【京都記念】ドウデュースvsエフフォーリア! 注目の一戦は両雄並び立たず?

SPAIA編集部

2023年京都記念アイキャッチ,ⒸSPAIA

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22年日本ダービー馬vs21年年度代表馬

2023年2月12日に阪神競馬場で行われる京都記念。ドバイでのGⅠ競走や大阪杯、天皇賞(春)といった春のビッグレースへ向けた重要ステップとなる。今年はなんといっても、昨年の日本ダービー馬ドウデュースと、一昨年の年度代表馬エフフォーリアの激突が最大の見どころ。楽しみな一戦、まずは京都開催を含めた過去10年のデータを見ていこう。

怖い「6番人気」

人気別成績,ⒸSPAIA


2頭の対決が楽しみ、などと書いた矢先だが、京都記念は人気馬が案外頼りにならないレースではある。1番人気【2-1-2-5】はまだいいとして、2番人気は【0-2-3-5】と勝利がない。6番人気【4-0-2-4】がベスト、複勝率60.0%だから不気味と言わざるを得ない。

1番人気を裏切ってしまった主な馬にはジェンティルドンナ(6着)やハープスター(5着)、ユーバーレーベン(5着)など。この3頭はいずれもドバイシーマクラシックに向けた叩き台としての出走だった。海外遠征を控えて仕上げもほどほど、という人気馬には気を付けたい。ドウデュースはこのあとドバイターフを目標にしているようで、全幅の信頼は怖い。

7番人気以下は【1-1-0-52】で、馬券に絡んだのは昨年ワンツーだけ。昨年はGⅠ馬がユーバーレーベンと9歳マカヒキだけという手薄なメンバー構成で、正直、戦前から混戦の予感はあった。あくまで私感だが、2年連続の大波乱はないのではないか。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では4歳【3-6-2-20】勝率9.7%、連対率29.0%に対し、5歳【5-0-5-17】勝率・連対率18.5%。アタマで買うなら5歳、連軸なら4歳だが、誤差の範囲ととらえたい。6歳【1-3-1-23】は一枚劣るが検討の範囲内。7歳以上【1-1-2-24】だが、これも1着、3着は昨年出たもの。やはり昨年は例外と処理した方が狙いを絞れそうだ。

4角通過順別成績,ⒸSPAIA


続いて脚質だが、京都記念はとにかく前残りになるのが特徴。4角4番手以内の馬が【9-7-7-27】複勝率46.0%と好走馬の大半を占め、5~9番手【1-3-3-39】でギリギリ、10番手以下【0-0-0-18】はノーチャンスだ。

いやいや普段とはコースが違うじゃないか、という話になるが、阪神で行われたここ2年でも4角4番手以内の馬は【2-2-1-4】複勝率55.6%だから、むしろ京都より前残りがキツい。京都芝2200mは3角から下り坂で前が止まりにくく、連続開催後半の馬場に差し勢のキレが削がれての前残り。阪神代替の場合はこれが開幕週で、内が良好な馬場と内回りによって、やはり外差し勢が難しくなっての前残りだ。理由は違うが、どちらにせよ先行馬を買うのが賢明だろう。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別では、3勝クラスやOP・Lから来た馬が【0-1-0-13】と不振。GⅢ・GⅡ組は合算で【4-4-2-52】複勝率16.1%。GⅠ(国内)組の【5-4-7-19】複勝率45.7%が圧倒的だ。さらにいいのは海外GⅠ組で、【1-1-1-0】。サンプルは少ないが複勝率100%となっている。

当日馬体重別成績,ⒸSPAIA


最後に見つけた小ネタだが、当日馬体重が459キロ以下だった13頭はいずれも馬券圏外、同500キロ以上だった大型馬も【0-2-5-26】で勝ち星がない。言い換えれば、勝ち馬10頭は全て460~499キロの範囲に収まっている。また、前走比で10キロ以上増やしてきた馬は【3-4-5-9】で複勝率57.1%。「ドバイ遠征組には注意」と先ほど書いたが、馬体重大幅増はむしろ加点材料。ここは扱いに注意したい。

懸念の多いドウデュース

「6番人気」「4・5歳」「4角4番手以内」「前走GⅠ組」「馬体重10キロ以上増」などが狙い目だと整理したところで、ここからは上位人気になりそうな馬について成績と関連するデータを見ていこう。

まずはドウデュース。昨秋のフランス遠征は4着、19着と悔しい結果に終わったが、2分21秒台、高速決着のダービーを勝っているわけで、タフな馬場は適性外と片付けていいだろう。ただし気になる点もいくつかある。

まず前走海外GⅠ組は【1-1-1-0】と言ったものの、連対2頭は香港ヴァーズから。輸送距離も馬場質も、凱旋門賞とは消耗度が違う。2017年に出走したマカヒキは、前年のダービー馬でニエル賞1着→凱旋門賞14着から、このレースで3着だった。共通項の多いドウデュースも3着まで、というシーンは想定できる。ドバイ遠征を控えているうえに、武豊騎手が突然の先行策とも考えにくい。となってくると、データからはあまり信頼できない。

エフフォーリアは苦しい苦しい4歳シーズンだったが、有馬記念では強気の先行策に出て5着。差し追い込み決着のなかでの健闘で、暮れの中山、最後の最後にようやく光明が見えた。有馬記念組は【2-0-2-4】、好走4例も前走7着以下に敗れていた馬で、相手緩和での巻き返しは珍しくない。牡牝こそ違うが、一昨年の勝ち馬ラヴズオンリーユーも無敗のオークス制覇以降不調のトンネルに入り、4歳有馬記念10着からの臨戦だった。そのラヴズオンリーユーはここを端緒に海外GⅠを3つも勝って、エクリプス賞最優秀芝牝馬を受賞。エフフォーリアにもそんな復活劇があっていい。

ほか、先行馬で気になるのは日経新春杯2着のキングオブドラゴン。おそらく逃げ候補が同厩舎のユニコーンライオンだから、競り合って共倒れるような展開にはしないはずだ。

あとはマテンロウレオとキラーアビリティの4歳勢。マテンロウレオは中山金杯5着だが、最内枠と出負けで後手を踏んだのが痛かった。距離延長で前目のポジションを取れればチャンスあり。キラーアビリティはダービー、アルゼンチン共和国杯の連敗で評価を落としたが、速い上がりを問われる東京が合わなかった印象。中日新聞杯の勝利はある意味順当で、今回の阪神内回りもコース条件はいいだろう。このあたりが「不気味な」6番人気になるようなら、馬券的にはますます面白い。

2023年京都記念に関するデータ,ⒸSPAIA



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