【大阪杯】ヒシイグアスとジャックドールは消し! ハイブリッド式消去法で浮上したのは人気落ち必至の実績馬

八木遊

過去10年の大阪杯 『前走時馬体重減』かつ『前走6着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

いよいよ春のGⅠシリーズが始まった。気合十分に予想した先週の『高松宮記念』は、1番人気メイケイエールを含む6頭が消去を免れたが、馬券に絡んだのは2着のナムラクレアだけ。1着ファストフォースと3着トゥラヴェスーラの2頭は早々と消去対象となっており、6頭の三連複ボックス20点買いは不発に終わった。

今週予想するのは、4月2日に阪神競馬場で開催される『大阪杯』。GⅡだった2016年以前も含めた過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消去していく。今週はすでに回避が決まっているプログノーシスを除く17頭を対象とする。

『前走で人気より上の着順』×『非サンデーサイレンス系』★0.0%★

まずは前走時の人気と着順から入りたい。前走で人気を上回る着順に好走していた馬は過去10年で49頭いて【2-2-3-42】(複勝率14.3%)とやや低調。特に父系がサンデーサイレンス(SS)系以外の馬は【0-0-0-21】(同0.0%)で、3着以内は1頭もいなかった。

対象17頭のうち、この条件に当てはまったのは次の5頭。除外対象(*)のアラタのほか、前走のAJCCを勝ったノースブリッジ、中山記念2着のラーグルフなどが真っ先に脱落した。

【今年の該当馬】
・アラタ*
・ノースブリッジ
・ヒンドゥタイムズ
・ラーグルフ
・ワンダフルタウン

『前走4角5番手以下』×『ディープインパクト系除くサンデーサイレンス系』★0.0%★

次も血統データを取り上げたい。ここでは父ディープインパクト系以外のSS系が対象。このデータに前走時の4角通過順が5番手以下という要素を掛け合わせると、【0-0-0-20】(複勝率0.0%)という好走率ゼロの完璧データが出来上がった。

今年はダノンザキッド、ヒシイグアス、マテンロウレオの3頭がこの消去データに当てはまった。中でもヒシイグアスは1番人気を争う可能性もありそうだが、休み明け2戦目の今回は思い切って消しとしたい。

【今年の該当馬】
・ダノンザキッド
・ヒシイグアス
・マテンロウレオ

『前走時馬体重減』×『前走6着以下』★0.0%★

3つ目の消去データは前走時の馬体重に注目。これがマイナスだった馬は過去10年で【1-4-1-31】(複勝率16.2%)とやや苦戦気味だった。これに掛け合わせるのは前走着順が6着以下というデータ。この条件を満たした馬は14頭いて、いずれも6着以下に沈んでいた。

今年このデータに当てはまったのは2頭。すでに消去済みのワンダフルタウンに加えて、武豊騎手と2度目のコンビを組むジャックドールが消去対象となった。なお、前走香港Cでのジャックドールの馬体重はレース2日前に主催者が発表したものを参照している。

【今年の該当馬】
・ジャックドール
・(ワンダフルタウン)

『5歳以上』×『距離延長』★3.4%★

続いては年齢別データに注目した。今回は過去10年で【6-7-4-77】(複勝率18.1%)の5歳以上馬を取り上げたい。これに掛け合わせるのは前走からの距離変動データ、距離延長組が対象だ。この組み合わせは29頭いたが【1-0-0-28】(同3.4%)。馬券に絡んだのは20年1着のラッキーライラックだけだった。

今年このデータに当てはまったのは5頭。このうち3頭はすでに消去済みで、新たに消去リスト行きとなったのはノースザワールドとモズベッロの伏兵2頭である。

【今年の該当馬】
・(ダノンザキッド)
・ノースザワールド
・(ヒシイグアス)
・(ヒンドゥタイムズ)
・モズベッロ

『非社台系生産』×『今回7番人気以下』★0.0%★

最後は生産者別データから非社台系の牧場で生産された馬を取り上げたい。非社台系生産馬の過去10年の成績は【3-6-3-44】(複勝率21.4%)で、社台系生産馬の【7-4-7-58】(同23.7%)と複勝率はほとんど変わらない。ただし、大阪杯で7番人気以下の伏兵馬は【0-0-0-37】(同0.0%)で1頭も馬券に絡んでいなかった。同じ7番人気以下でも社台系生産馬は【2-1-1-31】(同11.4%)なので、人気薄を狙うなら社台系にするべきだろう。

4つの消去条件を終えた時点で残っていたのは6頭。このうち非社台系生産馬はマリアエレーナだけだ。もし当日7番人気以下なら消去対象となる。

【今年の該当候補】
・マリアエレーナ

5つの条件を終えて確実に残るのはキラーアビリティ、ジェラルディーナ、スターズオンアース、ポタジェ、ヴェルトライゼンデの5頭となった。いつも通り三連複ボックス買いで勝負するが、高配当の使者として期待したいのは昨年の覇者ポタジェ。その後がサッパリで今年はさらに人気を落としそうだが、金鯱賞が他馬より2kg重い59kgを背負って勝ち馬から0秒6差なら、巻き返しがあっても不思議ではないだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は14.0%(3月26日現在)。

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