【大阪杯】人気問わずディープインパクト内包馬が活躍 有力馬の血統解説
坂上明大
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傾向解説
2017年にGⅠへ昇格した大阪杯。阪神芝2000mという比較的好走するタイプを選ばない舞台で行われるため、GⅠ昇格後も人気馬が強いレースという傾向は変わっていません。ただ、だからこそ生じる好走パターンもあります。
先週の高松宮記念では社台系生産馬の苦戦傾向を取り上げ、今年勝利したファストフォースも非社台系三嶋牧場の生産馬。特に過去10年で6頭の日本ダービー馬を輩出するノーザンファームにおいてはグレナディアガーズの5着が最先着、と改めて同グループの生産方針が芝短距離路線からはズレていることがわかる結果となりました。
しかし、芝2000mで行われる大阪杯は同グループが最も得意とするカテゴリー。特にノーザンファーム生産馬においてはGⅠ昇格後の6年間で5頭の勝ち馬が出ており、昨年は1~4着を独占する結果となっています。
血統面でも日本の主流血統、特にディープインパクトの血の活躍が目立つのが大阪杯。一昨年は1~4着馬がディープインパクト系、昨年も1~2着馬はディープインパクト産駒という結果でした。また、人気薄での好走も目立ち、2017年2着ステファノス(7番人気)、2019年1着アルアイン(9番人気)、2022年1着ポタジェ(8番人気)などが好走して波乱を演出しています。
特にLyphardをクロスする配合馬、Blushing GroomやRobertoなどを持つ機動力型に出やすい配合馬の好走が目立ち、昨年の1~2着馬ポタジェ、レイパパレなどはその代表例といえる存在です。サンプル数が少ないためデータにばらつきがありますが、その他の阪神芝2000m重賞の成績を考慮すれば、今後も活躍が見込める配合パターンだと予測できるでしょう。
血統解説
・キラーアビリティ
父ディープインパクト、母父Blushing Groom系Congareeという組み合わせで、2021年ホープフルSを制したことからも機動力型ディープインパクト産駒と評価できる一頭です。配合の方向性もアルアインやポタジェと似ており、阪神芝2000mは得意舞台のひとつでしょう。
・マリアエレーナ
クロフネ×ディープインパクトは2017年2着馬ステファノスや2021年1着、2022年2着馬レイパパレの父と母父を反対にした配合形。母テンダリーヴォイスは2019年3着馬ワグネリアンの全姉という良血でもあり、先行馬の少ないメンバー構成も追い風となるでしょう。
・ポタジェ
昨年の優勝馬。母ジンジャーパンチは2007年BCディスタフなどを制したAwesome Againの代表産駒で、本馬の半姉には2015年オークス2着馬ルージュバックがいる良血です。機動力型中距離馬のため近走の条件は本馬に合っておらず、今回は久々に持ち味を活かせる舞台設定。アルアインと同様に1年越しのこの舞台で一変する可能性を秘めた一頭です。
ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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