【中山金杯】「前走4角5番手以内から連対」は複回収率150%! データで導く穴馬候補3頭
鈴木ユウヤ
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データで見る「穴候補3頭」
2025年の中央競馬開幕日、その中山メインは中山金杯。中山芝2000mを舞台に行われる古馬のハンデGⅢだ。
直近6年はいずれも3連単配当が400倍を超えるなど、ハンデ戦らしく人気薄にも好走の余地があるレース。新年のスタートを幸先よく決めるべく、様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。
ハンデお得な「3勝クラス勝ち馬」 ショウナンアデイブ
最初の1頭はショウナンアデイブ。2020年のセレクトセール1歳で5億6100万円(税込)の値が付いた超高額取引馬だ。条件戦突破に時間はかかったが、前走の修学院Sを勝ってついにオープン入り。明け6歳で初の重賞タイトルを狙う。
このレースに限らず、過去の実績に基づいて斤量が課せられるハンデ重賞では「実績はないが今の実力が高い馬」こそ狙い目。反対に「能力が衰え始めた古豪」は斤量面で不利になる。
これを象徴するように、過去10年の中山金杯では「前走3勝クラス組」が【2-1-2-12】複勝率29.4%、複回収率108%と活躍している。条件戦勝ちたてホヤホヤの新星を買うのがセオリーのひとつだ。特に前走も2000mだった馬は【2-1-2-3】複勝率62.5%、複回収率230%と高確率で馬券になっている。
ショウナンアデイブの前走は1000m通過58.8秒のやや速い流れ、それを3番手で追走し、直線は差し馬に抜かれそうで抜かせない勝負根性を見せた。
勝ち時計1:57.8は馬場差もあるとはいえ、同コースのアンドロメダS(L)やチャレンジC(GⅢ)よりも速かった。先行してしぶとさを生かす形ならここでも通用するだろう。
前走の「4角通過順」が明暗分ける ボーンディスウェイ
続いてボーンディスウェイを取り上げる。昨年は2番人気4着と惜敗したが、2走前からブリンカーを付けてさらに良化。オクトーバーSを3番手から快勝してここへ駒を進めた。
例年、金杯デーの中山芝は年末までのAコースから仮柵を6m移動してCコースで施行されてきた。そのため内有利の馬場になりやすく、多頭数も相まって大味な外差しはなかなか届かない。
今年はBコース(仮柵を3m移動)のため例年と程度は異なるが、コース替わり初週のフルゲートなら方向性は内目先行有利で変わらないだろう。
先行力の重要さはデータに表れている。過去10年の当レースにおいて「前走4角5番手以内」だった馬は【8-4-6-48】複勝率27.3%、複回収率88%に対し「同6番手以下」は【2-6-4-83】複勝率12.6%、複回収率30%と明確な差がある。
さらに「前走4角5番手以内から連対した馬」は【4-3-3-10】複勝率50.0%、複回収率150%だ。先に挙げたショウナンアデイブに加え、ボーンディスウェイもこれに当てはまる。
ボーンディスウェイは3歳時に弥生賞でアスクビクターモア、ドウデュースの0.1秒差3着という実績がある。ソラ癖があり条件戦時代の4勝はいずれも着差0.1秒以下だったが、前走は初めて後続に0.3秒差を付けて勝利。ブリンカー効果でひと皮むけた印象がある。昨年から進化した姿を見せてくれるはずだ。
藤岡佑介騎手の中山遠征は「買い」! アルナシーム
3頭目はアルナシーム。ハイレベルだったドウデュース、セリフォス世代の朝日杯FS4着馬で、その後は1800m戦を中心に勝ち星を積み重ねてきた。今回の鞍上には藤岡佑介騎手が想定されている。
藤岡騎手は栗東所属ながら中山を得意とするジョッキーだ。過去5年の騎乗成績は【7-1-5-32】複勝率28.9%、単回収率154%、複回収率172%。年間10鞍あるかないかという機会だが、藤岡騎手の中山遠征は逃さずに買っておきたい。
アルナシームは左回りが不得手な馬で、エプソムCと富士Sの敗戦は度外視可能。また、1800mだと引っかかる割にマイルは【1-0-0-7】と振るわず、合わない距離でGⅠ挑戦だった前走も悲観しなくていい。
ベストが右回り1800mなのは間違いないが、以前に比べて我慢が利くようになった今なら2000mも悪くないのではないか。距離不安で人気を落とすなら妙味ありだ。
<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
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