【朝日杯FS】過去15年の勝ち馬の絶対条件は「前走1着」 本命は勝率60%「ベゴニア賞勝ち」のオーサムストローク
門田光生
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過去15回の勝ち馬は全て「前走1着」
2023年12月17日に阪神競馬場で行われる第75回朝日杯FS。2歳路線はホープフルS(芝2000m)がGⅠに昇格したことにより、距離の住みわけができた。現在、朝日杯FSはクラシックの登竜門というより、NHKマイルCから安田記念へ続く一流マイラーへの道となっている。
そんな朝日杯FSにはどのような傾向があるのか。今回も過去15年の成績を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬が6勝(12連対)、栗東所属馬が9勝(18連対)。出走頭数は栗東の方が倍以上多いので、勝率、連対率で比べると、美浦所属馬が上となる。朝日杯FSは2014年から中山→阪神競馬場と場所を変えているので、2014年以降のデータも調べてみると、勝率は変わらずも、連対率は栗東所属馬が上回っていた。ホームアドバンテージがあるのかもしれない。
☆性別
牝馬しか出走できない阪神JFと違って、朝日杯FSは牡馬、牝馬どちらも出走できる(セン馬は出走不可)。これまでも、少ないながら牝馬が出走(7頭)しているが、2018年グランアレグリアの3着が最高着順で連対馬はいない。ちなみに、2003年までは牝馬が出走できなかった代わりに、セン馬は出走可能だった。
☆キャリア
勝ち馬が出ているのはキャリア5戦まで。最も勝ち馬を出しているのはキャリア2戦で、7勝。連対馬も最多の12頭となっている。次点はキャリア3戦で、連対馬は11頭、連対率も14.7%と悪くなく、この2組が中心と考えていいだろう。キャリアが4戦を超えると好走率が下がり、6戦以上になると連対馬がいなくなる。
☆前走クラス
最も勝ち馬を出しているのは、1勝クラス組とGⅢ組で、それぞれ5頭ずつ。連対馬ではGⅡ組が最多の11頭だが、勝ち馬は2頭しかいない。
☆主な前走
相性のいい前哨戦は、5頭の連対馬を出しているサウジアラビアRC(前身のいちょうS含む)。連対率35.7%も優秀といっていいだろう。しかし、今年は前走サウジアラビアRC組が1頭も出走していない。となると、9頭が出走して3頭の勝ち馬を出しているベゴニア賞が、今年の最有力候補となる。
2、3着馬はいないといえ、勝率33.3%は条件戦としては上々だろう。また、最も出走頭数が多いのは京王杯2歳S。これまで49頭が出走して、勝ったのは2010年グランプリボスだけ(2着は5頭出ている)。勝率も2.0%と低く、ベゴニア賞と違って頭狙いは厳しいか。
☆前走着順と前走人気
勝ち馬15頭全てが、前走で1着だった。頭狙いならこれは必須条件。前走2着馬は【0-4-2-33】は連対率10.3%で、ぎりぎり及第点といったところ。前走3着以下になると、好走率ががくっと下がってしまう。
前走人気では、前走で2番人気以内に支持されていた馬から13頭の勝ち馬が出ている。
☆前走距離
成績がいいのは、朝日杯FSと同じマイル戦を使っていた馬。10頭の勝ち馬が出ており、2着馬も6頭いる。相性の良いサウジアラビアRCやベゴニア賞が1600mなので、この結果も納得がいく。良くないのは前走で1200mを走っていた組(今年は該当馬なし)。19頭が該当して、すべて着外だった。また、前走1400m組も勝率2.1%と振るわない。
☆その他
そのほかで気になったデータを2つ。まずは前走馬体重。442キロ以下で走っていた馬はすべて3着以下。また、中1週でのローテでも連対馬が出ていない。
ベゴニア賞から頂点へ オーサムストロークが駆け上がる
朝日杯FSのデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「キャリア2、3戦」
B「前走がベゴニア賞」
C「前走が1600m」
D「前走1着」
E「前走2番人気以内」
【好走率ダウン】
F「キャリア4、5戦」
G「前走が1400m」
【勝ち馬なし】
H「前走2着以下」
【連対馬なし】
I「牝馬」
J「キャリア6戦以上」
K「前走馬体重442キロ以下」
L「中1週以内」
今回、満たしておきたいデータは、過去の勝ち馬15頭がすべて該当するD「前走1着」。前走1着馬を含む、最多のプラスデータを持つのは、オーサムストローク、ジャンタルマンタルの2頭(同じく4つだったナイトスラッガーは回避予定)。
まずオーサムストロークだが、9頭中3頭の勝ち馬を出しているベゴニア賞組が強調材料。ただ、これまで1頭しか勝ち馬が出ていないF「キャリア4、5戦」に該当するのは気になるところ。キャリア4戦で勝ったのが2016年のサトノアレスで、こちらもベゴニア賞→朝日杯FSのローテーションだった。さらにいえば、新馬→未勝利→未勝利→ベゴニア賞と、デビューからの臨戦過程が全く同じ。ベゴニア賞の1着馬だけに絞ると【3-0-0-2】勝率60.0%で、該当する2012年のロゴタイプは、1頭しか勝ち馬が出ていないキャリア5戦での勝ち馬でもある。ベゴニア賞勝ち馬はキャリアが多くても問題なしと結論付けて、今回はこの馬を本命としたい。
もう1頭のジャンタルマンタルは減点材料がなく、こちらが本命でもよかったが、2016年以来、久しぶりに出走するベゴニア賞勝ち馬に本命の座を譲ることにして対抗とする。
3番手以下だが、まずはエコロヴァルツ。プラスデータを3つ持っていて、マイナスデータがないのはこの馬だけ。気になるのは前走がコスモス賞(中17週)ということ。最も間隔があいて連対したのは、2008年のセイウンワンダー(新潟2歳S、中14週)。これ以上に間隔があくが、現代競馬は久々が関係ない傾向にあるし、ぎりぎりセーフとしたい。
サトミノキラリ、タイキヴァンクール、タガノエルピーダ、タガノデュード、ダノンマッキンリーの5頭もプラスデータを3つ持っているが、タガノエルピーダはI「牝馬」、タガノデュードはJ「キャリア6戦以上」といずれも連対馬なしのデータに該当している。また、残りの3頭はいずれも勝率が落ちるG「前走が1400m以下」に引っかかる。
ただ、前走1400m組は勝率こそ2.1%と低いが、連対率は8.4%で、2、3着でもと考えれば、そこまでマイナスでもない。この3頭の中では、16頭中1頭しか連対していない未勝利組(タイキヴァンクール)より、勝ち馬を5頭出している1勝クラス組(サトミノキラリ、ダノンマッキンリー)の方が上とみて、後者2頭を押さえとしたい。
◎オーサムストローク
◯ジャンタルマンタル
▲エコロヴァルツ
△サトミノキラリ
×ダノンマッキンリー
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
園田のファン投票レース、園田金盃が先週、行われました。馬券は別として、やはりファン投票の大レースは盛り上がりますね。馬券は別として……。ツムタイザンよ、あそこまでいったら差し切ってほしかった(涙)。
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