【2歳馬ジャッジ】武豊騎手に大きく期待が持てる新馬が出現! 土曜日ドーブネ、日曜日ドウデュース

山崎エリカ

9月4日、9月5日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA

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目指せ「2歳戦で大儲け」

このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は札幌2歳Sを4馬身差で圧勝したジオグリフ、小倉2歳Sを上がり3F最速をマークし見事差し切ったナムラクレアなど、9月4日、9月5日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで

9月4日(土) 札幌5R 優勝馬 ドーブネ 指数-4 評価AA
8枠11番からの発走となったドーブネはスタートで出遅れた。札幌芝1500mは外枠不利なコース。道中は距離ロスを最小限にとどめていたが、4角手前から上がって行くときに外を回るロスが生じた。それでも最後までしっかり脚を伸ばして2馬身差の快勝。

レース映像を見て、そこまで強烈なインパクトはなかったが、上がり3Fタイムは34秒6。札幌開催最終週のこの日の馬場としてはなかなか優秀だ。ラスト2Fは11秒5-11秒6。減速もわずかで外を回ったロスなどを考えれば、やはり悪くない。スタートで出遅れたこともあり、今回は能力を出し切ったわけではないだろう。さすが千葉サラブレッドセールで5億円以上で取り引きされただけのことはある。今後が楽しみだ。

9月4日(土) 札幌11R  優勝馬 ジオグリフ 指数-15 評価AA
この連載で今年6月に行われた東京開催新馬戦では最も優秀な内容で勝利したと評価したジオグリフ。その高い評価に応えて、札幌2歳Sは4馬身差の圧勝だった。指数は前週に行われた新潟2歳Sを上回り、現2歳世代芝部門のトップに立った。

ジオグリフはスタートで出遅れたが、結果的には出遅れたことで後方待機策となり、展開に恵まれた。よって今回は圧勝で、現段階では2歳世代の王者ではあるが、まだ安泰とは言えない。

ジオグリフの新馬戦での着差関係から、おそらく新馬戦の上位3頭とも強いのではないかと記したが、やはり2着馬のアサヒ、3着馬アスクビクターモアともに今後注目すべきだろう。今回2番人気に支持されていた新馬戦圧勝のトップキャストはやはり疲れが出てしまい凡退した。一旦しっかり休ませたほうが、素質の芽を摘まないだろう。

9月5日(日) 札幌1R 優勝馬 ジャスティンスカイ 指数-7 評価A
新馬戦ではロンに離されての2着だったジャスティンスカイ。今回は好スタートから好位の内で折り合い、前がレースを引っ張ってくれる理想的な展開で能力を出し切れた。

この日は札幌最終日でかなり時計の掛かる馬場。それでもラスト2Fは12秒1-12秒0と加速できており、相当なスタミナの持ち主で、時計の掛かる馬場に対する適性が高い。結果3着馬を6馬身引き離して好指数勝ち。今回の指数は札幌2歳Sならば3着に相当する優秀なものだった。好走条件を選びそうな馬だが、豊富なスタミナに注目したい。

9月5日(日) 札幌10R 優勝馬 ヴィアドロローサ 指数-9 評価B
新馬戦では4着馬に5馬身半差と、大きく引き離して強い内容で勝利していたヴィアドロローサ。ただし、疲れがいかにも残りそうな内容で、実際当時の2着、3着馬は次走で取りこぼす結果となっていた。しかし、ヴィアドロローサは上積みを見せて、今回のレースを勝利。これで2戦2勝となった。激戦となった新馬戦程度ではダメージが残らないと言うことは、潜在能力はかなり高いところにあるのだろう。勝ったり負けたりしながらかなり上に行く馬になりそうだ。

このレースで2着に負けたのは新馬戦で驚異の走りを見せたポメランチェ。前走の函館2歳S7着からは巻き返したが、おおよそ期待外れな走り。やはり蓄積疲労が相当に溜まっているのだろう。モズスーパーフレアの2歳時と同じような状況。一旦休ませてあげたほうがよいと見る。

9月5日(日) 新潟2R 優勝馬 タミオスター 指数-5 評価B
タミオスターは新馬戦ではスタートでかなり出遅れ、そこから好位に上がって行くロスのある競馬。さらには終始折り合いを欠き、苦しくなってしまった。今回はスタートを決めてから中団の内で折り合い、直線では馬場の良い外に出す理想的な競馬。結果2着馬に4馬身差をつける快勝だった。

