【福島牝馬S】中山牝馬Sからの連続好走が頻発! 斤量増でも構わずストーリア
SPAIA編集部
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ヴィクトリアマイル裏街道
2023年4月22日に行われる牝馬限定GⅢ・福島牝馬ステークス。1着馬にヴィクトリアマイルへの優先出走権が与えられるトライアルではあるものの、同じワンターンのマイル戦である阪神牝馬Sに比べると「裏街道」という色が濃く、ここをステップに本番を制した馬はまだいない。
今年も中山牝馬Sの2着ストーリアやミスニューヨークなど小回り巧者、1800m巧者たちが多く登録してきた。過去10年のデータを参照しながら展望していく。なお、2021年は新潟競馬場での代替開催となっている。
中山牝馬Sとの相関強し
まず人気別成績から見ていくが、これが強烈。大前提として、出走した全148頭の複勝回収率が120%で、単純に均等買いしていても計算上プラス収支だったことになる。それだけ人気薄の好走が多いということで、10番人気以下【1-1-6-50】も含めてくまなく検討する必要がある。
ちなみに、上位人気サイドでは1番人気【1-4-1-4】や2番人気【0-1-1-8】よりも3番人気【4-1-0-5】が優勢。
続いて年齢別成績。4歳【2-4-2-48】勝率3.6%、複勝率14.3%が振るわず、単回収率21%、複回収率48%も低調。これは昇級初戦、あるいは格上挑戦の馬が多く含まれていることが一因だろう。牝馬限定GⅢと言っても別定戦。相手強化のハードルはそれなりにある。
既に重賞戦線で走り慣れている歴戦の5歳馬【5-6-5-42】複勝率27.6%、複回収率189%、および6歳馬【2-0-3-20】複勝率20.0%、複回収率156%が好走率、妙味ともに上回っており、ベテランの経験値を評価したいところ。
前走クラス別では、先ほども少し触れたが格上挑戦or昇級戦となる2、3勝クラス組があわせて【0-3-3-27】、OP・リステッド組が【0-0-2-19】と苦戦傾向。というか、GⅢ【10-7-4-63】が全ての勝ち星をかっさらっている(※15年1着スイートサルサは前走中山牝馬S取消。ただし2走前もGⅢ・愛知杯3着のためここに含める)。当然ここを掘り下げる。
GⅢ組だけにフォーカスして条件別成績を調べると、前走が3着以内なら【4-4-1-7】複勝率56.3%に対し、同4着以下は【5-3-3-56】で複勝率16.4%。母数の差もあるとはいえ、シンプルに直近で結果を出してきた馬を買うのがいい。
というのも、「前走GⅢ」の大半を占める中山牝馬Sと同じ右の小回りで1800m、求められる適性がよく似たレースだから。昨年のクリノプレミアム(中山牝馬S1着→福島牝馬S2着)や20年フェアリーポルカ(中山、福島牝馬Sを連勝)など、この2レースを連続好走する馬が多いのも必然で、今年も中山牝馬S2着ストーリアには重い印を打ちたい。
ちなみにストーリアは前走52キロという軽ハンデでの好走で、今回は55キロ。斤量増がどうなのかという話だが、こちらもデータで見ると(GⅢ組の)斤量増は【6-6-2-33】複勝率29.8%、斤量減か増減なし【3-1-2-30】同16.7%で、むしろ増えた馬の方が結果を出していた。これは不思議としか言いようがないものの、とにかく問題はないようだ。
最後に血統面から小ネタを。このレースではメイショウサムソン産駒が【2-1-1-5】複勝率44.4%と活躍。18年キンショーユキヒメ、19年デンコウアンジュと連覇を達成している。
もっとも今年メイショウサムソン産駒の出走はないので、もう少し広げて「サドラーズウェルズの血を持っている馬」に注目、としたい。福島開催の9回でサドラーズウェルズを持つ馬の成績は【4-2-2-22】複勝率26.7%。さらに単勝オッズ20倍未満、つまりある程度有力な馬に限れば【4-2-1-11】で複勝率38.9%、単回収率199%、複回収率109%になる。
ここでもストーリアが該当。ほかには昨年新潟大賞典以来の実戦となるステラリアも母父モチベイターがその父モンジュー、その父サドラーズウェルズという血統。小回りらしい上がりのかかる競馬になって、最後の最後に欧州由来の底力が生きてくるのではないだろうか。
素直にデータ通り
「2桁人気馬も要警戒」「5、6歳馬好調」「前走GⅢ好走馬が狙い目」「サドラーズウェルズの血を持つ馬に注目」などのポイントを踏まえて、ここからは各馬の分析に移る。
まず筆頭はデータ面の強いストーリア。昨年秋華賞で8着だったが、このとき同タイムで駆けたアートハウスはその後愛知杯を、サウンドビバーチェは阪神牝馬Sを制した。中山牝馬S2着自体も向正面でクリノプレミアムが逃げるウインピクシスをつついて11.4秒を刻み、どちらかと言えば差し馬有利な展開の中でよく粘ったもの。今年も連続好走パターンを素直に期待したい。
中山牝馬Sからは前記の展開面から先行した組の反撃に注意。つつかれた8着ウインピクシス、動くのが早かった5着クリノプレミアムはそれぞれ見直し可能だ。
ダービー卿CT8着のミスニューヨークも適性には合う条件で、距離が200m延びるのもどちらかと言えばプラス。実績含めて軽視できない。
小倉大賞典5着のホウオウエミーズは近走が自身の得意とする道悪での戦績で、上積みという点で疑問符がつく。幕張Sを勝ったジネストラは昇級と距離延長がどうか。マイルで1.32.1の持ち時計があるような快速型のロードカナロア産駒であり、タフな小回りの1800mがタイプ的に合うようには思えないが……。むしろここで上位に食い込むようなら、ヴィクトリアマイルで台風の目になるかもしれない。
どの馬から入るにせよ、冒頭で述べた通りヒモは人気薄まで広くカバーしていきたい。
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