【大阪杯】「栗東所属の牝馬」は連対率40% ジェラルディーナが牡馬撃破だ

門田光生

大阪杯の所属別成績(過去15年),ⒸSPAIA

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GⅠ昇格後7年目

2023年4月2日に阪神競馬場で行われる第67回大阪杯。2017年にGⅠに昇格して今年で7年目となる。昇格初年度はキタサンブラック、翌年はのちにジャパンカップを勝つスワーヴリチャード、そして2020年はGⅠを4勝した名牝ラッキーライラック。豪華な面々が勝ち馬に名を連ねている。今年も前年覇者ポタジェ、二冠牝馬スターズオンアース、エリザベス女王杯を制したジェラルディーナなどのGⅠ馬がスタンバイしている。

今回はGⅡ時代のデータも含めて過去15年の成績を基にして検証していくが、GⅠとして施行された6年間だけで判断した方がいい項目もあるので、そのあたりは臨機応変に対応していきたい。

大阪杯出走馬の所属,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の性別,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の年齢,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の年齢(GⅠ昇格後),ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
過去15回すべて栗東所属馬が勝利。美浦所属馬の勝利となると、1999年のサイレントハンターまでさかのぼらなければならない。

性別は、牡馬・セン馬が11勝、牝馬が4勝。牝馬は18頭が出走したうちの4勝だから、勝率や連対率で牡馬を大きく上回っている。さらに栗東所属馬に限定すると【4-2-2-7】と好成績で、GⅠ昇格後では7頭中4頭が連対している。

年齢別では4、5歳馬が7勝ずつで分け合い、残る1勝は6歳馬。7歳馬は2着が1回ある(2014年トウカイパラダイス)だけ。8歳以上はすべて着外。GⅠ昇格後は4歳と5歳しか勝っておらず、今年もこの2世代が有力とみていいだろう。

大阪杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の主な前走,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の主な前走(GⅠ昇格後),ⒸSPAIA


前走クラスと前走についてだが、GⅡとGⅠでは参戦してくる馬の質が変わることもあり、ここではGⅠ昇格後のデータを見る。

最も連対馬を出しているのはGⅡ組で、4勝、2着5回。特に金鯱賞とは相性がよく、ここから3頭の勝ち馬が出ている。金鯱賞が12月から3月に移動したのが、大阪杯のGⅠ昇格に合わせてのこと。6年で3勝なら前哨戦の役割を十二分に果たしているといえる。

過去15年なら最多4頭の勝ち馬を出している中山記念は、GⅠ昇格後は1、2着が1頭ずつ。GⅠ昇格後で連対がないのは日経新春杯、AJCC、香港カップ。また、GⅢの小倉大賞典組からは過去15年でも連対馬が出ていない。

大阪杯出走馬の前走着順,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の前走人気,ⒸSPAIA
大阪杯出走馬の前走人気(GⅠ昇格後),ⒸSPAIA


☆前走着順と前走人気
過去15年で前走2着馬が8勝を挙げており、ほかの着順を大きく引き離している。GⅠ昇格後も勝率、複勝率でトップだから信頼度は高い。

前走人気はというと、前走3番人気の数字が少し弱いものの、1~5番人気からまんべんなく勝ち馬が出ている。GⅠ昇格後は連対馬12頭すべてが前走5番人気以内だった。

大阪杯におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを2つほど。まずGⅠ昇格後の勝ち馬6頭中、4頭が510キロを超える大型馬だった。もう1つは過去15年のデータで、前走で1秒以上離されて負けていた44頭は馬券に絡んでいなかった。


GⅠ実績のある牝馬が狙い

大阪杯のデータをまとめてみよう。まず好走率が上がるデータはA「栗東所属の牝馬」B「4歳or5歳」C「前走が金鯱賞」D「前走2着馬」E「馬体重510キロ以上」。

勝ち馬がいないデータはF「美浦所属馬」G「7歳馬」。連対がないのはH「前走が小倉大賞典」I「前走が1秒以上の負け」。また、GⅠ昇格後で連対がないのはJ「前走が日経新春杯、AJCC、香港カップ」K「前走6番人気以下」。

GⅠ昇格後はおろか過去15年でも美浦所属馬が1回も勝っていないのだから、押さえとしてはともかく、勝ち馬を探すなら栗東所属狙いが妥当だろう。また、15年間で4歳と5歳が合わせて14勝。このデータもクリアしておきたい。上記の2つを満たし、かつ今回の強データであるD「前走2着馬」をクリアしているのはマテンロウレオのみ。ただ、K「前走6番人気以下」に該当しているのは気になる。

連対率が4割あるA「栗東所属の牝馬」に該当するのは、ジェラルディーナとマリアエレーナ。マリアエレーナは登録馬で最多となる3つのプラスデータを持っている。ただ、過去に連対した牝馬の成績を見ると、GⅠで実績がなかったのは2021年のレイパパレだけ。当時のレイパパレはデビューから5戦5勝で底を見せていなかった。

実績でいえばジェラルディーナの方が過去の例に近い。さらに言えば、オールカマーで連対、エリザベス女王杯を勝ち、有馬記念を経てこの大阪杯というのは、2015年の勝ち馬ラキシスとほぼ同じパターン。今回はこちらを本命としたい。

ほかでは、前走馬体重524キロで、今回510キロを超える可能性が高いダノンザキッドが面白そう。あとは上記で名前が出たマテンロウレオ。キラーアビリティはマイナスデータがなく、GⅠ昇格後に2頭の2着馬を出している京都記念組ということで押さえる。

◎ジェラルディーナ
◯マリアエレーナ
▲ダノンザキッド
△マテンロウレオ
×キラーアビリティ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
姫路競馬が終わって、プチ出張がなくなりました。肉体的な疲労を考えると、移動距離が近い園田の方がいいのですが、今年も姫路で仕事以外に何もできなかったのが心残りです。

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