【目黒記念】一発逆転を託すのは黒帽子の2枠! カントル、バラジが激走候補だ

勝木淳

過去10年のデータから見る目黒記念,ⒸSPAIA

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穴は黒帽子の2枠

伝統の目黒記念は競馬場が目黒から府中へ移転した際に創設された。第1回日本ダービーが行われた目黒競馬場は目黒通りの南、下目黒にあった。ダービーの歴史を振り返るきっかけになる目黒記念はダービーデイ当日の最終レースが似合う。

やる前から負けることは考えたくないが、万が一、日本ダービーで負けても目黒記念がある。そして荒れる。一発逆転を託す価値のあるレースだ。データは過去10年分を使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【1-2-2-5】勝率10.0%、複勝率50.0%でわずか1勝。半数は馬券圏外なので、軸馬選びは慎重にいこう。4番人気以内が5勝も、8番人気は【3-0-2-5】勝率30.0%、複勝率50.0%と1番人気より確率が高い。10番人気以下も【1-2-2-74】勝率1.3%、複勝率6.3%と気を抜けず、最後の勝負は絞らず、広角に網を張って挑もう。

なお余談だが、目黒記念の2枠(黒帽子)は【2-2-2-13】勝率10.5%、複勝率31.6%と好成績。全体的に内枠がいいレースではあるが、2枠の単複回収値は139、289で抜けている。馬券圏内6頭の人気は4、1、10、9、6、15番人気。昨年は不発も、20、21年と6、15番人気と穴を提供した。ダービーと同じくこちらも枠順は注目だ。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別成績は正直、偏りがない。4歳【3-2-1-25】勝率9.7%、複勝率19.4%、5歳【2-6-3-42】勝率3.8%、複勝率20.8%、6歳【3-2-2-33】勝率7.5%、複勝率17.5%、7歳以上【2-0-4-39】勝率4.4%、複勝率13.3%。若干4歳の数字がいいぐらいで、高齢を理由にバッサリ行くのは危険だ。

オープン・L組の扱いに注意

1番人気より8番人気が好成績、2枠に注目、年齢を根拠にするのは危険。そんな傾向をひと通りつかんだところで、次は前走成績について調べる。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まず前走GⅠが【1-0-2-18】勝率4.8%、複勝率14.3%とアテにならない点に注意。天皇賞(春)からくるディアスティマは長距離志向がマッチしそうな東京芝2500mであっても安易に飛びつけない。

反面、GⅡは【2-3-3-30】勝率5.3%、複勝率21.1%とそれなりに結果を残す。ここは偏りがあり、日経賞が【2-1-1-8】勝率16.7%、複勝率33.3%と大半を占める。その着順別内訳は3着以内【1-1-0-0】、10着以下【1-0-1-3】と極端。2着ボッケリーニは昨年の勝ち馬で連覇がかかる。連覇なら2006、07年ポップロック以来16年ぶりだ。

ほかではユーキャンスマイルの阪神大賞典は【0-0-1-8】。19年9番人気3着ソールインパクトは阪神大賞典4着だった。ソールインパクトは7歳でこのレースを好走したが、5、6歳時にアルゼンチン共和国杯2着、ダイヤモンドS3着と東京の長距離重賞に実績があった。ユーキャンスマイルも4歳時にダイヤモンドSを勝っている。年齢を理由に切らない方がいいだろう。なお、プラダリアの京都記念は【0-0-0-2】となっている。

前走オープン・L・レース別成績,ⒸSPAIA


今年の出走馬で注意すべきは前走オープン・L【2-6-4-50】勝率3.2%、複勝率19.4%だ。内訳は大阪-ハンブルクC【2-2-0-7】勝率18.2%、複勝率36.4%、メトロポリタンS【0-3-4-33】複勝率17.5%。

大阪-ハンブルクCは施行距離が変わってきたので、取り扱いに注意したい。2400mで施行されていた13~16年【2-1-0-5】、21年から2600m戦で、この2年【0-1-0-2】。ちなみに17~19年は1400m、20年は1200mと短距離だった。2400mと2600mひっくるめて、4着以内【2-2-0-3】、6着以下【0-0-0-4】。勝ったアーティットは有力だが、2400m時代ほどではない。

前走メトロポリタンS・着順別成績,ⒸSPAIA


メトロポリタンSは距離こそ変化はないが、施行時期が13~16年は4月の開幕週、17~22年が開催3週目(19年は雹で開催中止のため施行なし)。4月だった13~16年【0-0-2-13】複勝率13.3%、17~22年【0-3-2-20】複勝率20.0%でむしろ間隔が詰まった方が好成績なので、大阪-ハンブルクC組より積極的に狙いたい。

全体の着順別は2着以内【0-2-2-10】、3~5着【0-0-0-10】、6~9着【0-1-2-10】、10着以下【0-0-0-3】。今年は2着カントルと6着バラジが候補になる。

過去10年のデータから見る目黒記念,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。

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