【ファンタジーS】小倉2歳S組が中心 2着バレリーナ最有力、反撃期待ミカッテヨンデイイ
SPAIA編集部
ⒸSPAIA
快速牝馬が通る道
2022年11月5日に阪神競馬場で行われるファンタジーステークス。阪神JFへ向けた西の前哨戦であり、2018、19年の勝ち馬ダノンファンタジー、レシステンシアは本番も制覇している。
また、同時期に2歳の芝1200m重賞がないこともあって、のちにスプリントの一線級で活躍する馬がここを経由していることも珍しくない。今年のスプリンターズSは1番人気がメイケイエール(20年ファンタジーS1着馬)、2番人気がナムラクレア(21年2着馬)であり、高松宮記念も1番人気レシステンシア(19年1着馬)、2番人気メイケイエール。面白いことに、いずれもこのレースの連対馬であった。
今年のメンバーからも阪神JFで活躍する馬、または来年以降のスプリント界を賑わせる快速馬が出てくるのか。そんなことも見据えながら、まずは京都開催時を含めた過去10年のデータからファンタジーSを展望していく。
2戦以内の勝ち上がりで
まずは人気別成績。1番人気【3-3-2-2】の安定感は高いが、2番人気【2-0-1-7】、3番人気【0-1-3-6】はやや低調。4~6番人気で計4勝、14番人気が1勝。キャリアの浅い馬どうしで1勝馬がズラリと並ぶようなレースになりやすく、波乱の可能性は常にはらんでいる。
臨戦過程に注目してみると、前走で新馬・未勝利を勝ち上がってきた馬が5勝、1勝クラス以上のレースを走っていた馬が5勝とちょうど半々。ちなみにどちらかが1~3着を占めたケースもなく、バランスよく検討する必要がある。ということで、それぞれの好走パターンを探ろう。
まず前走新馬・未勝利組について、勝ち上がりの内容に注目してデータを調べる。逃げ切りで昇級戦となる馬は【0-0-0-11】と全滅しており、相手強化での苦戦が濃厚。また、こちらの組で連対した8頭は全てキャリア2戦以下。勝ち上がりに3戦以上を要した馬は【0-0-4-11】、あって3着という成績。これは注意したい。
新馬・未勝利組の前走距離に注目すると、前走1400m以下は【2-1-5-33】、1着は新馬戦が0.7秒差の圧勝だったベルーガと、冒頭で登場したレシステンシア。同1500m以上、つまり距離短縮の【3-2-0-10】が率としては優勢だ。したがってエナジーチャイムとレッドヒルシューズが一見よさそうなのだが、前者は前走が逃げ切り。後者は距離短縮で「前走4角2番手以内」【0-0-0-6】、「前走上がり3位以下」【0-0-0-4】、「前走0.0秒差勝ち」【0-1-0-5】と、やや決め手に欠けるのが悩ましい。
順当にバレリーナ、ひねってミカッテヨンデイイ
今度は前走で中央の1勝クラス以上を戦っていた馬にフォーカスしていく。レース別に見ると、かつて10月の頭に施行されていたデイリー杯2歳S【1-1-0-0】、新潟2歳S【0-1-1-1】、サフラン賞【1-1-0-0】というように、マイルを経験してきた馬がいれば最優先。となるとサフラン賞組のサラサハウプリティやコスモフーレイがいる。ただ、サフラン賞2着の走破時計は同日の2歳未勝利戦勝ち馬と同じ1.35.6で、あまりレベルの高い決着には映らない。
次いで狙い目となるのが小倉2歳S組【3-1-0-9】連対率30.8%。2着バレリーナ、3着シルフィードレーヴ、10着ミカッテヨンデイイが出走予定。小倉2歳Sで連対していた馬は【2-1-0-2】だから、バレリーナは順当に評価。対する3着以下は【1-0-0-7】で見劣るが、その1勝が2014年の14番人気クールホタルビ。13着から一気の巻き返しを決めており、消しと決めつけてしまうのは危険だ。
レース内容に目を向けると、シルフィードレーヴは外枠から馬場のいい外を差す素直な競馬での3着。どちらかといえば妙味を感じるのはミカッテヨンデイイ。フェニックス賞を好タイムで勝ったものの、小倉2歳Sでは道中11番手から、勝負どころでは他馬に置かれ気味になって外へ持ち出す余裕もなく、そのまま見せ場なく流れ込んだ。酷暑の小倉で中2週ずつ、4連戦という反動もあったのではないか。フェニックス賞好走→小倉2歳S大敗という点ではクールホタルビと似た戦績でもある。
ほか、ブトンドールの函館2歳Sは【0-0-1-2】。ブランボヌールの1番人気3着はあるが、3頭いずれも人気より下の着順。函館2歳S自体、どうしてもレースレベルが高くなりにくく、主場の1400mに替わっては強調しづらい。
あとは、ききょうSを勝ったアロマデローサも気になる存在だが、前走で1勝クラス以上の1400m戦を勝った馬は【0-0-0-7】。平均人気3.0が示すように、もちろん上位人気に推されるのだが、どうも結果が出ない。レコードVの能力面に文句はないが、データからは推せない。であれば、同8着のサツマノオンナはどうだろうか。ききょうS8着からの臨戦は1例しかなく、16年に12番人気2着の大穴を開けたショーウェイと同様。全くの人気薄なら抑える価値もあるだろう。
《関連記事》
・トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
・将来のクラシックホースはデビュー戦で見抜けるか? 3歳限定GⅠ馬の8割以上が新馬勝ち
・クラブ選びや出資馬選定など一口馬主の始め方をご紹介! 毎月かかる費用などお金事情も詳しく解説
おすすめ記事