【京阪杯】連軸候補はエイシンスポッター、ルガル、シングザットソング 3着は10番人気以下まで手広く
勝木淳
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10番人気以下3着6回
ジャパンCが東京最終レースに設定されたのは2012年のこと。ジェンティルドンナがオルフェーヴルとの激闘を制した年からだった。京阪杯が日曜の最終レースに設定され、ジャパンCデー全体の最後になったのが2014年。ジャパンCはC.スミヨン騎手とエピファネイアが圧勝し、京阪杯は田中健騎手とアンバルブライベンが逃げ切った。この形になって、10年目になる。
今年のようにジャパンCが非常に堅そうなとき、京阪杯は穴党の希望としてその存在感を増す。早々に国内GⅠが終わったスプリント戦線は戦力の入れ替わりも起こり、来年に向けて非常に曖昧な状況にある。そこに大穴ゲットのチャンスが隠れている。しっかり的中にこぎつけたい。データは2020~22年の阪神開催を含めた、過去10年分を使用する。
1番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%、2番人気【2-0-0-8】勝率、複勝率20.0%、3番人気【1-3-0-6】勝率10.0%、複勝率40.0%と大きな差はなく、7番人気【1-0-1-8】勝率10.0%、複勝率20.0%など人気薄も数字が落ちない。
10番人気以下は【1-3-6-68】勝率1.3%、複勝率12.8%で、3着を6頭も出した。超人気薄までしっかり馬券に組み入れないと、的中は遠ざかる。
年齢別では3歳【2-1-0-13】勝率12.5%、複勝率18.8%が目立つ。11月終わりともなると、重賞戦線も3歳馬が十分通用する。来年に向けてという意味では、まずは3歳馬に注目したいところだ。 次が4歳【3-5-1-25】勝率8.8%、複勝率26.5%なので、基本は若い馬を中心に考えたいところだが、5歳【3-2-6-45】勝率5.4%、複勝率19.6%、6歳【2-0-3-33】勝率5.3%、複勝率13.2%などベテランにも注意が必要だ。この2世代は回収率も高く、荒れると踏むなら、5、6歳から探そう。
連軸候補はエイシンスポッター、ルガル、シングザットソング
3歳はルガル、シングザットソング、モズメイメイなど数が多く、勢いを感じる。4歳エクセトラ、エイシンスポッター、トウシンマカオらGⅡ、GⅠの壁にはね返された組の逆襲はあるのか。穴ならジュビリーヘッド、スマートリアンら5、6歳勢なのか。データできっちり絞ってみよう。
まず、モズメイメイの前走地方は【1-0-0-1】で、17年ネロがJBCスプリント4着から巻き返した。ローテはモズメイメイと同じ。ただし、こちらは11着大敗。微妙だが、モズメイメイには同舞台の葵Sを逃げ切った実績がある。舞台替わりは臨むところだろう。
前走クラス別ではGⅠが【2-1-2-25】勝率6.7%、複勝率16.7%と頼りない数字だ。大半がスプリンターズS【2-1-2-24】で、6着以下が【2-1-2-20】。今年はふた桁着順馬が何頭か登録しているが、京都実績ならエイシンスポッターだ。春の鞍馬Sでは不良馬場だったが、4コーナー16番手から追い込みを決めた。CBC賞0.6差、セントウルS0.5差、スプリンターズS0.7差と力量的には重賞で通用する。
さらに前走GⅡも【1-3-2-30】勝率2.8%、複勝率16.7%と冴えない。スワンS【1-3-0-21】勝率4.0%、複勝率16.0%、セントウルS【0-0-2-8】複勝率20.0%と良さそうなローテがさほど結果を残せていない。GⅡで4着以内【0-3-1-4】、6着以下【1-0-1-24】なので、堅実さを求めるならスワンS4着ルガルだろうか。モズメイメイが勝った葵Sの2着馬であり、可能性はある。
重賞組なら前走GⅢ【3-1-1-19】勝率12.5%、複勝率20.8%をとりたい。しかし、前走GⅢ組は北九州記念6着のトゥラヴェスーラしか登録がない。その北九州記念は【0-0-0-8】で好走ゾーンには入っていない。
では同舞台のオパールSが含まれる前走OP・L【2-3-4-51】勝率3.3%、複勝率15.0%はどうだろうか。数が多く狙いにくいところだが、着順内訳をみると、1着【2-1-0-11】勝率14.3%、複勝率21.4%を筆頭に3着以内【2-1-4-19】、4着以下【0-2-0-32】と好走が条件になる。オパールS2着シングザットソングがゾーンに入る。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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