【競馬】夏の函館、札幌芝コースで活躍している騎手を調査 20ポイント近く複勝率が変わる騎手も

高橋楓

7、8月の函館開催の注目騎手,ⒸSPAIA

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北海道開催が開幕

大学を卒業し、初めて勤めた会社から言い渡された赴任地は札幌だった。秋田県出身ということもあり、寒さには強いつもりでいたが桁違い。11月はすでに一面雪が積もり、深夜には耳が冷たくなり寝ることができず、ナイトキャップを被っていた思い出がある。半面、夏はやはり過ごしやすく最高だった。

そんな思い出の地、北海道は函館と札幌にJRAの競馬場がある。そこで今回は7、8月の函館と札幌開催の芝で積極的に狙いたい騎手に注目していく。データ集計期間は2013年7月1日~2023年6月30日とする。


騎乗数は少ないがハイアベレージの川田将雅騎手

まずは7、8月の函館と札幌開催の芝の騎手ランキングを見ていく。

7、8月の函館・札幌競馬場 騎手ランキング,ⒸSPAIA


・C.ルメール【115-96-62-234】
・池添謙一【76-55-58-365】
・吉田隼人【65-57-59-431】
・岩田康誠【57-60-51-310】
・横山武史【55-44-38-289】
・丹内祐次【48-54-58-566】
・武豊【47-51-34-156】
・J.モレイラ【40-21-11-49】
・藤岡佑介【35-32-40-271】
・菱田裕二【32-34-33-447】

勝ち星はC.ルメール騎手がダントツでトップ。勝率22.7%、連対率41.6%、複勝率53.8%と率の面からも文句なしの数値だ。ただ、率でこれを上回るのが、今夏の来日も噂される「マジックマン」ことJ.モレイラ騎手。騎乗機会が多くない中で勝利数8位にランクインし勝率33.1%、連対率50.4%、複勝率59.5%と、とんでもない数字を残している。騎乗機会121回中110回が4番人気以内の馬ではあるが、しっかり勝ちきり単勝回収率も105%、信頼感抜群だ。

ランキング外からは川田将雅騎手が【13-2-6-27】勝率27.1%、連対率31.3%、複勝率43.8%のハイアベレージを記録している。騎乗数は少ないが、1着が2、3着を足した数よりも多いのが特徴的。思い切って頭固定で勝負しても面白い。


函館開催で狙いたい騎手4名は?

ここからは函館競馬場の芝コースに限定し、2013~2022年の7、8月に行われた570レースをもとに狙える騎手を探っていき、特に気になる4人を紹介したい。また本文の括弧内の数字は、全体成績との比較を表している。

7、8月の函館芝コース 注目騎手,ⒸSPAIA


まずは武豊騎手。全体成績でも勝率13.6%、連対率25.6%、複勝率36.3%と安定した成績を残しているが、函館開催に限ると勝率19.5%(+5.9%)、連対率38.3%(+12.7%)、複勝率50.8%(+14.5%)と飛躍的に馬券に絡む可能性が高くなる。昨年までの近10年間に128回騎乗しての数値で、サンプル数から考えても函館芝での信頼度は抜群だ。

また、浜中俊騎手も勝率17.1%(+6.2%)、連対率32.9%(+10.9%)、複勝率40.0%(+7.8%)で特に連対率がアップしており、連系馬券の軸候補として覚えておきたい。

大野拓弥騎手は勝率11.9%(+6.5%)、連対率22.0%(+9.8%)、複勝率39.4%(+19.7%)と倍以上成績が向上する。これは109レース騎乗しての成績。単勝回収率125%、複勝回収率135%をマークしており、必ずおさえておきたい。最後に秋山真一郎騎手は勝率10.5%(+4.1%)、連対率22.8%(+9.4%)、複勝率33.3%(+11.9%)。5番人気以下で馬券に絡むケースが多いことを頭に入れておきたい。

北海道函館市出身の丹内祐次騎手は北海道シリーズで活躍しているイメージがある。しかし、騎乗回数が非常に多くなった分、勝ち星は多いが率は微増しているだけだ。意外にもデータでみると武豊騎手や大野拓弥騎手などが浮上してきた。函館の開催最終週まで追いかけてみたい。


札幌開催で狙いたい騎手3名!

最後に7月22日から始まる札幌開催の芝レースで注目の騎手も、3名紹介しておきたい。

7、8月の札幌芝コース 注目騎手,ⒸSPAIA


まずは川田将雅騎手。勝率32.5%(+11.1%)、連対率37.5%(+0.5%)、複勝率50.0%(±0.0%)で2回に1回は馬券に絡んでいる。もともとリーディング争いをしているトップジョッキーだが、その中で勝率が11.1%も上昇するのは驚異的。騎乗数は少ないが、その分、参戦したときは良い馬が集まっている。特に1番人気に騎乗した際は【5-1-2-1】で馬券圏外に沈んだのは近10年間で1度だけだ。

次に鮫島克駿騎手。【5-6-9-36】で勝率8.9%(+2.2%)、連対率19.6%(+5.2%)、複勝率35.7%(+13.4%)。特筆すべきは騎乗機会56回中1番人気に1回、2番人気にも7回しか騎乗していないにもかかわらず、高い複勝率を残していることだ。3連系の紐に加えておきたいジョッキーだ。

最後は函館編でも登場した大野拓弥騎手。勝率2.9%(-2.5%)、連対率17.6%(+5.4%)、複勝率29.4%(+9.7%)。着別度数は【2-10-8-48】で勝率はガクンと下がるが、その分、複勝率が10%近くアップしている。特に先行した場合【1-5-4-10】と信頼度が増すので、レース展開を事前に予想したうえで要チェックだ。

《ライタープロフィール》
高橋楓
秋田県出身。競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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