【クイーンS】スタニングローズとモリアーナは枠次第で消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のクイーンS『前走ローカル開催』かつ『前走3着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の中京記念は、エルトンバローズを本命に指名。アルナシームとエピファニーを2~3番手の評価とした。レースは読み通りこの3頭が上位を占めたものの馬券はハズレ……。本命馬を1着に固定した3連単で勝負したのが裏目に出た。今週は欲を出さず、原点に戻ってワイドで手堅くいきたい。

さて、今週末は日曜に新潟でアイビスSD、札幌でクイーンSの2重賞が行われるが、取り上げるのは後者の方だ。2021年は函館で開催されているが、それも含めた過去10年のデータを使用する。複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『4歳以下』×『前走3勝クラス以下』★0.0%★

まずは年齢別データから入りたい。今回採用するのは、過去10年で【6-6-3-39】(複勝率27.8%)の4歳以下だ。5歳以上の馬に比べて複勝率は高いが、前走で3勝クラス以下の条件戦を走っていた3~4歳馬に限れば【0-0-0-14】(同0.0%)とさっぱり。昇級戦もしくは格上挑戦組が【0-1-2-13】(同18.8%)である5歳馬以上を上に取りたい。

今年の登録馬はフルゲートと同じ14頭。このうち1つ目のデータに当てはまったのは、アルジーヌだけだった。前走・博多Sのレースぶりには目を見張るものがあったが、初重賞ではやや荷が重いのではないか。

【今年の該当馬】
・アルジーヌ

『前走右回り』×『母父ノーザンダンサー系』★3.7%★

2つ目は前走で右回りコースを走っていた馬。過去10年の成績は【3-5-5-69】(複勝率15.9%)と、同36.2%を記録する前走左回り組に大きな差をつけられていた。中でも母の父がノーザンダンサー系の馬は【0-0-1-26】(同3.7%)と不振を極めていたため、この組み合わせを採用したい。

今年はモズゴールドバレルがこの条件に当てはまった。オープン昇級後の近3走は苦戦しており、1800mの距離もやや長いとみる。

【今年の該当馬】
・モズゴールドバレル

『前走ローカル開催』×『前走3着以下』★4.2%★

3つ目は前走をローカル開催で走っていた馬だ。過去10年の成績は【1-2-2-42】(複勝率10.6%)で、前走中央開催組の30.4%に大きく劣る。それでも前走で連対していれば、【1-1-2-19】(同17.4%)とまずまずの成績だが、3着以下だと【0-1-0-23】(同4.2%)と苦戦。唯一馬券圏内に好走したのは、昨年9番人気で2着したウインピクシスだった。

今年この条件に当てはまったのは、そのウインピクシスとラリュエルの2頭。リピーターの好走も目立つレースだけに、ウインピクシスは怖い存在だが、データに素直に従いたい。

【今年の該当馬】
・ウインピクシス
・ラリュエル

『前走GⅢ』×『父キングマンボ系』★7.7%★

続いては前走でGⅢを走っていた馬。マーメイドSか福島牝馬Sからの参戦が多いが、過去10年で【3-4-2-39】(複勝率18.8%)という平凡な成績が残っている。この中で特に凡走が多かったのが父キングマンボ系で、【0-1-0-12】(同7.7%)だった。

今年のメンバーの中でこのデータに当てはまったのは、キングカメハメハを父に持つエリカヴィータ。前走のマーメイドSは16番人気ながら7着に踏ん張ったが、さすがに3着以内は厳しいだろう。

【今年の該当馬】
・エリカヴィータ

『前走時馬体重480kg以上』×『今回馬番3~14番』★4.3%★

4つの条件を終えて、14頭のうち5頭を消去した。最後は前走時の馬体重と今回の枠順データを組み合わせたい。

採用したのは前走時が480kg以上、かつクイーンSで3番枠から外に入った馬だ。過去10年の成績は【0-0-1-21】(複勝率4.5%)で連対馬はいなかった。

残っている9頭のうち、前走を480kg以上で走っていたのは以下の3頭。内目の1~2番枠に入らない限りは消去リスト行きとなる。

【今年の該当馬候補】
・イフェイオン
・スタニングローズ
・モリアーナ

全ての条件を終えて、確実に残るのは、ウンブライル、キタウイング、コガネノソラ、コンクシェル、ドゥアイズ、ボンドガールの6頭となった。有力馬がはほぼ消去を免れた印象だが、本命には敢えてキタウイングを指名したい。

これまで重賞を2勝している隠れ実績馬のキタウイングだが、目下10戦連続で7着以下と早熟のイメージが付きまとう。ただ前走のヴィクトリアマイルで、スタニングローズとはそう差のない競馬をしており、昨年のクイーンSでも最後の直線で前が詰まりながらもラストはいい脚を使っていた。

また、ダノンバラード産駒は札幌の芝で複勝率50%超えと抜群の相性を誇る札幌巧者。中間の追い切り時計を見ても、状態の良さが読み取れる。最下位人気の可能性すらありそうな伏兵だが、前崩れの展開になれば一発があってもおかしくないだろう。

買い目はキタウイングの単複と、残った全頭へのワイド。保険として、ボンドガールとコガネノソラのワイドも押さえておきたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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