【アイビスSD】馬券圏内トップはサクラバクシンオー産駒の8回 千直重賞の「記録」を振り返る

緒方きしん

アイビスサマーダッシュの「記録」,ⒸSPAIA

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千直重賞が得意なサクラバクシンオー産駒たち

夏の風物詩、アイビスSD。直線で行われる特徴的なレースだけにリピーターが多い。2勝3着1回のカルストンライトオ、連覇したカノヤザクラやベルカント、最近であれば3年連続で連対したライオンボスなどが記憶に新しい。では、その父親たちには傾向はあるのだろうか?

産駒の3着以内回数でリストアップすると、3度の馬券圏内で2位タイが5頭並ぶ。それが、ウォーニング、バトルプラン、ファルブラヴ、アドマイヤムーン、クロフネだ。ウォーニングとバトルプランはその全てが、カルストンライトオとライオンボスという突出した一頭の存在によるもの。ファルブラヴも、2011年勝ち馬エーシンヴァーゴウが翌年も3着と、計2回好走している。

面白いのはクロフネで、2014年に1着セイコーライコウ、3着アースソニックと2頭が好走、翌年にもアースソニックが3着に入った。アドマイヤムーンは唯一、ハクサンムーン、プリンセスムーン、バカラクイーンと3頭が好走した。

そして単独の第1位は、8度の馬券圏内好走を果たしたサクラバクシンオー産駒である。ベルカント、カノヤザクラと2頭の2勝馬を輩出しているほか、2006年にはマリンフェスタが2着、レイズアンドコールが3着。この4頭はいずれも牝馬ということも特徴的だ。2018年にはショウナンカンプ産駒のラブカンプーが2着。サクラバクシンオーは父の父としても好走馬を輩出した。母父としてもハクサンムーンとシンボリディスコを輩出している。

ただ、母父としてはノーザンテーストが好走馬輩出数でトップ。トーセンオリオン、ネイティヴハート、テイエムチュラサン、エーブダッチマンが馬券圏内に入った。ほかにはダンスインザダークがフォーエバーマーク、ダイメイプリンセスと2頭の好走馬を送り出している。


小柄な牝馬の好走も

最大馬体重で3着以内に入ったのは、2002年2着のブレイクタイム。前年の安田記念でも2着だったが、2002年初戦のNSTオープンを18kg増、さらにその次走の本レースでも12kg増と大幅な体重増で挑み、どちらも2着に入った。ちなみに、その次走の京成杯AHでは18kg減で出走し優勝している。

創設当初(2001年)からこれまでの3着以内の馬を見ると、500キロ以上が14頭、500キロ未満が52頭と、意外にも大型馬は少ない。中でも最軽量は424kgのラブカンプー、勝ち馬での最軽量は436kgのサチノスイーティーと、小柄な牝馬の好走も目立つ。

ただ、馬体を減らしている馬が良いかと言えばそうではなく、3着以内だと30頭が馬体増、23頭が馬体減だった。どうやら暑さに負けず体重を増やしている馬の方がいいようだ。馬体重を最も増やして馬券に絡んだ馬は2003年2着のティエッチグレースで、16kg増。馬体重、そして増減を含めた各馬の調子を見極めた上で、直線の覇者を探したい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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