジC】中心は3歳ビーアストニッシド! 古馬は前走クラスと着順で明暗分かれる

勝木淳

チャレンジCインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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舞台は阪神芝の内回り2000m

シンプルに“挑戦”をタイトルに掲げる重賞は施行時期や距離を変えながら今に至る。9月から12月に移って10年が経ち、暮れの開催開幕週に定着しつつあるものの、距離は暮れに移ったのを機に芝1800mになり、17年からは芝2000mに戻った。正直、記事を書くにあたり、1800mなのか2000mなのか迷った。数字上は200mの違いだが、阪神では1800mは外回り、2000mは内回り。コーナー2回と4回。問われる適性はかなり違う。予想する際、くれぐれも距離を間違えないようにしてほしい。ここでもデータは暮れ開催、阪神芝2000mで行われた5回にしぼる。


過去5年チャレンジC人気別成績,ⒸSPAIA


現在の条件になって5年で1番人気【3-0-0-2】勝率、複勝率60.0%、2番人気【2-1-1-1】勝率40.0%、複勝率80.0%。勝ち馬は2番人気以内であり、上位人気優勢。3着以内は5番人気【0-1-2-2】複勝率60.0%以内がほぼ独占状態。6番人気以下の馬券絡みは19年8番人気2着トリオンフだけ。例年頭数がそろわない点が傾向に拍車をかけている面もあるが、まずは上位人気を中心に組み立てるべきか。


過去5年チャレンジC年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別の成績はさらに顕著な傾向がある。3歳が【4-0-2-4】勝率40.0%、複勝率60.0%と圧倒。チャレンジCという名にふさわしく、3歳が古馬に挑み、その壁を越えるレース。4歳【1-2-2-13】勝率5.6%、複勝率27.8%までで3着以内の大半を占める。シーズン末期の中距離GⅢらしく若さが経験を凌駕する。


中心はビーアストニッシド

これほど3歳が顕著に強いので、前走成績は3歳と古馬にわけて考える。今年は菊花賞13着ビーアストニッシドが出走予定。クラシック皆勤も三冠11、10、13着。ややインパクトを欠いた戦歴だが、スプリングS逃げ切りVの実績はGⅢなら十分。古馬と同斤56キロはそれを物語る。

3歳の前走成績は菊花賞が【1-0-2-0】勝率33.3%、複勝率100%で馬券圏外なし。とはいえ、ビーアストニッシドは菊花賞13着大敗。さすがにと疑いたくなるが、じつは前走菊花賞組の着順はすべて10着以下、かつ6番人気以下だった。17年は菊花賞10着サトノクロニクルが勝ち、2着は同12着ブレスジャーニー、18年も同11着ステイフーリッシュ3着。同馬は京都新聞杯を勝ち、56キロを背負っていた。中心はビーアストニッシドでまちがいない。


過去5年チャレンジC4歳以上馬前走クラス別成績,ⒸSPAIA


過去5年チャレンジC4歳以上馬前走重賞組レース別成績(好走のみ),ⒸSPAIA


一方、やや劣勢の古馬陣はどんな傾向があるのか。まずは登録でも数が目立つ重賞組について考えたい。ディアマンミノルの前走アルゼンチン共和国杯が【0-1-0-3】複勝率25.0%、サンレイポケット、エヒトの新潟記念【0-1-0-1】複勝率50.0%、ヒンドゥタイムズの京都大賞典【0-1-0-0】複勝率100%。連覇を狙うソーヴァリアントのオールカマーは【0-0-0-2】。ざっくりと重賞組の前走着順は1着【0-2-0-0】か6~9着【0-2-1-10】が好走ゾーンで2~5着【0-0-0-4】、10着以下【0-0-0-6】。ディアマンミノル、サンレイポケットはクリアするが、ヒンドゥタイムズやソーヴァリアント、エヒトには苦しいデータだ。

最後に勝ち馬を出している前走オープン・L【1-1-1-12】勝率6.7%、複勝率20.0%について。こちらは前走4着以内【1-1-1-5】勝率12.5%、複勝率37.5%、5着以下【0-0-0-7】。オクトーバーS4着ブラヴァス、カシオペアS4着エアファンディタは好走候補に入る。ブラヴァスは2年前のこのレース2着。当時の勢いを取り戻せるか。エアファンディタは5勝中3勝が阪神だが、いずれも外回りのマイル戦。直線の短い内回り出走はデビュー2戦目の京都以来。直線が長い舞台を中心に使われてきただけに、内回りへの対応がカギを握る。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。


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