【秋華賞】打倒リバティアイランドなるか ライバル3頭を徹底比較し逆転の可能性を探る
高橋楓
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牝馬三冠に待ったをかける馬は現われるか
10月15日に京都競馬場で秋華賞が開催される。正直なところ、今年はリバティアイランドが牝馬三冠を達成する可能性が高いとみている。
1986年以降のオークスで2着に1.0秒差をつけ優勝したのはリバティアイランドただ一頭。0.8秒差も2012年ジェンティルドンナだけだ。同馬は後に三冠牝馬に輝き、ジャパンC、ドバイSC、有馬記念などGⅠ・7勝を挙げた。オークスでのリバティアイランドのパフォーマンスは、そんなジェンティルドンナを上回るものだった。
とはいえ、競馬をする以上、全陣営が白旗でスタートするわけがない。そこで今回はオークス2着馬ハーパー、トライアルを制したマスクトディーヴァ、モリアーナの3頭を比較し、打倒リバティアイランドに一番近い馬を探していく。
勝ち馬の前走は過去10年で3レースのみ
はじめに3頭の前走レースから見ていきたい。ハーパーはオークス2着から直行、マスクトディーヴァがローズS1着、モリアーナが紫苑S1着から秋華賞に出走する。過去10年の前走レース別成績は以下のようになる。
ハーパー オークス[4-1-1-15]
マスクトディーヴァ ローズS[2-3-7-54]
モリアーナ 紫苑S[3-4-0-26]※重賞昇格後7回
ちなみに重賞昇格前の紫苑S組は[1-0-0-12]で、過去10年の秋華賞馬はこの3レースからしか誕生していない。
それではまず前走オークス組から。勝率19.0%はさすがとしか言いようがない。近年は直行ローテが当たり前となり、以前の京都コースで行われていた2018年から2020年までアーモンドアイ、クロノジェネシス、デアリングタクトが3年連続で勝利。阪神で行われた2021年はアカイトリノムスメが前走2着から巻き返し勝利した。やはり近年では一番の王道ローテとなるだろう。
次はマスクトディーヴァが該当するローズS組。勝率は3.0%に落ちるが、12頭が馬券に絡んでいる。とはいえこのローテから勝った2頭はメイショウマンボとミッキークイーンでともにオークス馬。マスクトディーヴァは少々分が悪いとみる。
最後にモリアーナが該当する紫苑S組。2016年にGⅢへ昇格した同レースからは7頭が連に絡んでいる。勝った3頭のうち2頭は前々走で条件クラスを勝ち、紫苑Sで出走権を獲得したヴィブロスとディアドラ。残りの1頭はオークス2着からしっかり勝ち上がって本番に挑んだ昨年のスタニングローズだ。モリアーナはこの条件には当てはまらないが、春のマイル戦線で堅実な走りをしていただけに、判断が難しい。
臨戦過程では、オークス2着から直行のハーパーが一歩リードだろう。
堅実さはハーパー、爆発力ならマスクトディーヴァ
次に3頭の通算成績などこれまでの成績を振り返ってみたい。
ハーパー
通算[2-2-0-1]重賞[1-1-0-1]上がり3Fベスト34秒2
マスクトディーヴァ
通算[3-0-0-1]重賞[1-0-0-0]上がり3Fベスト33秒2
モリアーナ
通算[3-0-1-3]重賞[1-0-1-3]上がり3Fベスト33秒0
実績面の1番手はハーパーだろう。クイーンCを制し桜花賞4着、オークス2着と世代でもトップクラスだ。この馬最大の懸念材料はエンジンの掛かりが遅めな点。これまで上がり3ハロン2位以内を記録したことがなく、最速34秒2。秋華賞が行われる京都芝2000m内回りは器用さの問われる小回りコース。勝ち負けに加わるためには機動力が重要となる。勝負所でしっかり動けるかがポイントだ。
マスクトディーヴァはここまで4戦3勝。全レースで上がり3ハロン3位以内と堅実な末脚をもっている。祖母は京都で行われたスワンS、京都牝馬Sを制するなど重賞で活躍したビハインドザマスク。同馬は初重賞制覇までの12戦中11戦で上がり最速をマークした切れ者だった。その末脚がマスクトディーヴァにも受け継がれ、直線で弾けることが出来れば面白い。
モリアーナは7戦3勝ながら、前走の紫苑Sで見せた直線での末脚に光るものがあった。横山典弘騎手に乗り替わってからの2戦は後方待機策をとっているだけに、ハマった時の怖さはある。
3頭の中では、先行集団を見ながら堅実な脚が使えるマスクトディーヴァが良さそうだ。特に前走ローズSは上がり33.2でレコード勝ち。末脚でリバティアイランドを上回ることも十分に期待できる。
秋華賞が行われるAコース実績を調査
秋華賞は京都芝2000mのAコースで行われ、小回りコースでコーナーが4つある。直線も約328mしかなく、仕掛けどころが難しいコースだ。ここでは騎手と種牡馬の京都芝2000mのAコース実績を調査。期間は2013年10月1日から2023年10月1日までの136レース。
まずは騎乗予定の3騎手の成績からみていく。
ハーパー C.ルメール[11-9-6-18]
マスクトディーヴァ 岩田望来[0-0-0-10]
モリアーナ 横山典弘[1-0-0-11]
ハーパーに騎乗予定のC.ルメール騎手は安定感がすごい。勝率25.0%、連対率45.5%、複勝率59.1%とハイアベレージ。今回でハーパーへは3連続騎乗となるだけに、期待が膨らむ。
マスクトディーヴァに騎乗予定の岩田望来騎手は当該条件では勝ったことがなく、モリアーナに騎乗予定の横山典弘騎手も1勝だけ。この点は大きく割り引いて考えたい。
ちなみにリバティアイランドに騎乗予定の川田将雅騎手は17勝で勝ち星トップ。勝率25.4%、連対率44.8%、複勝率59.7%でC.ルメール騎手と互角の率を残している。
次に種牡馬の京都芝2000mのAコース実績をみていく。
ハーパー ハーツクライ産駒[17-9-8-69]
マスクトディーヴァ ルーラーシップ産駒[3-5-7-34]
モリアーナ エピファネイア産駒[2-2-0-9]
ハーパーが該当するハーツクライ産駒は勝率16.5%をマークしており、勝ち星ランキングでも2位。勝ち星トップはディープインパクト産駒で勝率は14.2%。勝率ではディープインパクト産駒を上回っている。ハーパーにとって追い風となるデータだ。
マスクトディーヴァが該当するルーラーシップ産駒は勝率6.1%と苦戦している。モリアーナが該当するエピファネイア産駒は、サンプル数は少ないが2勝をマーク。勝率15.4%なので苦手コースではないだろう。
最後にリバティアイランドが該当するドゥラメンテ産駒の成績もみておく。ドゥラメンテ産駒は、改修工事の影響で出走回数は多くないが、秋華賞が行われる当該コースでは[0-0-1-3]。芝の全成績でも[4-6-7-31]勝率8.3%と決して高くはない。リバティアイランド唯一の不安点があるとすればここではないか。
ここまで見てきて、打倒リバティアイランドに一番近い馬はハーパーだろう。成長力のあるハーツクライ産駒で、C.ルメール騎手と3度目のコンビ。安定感のあるレースぶりに加え、高い先行力は京都内回り芝2000mでは大きな武器になる。直線早めに抜け出すことができれば、リバティアイランドを逆転する可能性もあるのではないか。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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