【天皇賞(春)】ハイブリッド式消去法でアスクビクターモアとシルヴァーソニックは消し! 命運は当日馬体重と人気が握る!?

八木遊

過去10年の天皇賞(春)『前走3着以下』かつ『前走4角6番手以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週は京都競馬場リニューアル後の最初の重賞『マイラーズC』を予想。シュネルマイスター、ソウルラッシュ、グラティアス、サヴァの4頭が最終的に消去を免れ、いつも通り三連複ボックスで勝負した。結果はご存じの通り、上位人気の2頭は馬券圏内に好走したが、人気薄2頭が凡走。皐月賞から2週連続的中とはならなかった。

今週予想するのは、4月30日に京都競馬場で開催される『天皇賞(春)』。過去2年は阪神競馬場で施行されたが、それらも含めた過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消去していく。


『6歳以上』×『前走GⅢ以下』★0.0%★

最初に取り上げるのは年齢別データ。過去10年で6歳以上の馬は【1-4-5-68】(複勝率12.8%)という成績を残している。馬券圏内に入った10頭に共通していたのは、前走でGⅠかGⅡを走っていたこと。GⅢ以下から参戦した6歳以上の馬は【0-0-0-16】(同0.0%)と、そろって4着以下に沈んでいた。

登録馬17頭のうちこの条件に当てはまったのは、前走が海外GⅢのシルヴァーソニック、いずれもダイヤモンドSから参戦するトーセンカンビーナとヒュミドールの計3頭。シルヴァーソニックは競走中止に終わった昨年の当レース以外は長距離戦で崩れていないが、今回はデータに則って消去する。

【今年の該当馬】
・シルヴァーソニック
・トーセンカンビーナ
・ヒュミドール


『前走3着以下』×『前走4角6番手以下』★2.2%★

続いては前走の着順に注目した。前走で3着以下に敗れていた馬は過去10年で【3-3-3-90】(複勝率9.1%)。これだけで複勝率10%未満の消去条件を満たすが、ハイブリッド式ではもう一つのデータを掛け合わせる。ここでは前走の4角通過順をピックアップ。これが5番手以内だった馬は【3-2-3-44】(同15.4%)と健闘していたが、同6番手以下は【0-1-0-45】(同2.2%)とほぼ壊滅状態。唯一馬券に絡んだのは、18年に1番人気で2着したシュヴァルグランだった。

今年は5頭がこの条件に一致。消去済みのトーセンカンビーナに加えて新たに消去リスト行きとなったのはアスクビクターモアなど。昨年の菊花賞を制した同馬は前走からの巻き返しがあってもおかしくないが、今回は消しとする。

【今年の該当馬】
・アイアンバローズ
・アスクビクターモア
・サンレイポケット
・(トーセンカンビーナ)
・メロディーレーン


『前走時馬体重増』×『前走時上がり4位以下』★5.4%★

3つ目のデータは前走時の馬体重増減と、そのレースでの上がり3ハロンタイム順位を組み合わせた。具体的には前走時の馬体重がプラス、かつ上がりタイムがメンバー4位以下だった馬。過去10年でこの条件に当てはまった馬は37頭いて、【1-1-0-35】(複勝率5.4%)という低調な成績だった。

今年この条件に当てはまった馬は5頭。新たに消えるのはディープボンドとディアスティマの2頭となった。前者は京都への舞台替わりはプラスに出そうだが、2着した過去2年と比べると臨戦過程に不安があるのも事実。今年は馬券圏内に食い込むのは厳しいとみる。

【今年の該当馬】
・(アイアンバローズ)
・(アスクビクターモア)
・ディープボンド
・ディアスティマ
・(トーセンカンビーナ)


『4歳馬』×『前走から馬体重4kg以上減』★0.0%★

3つの条件を終えて、17頭のうち過半数の9頭が消えた。ここからさらなる絞り込みを図る。

4つ目のデータは過去10年で【4-2-4-28】(複勝率26.3%)と好成績の4歳馬をあえて取り上げたい。組み合わせるのはレース当日の馬体重増減。これが前走比4kg以上のマイナスだった馬は【0-0-0-11】(同0.0%)で、3着以内は1頭もいなかった。

残っている8頭のうち4歳馬は以下の4頭。もし当日の馬体重が4kg以上減っていれば消去対象となる。

【今年の該当候補】
・エンドロール
・ジャスティンパレス
・ボルドグフーシュ
・マテンロウレオ


『非社台系生産』×『今回7番人気以下』★1.7%★

最後はほぼ毎回用いている生産者別データ。今回は非社台系生産馬を取り上げる。過去10年の成績は【4-3-4-73】(複勝率13.1%)で、複勝率22.9%の社台系生産馬には見劣る数字。3着以内に好走した11頭のうち10頭は天皇賞(春)で最終的に6番人気以内の支持を得ていた。つまり、7番人気以下の非社台系生産馬で馬券に絡んだのは1頭だけ。その成績は【0-0-1-58】(同1.7%)だった。

3つ目のデータ終了時点で残っている8頭のうち非社台系生産馬は以下の6頭。ただしタイトルホルダーは6番人気以内が確定的で、消去を免れるだろう。微妙なのがディープモンスターとマテンロウレオあたりで、ちょうど7番人気前後か。レース直前まで人気順を確認することになるかもしれない。

【今年の該当候補】
・アフリカンゴールド
・エンドロール
・タイトルホルダー
・ディープモンスター
・ブレークアップ
・マテンロウレオ

全ての条件を終えて、タイトルホルダーは残る可能性が極めて高いが、無条件で残る馬はゼロという結果になった。最終的に残った馬の数が1頭の時は単勝1点、2頭の時はワイド1点、3頭の時は三連複1点、4頭以上の時は三連複ボックスで勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は32.1%(4月23日現在)。

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