指数もこの時期の未勝利クラスとしては悪くない。スタミナはかなりありそうだ。ただ、今回は全てが上手く行った印象。次走昇級戦でいきなりとなるとやや厳しいかもしれない。将来的には兄ジョルジュサンクと同じように、スタミナの生きる舞台で期待が持てる馬になりそうだ。

9月5日(日) 新潟5R 優勝馬 トーセンシュシュ 指数-2 評価B
中団の内で折り合い、直線では馬場の良い外に出して、最後までしっかり伸びたトーセンシュシュ。4着馬には10馬身差をつけて勝利した。上がり3Fタイム33秒9は、この日の新潟芝としては優秀。ラスト2Fは10秒8-11秒9と大幅に減速。見た目以上にタフな馬場で厳しいレースだったのかもしれない。スタミナはかなりありそうなので、使われながら大駆けが期待できそうだ。

9月5日(土) 新潟6R 優勝馬 カールスモーキー 指数-1 評価B
カールスモーキーは斤量51Kgだったこともあり、ダッシュ良く2番手に付けたが、内から2頭が抵抗してきたため、それらを行かせて4番手からの競馬に。ペースが落ち着いた3角手前から再び2番手に上がり、直線序盤で先頭に立ってそのまま押し切る強い内容で勝利。

新潟芝1400mで勝ちタイムは1分24秒0と超平凡なタイム。しかし、新潟芝1400m新馬戦はかなり不思議な舞台で、タイムのバラつきが激しく出る。古馬のタイムとまともに比較することはあまり意味がない。後の活躍馬は平凡なタイムだった新馬戦からの方が多いくらいだ。このレースのラスト2Fは12秒4-12秒2と最後に向けて加速している。このあたりに非凡さを感じる。カールスモーキーは意外と強いかもしれない。

9月4日(土) 小倉2R 優勝馬 コンクパール 指数-11(ダート) 評価A
東京の芝1600mの新馬戦で2着、次走は阪神芝1600mの未勝利で3着と、ここでは明らかに実績が上だったコンクパール。今回の問題は初ダートがどうなるかだったが、ダッシュがつき、自分の競馬ができたここでは力が違いすぎた。逃げて8馬身差の圧勝で2歳レコードのおまけ付き。指数は古馬1勝クラス勝ちレベル相当だった。今回は最後にかなり急失速しているように、コンクパールにとってはかなり厳しい競馬だった。この経験は次走芝の昇級戦に繋がっていくかもしれない。

9月4日(土) 小倉5R  優勝馬 ダークペイジ 指数-2 評価B
なかなか良いダッシュを見せて、好位を追走したダークペイジ。4角では内から外に出しながら2番手に上がり、直線では前を行く馬を差し切った。上がり3Fタイムは出走馬中で最速。ラスト2Fは11秒5-11秒6とあまり減速しなかった点は高く評価できる。新馬戦の内容はほぼ減点材料がない。あまり人気になりそうもない馬だが、意外と強そうだ。

9月5日(日) 小倉5R 優勝馬 ドウデュース 指数-3 評価AA
13頭立ての大外枠に入ったドウデュース。終始外を回りながらも、コーナーで置かれることなく、それどころかじわじわと位置を上げる形。距離ロスはあったが馬場の良いところを意識したのだろう。4角では外から先頭に並びかける強気な競馬。直線では先にひとつ内から動いたガイアフォースと2頭で後続を一気に引き離して叩き合いに。ラスト2Fが11秒4-11秒1と加速する流れを、クビ差差し切って勝利した。ラスト1Fの数字はかなり優秀。上位2頭はかなり強そうだ。今後が楽しみである。

9月5日(日) 小倉11R 優勝馬 ナムラクレア 指数-13 評価B
今年の小倉2歳Sは例年と比較すると出走馬が小粒。頭数も10頭と多くなく、特に前哨戦のフェニックス賞がかなりの低指数決着で、ややレベルの高い未勝利戦程度の指数だった。これは史上最低の小倉2歳Sになるのではと言う懸念もあったが、終わってみればフェニックス賞の勝ち馬ナムラクレアが快勝。

ナムラクレアはフェニックス賞では出遅れ、最後方の内から一気に3番手まで位置を押し上げる展開。かなりロスのある競馬を克服し勝利していたが、やはり指数以上に強かった。今回のナムラクレアの指数は札幌2歳S、新潟2歳Sに次いで、現2歳世代の芝部門ではナンバー3にあたるもの。今後も勝ったり負けたりしながら活躍が期待できそうだ。



9月4日、9月5日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ドウデュースの指数「-3」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.3秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。



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