【ユニコーンS】馬券のカギは青竜S組の取捨にあり!  データはハセドン、ヴァルツァーシャルに追い風

勝木淳

ユニコーンSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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データ傾向としては堅調

3歳芝はNHKマイルC、葵S、日本ダービーでひと区切りといった状況。早くも古馬との戦いが重賞でも幕を開けた。一方、ダート戦線はいよいよ重賞が組まれ、大井のJDD(ジャパンダートダービー)に向けた争いが熱を増す。JRAの前哨戦に位置するのがユニコーンS。レパードSまで3歳同士の争いが夏の間、繰り広げられる。歴戦の古馬たちが待ち構える上位戦線への挑戦権を得るためにも、ここでしっかり賞金を加算したい。データは過去10年間のものを使用する。


過去10年ユニコーンS人気別成績,ⒸSPAIA


人気傾向は基本的に堅調で、1番人気【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、2番人気【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、3番人気【3-2-4-1】勝率30.0%、複勝率90.0%と3番人気以内が強い。特に3番人気の複勝率は90.0%でこの10年間はほぼ馬券に絡む。反面、4番人気【0-1-0-9】複勝率10.0%とその下は振るわず、7~9番人気が馬券にちょこちょこ絡むぐらい。人気薄は基本的に連下までで、事前評価が結果に結びつきやすい。


過去10年ユニコーンS脚質別成績,ⒸSPAIA


舞台である東京ダート1600mは基本的に先行優位ながら、条件戦などでは最後に後方待機組が一気に押し寄せ、流れ次第で逆転といったケースも多い。そこでこのレースの位置取り別成績を出すと、基本的には前が有利で、逃げ【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%、先行【4-3-3-32】勝率9.5%、複勝率23.8%。さすがに3歳といえど、ダートのオープン級はそうは止まらない。中団【4-3-4-45】勝率7.1%、複勝率19.6%なので、差しが決まらないわけではないが、後方は【1-3-4-39】勝率2.1%、複勝率17.0%と連下まで。数字的には先行から後方にかけてきれいに並ぶので、軸は先行馬から選びたい。


ジュタロウはオープンの壁を越えられるか

上位人気堅調、先行馬安定といった傾向からジュタロウやリメイクといった人気どころで仕方なしといった雰囲気もあるが、前走成績からもう少し好走候補をあげてみたい。


過去10年ユニコーンS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走成績で目立つのは前走地方【2-1-0-5】勝率25.0%、複勝率37.5%だが、今年は該当馬不在。前走海外は【0-0-1-4】複勝率20.0%。UAEダービー8、11着セキフウ、コンバスチョンがスタンバイ。そのUAEダービーは【0-0-1-3】。13年11番人気3着ケイアイレオーネはUAEダービー10着だった。上記2頭も体調次第で巻き返し可能だ。

また前走GⅠ【1-0-0-6】のうち、NHKマイルC【1-0-0-4】勝率、複勝率20.0%。19年3番人気1着ワイドファラオはNHKマイルC0.4差9着だった。これと似た戦歴がインダストリア。初ダートになるが、ワイドファラオも同じく初ダートでの激走。NHKマイルCでの着差も同じ。リオンディーズ産駒でダート挑戦も面白い。

と、JRAのダート路線以外から来る馬についていくつか前もってとりあげたが、ここからはJRAダート路線を進んできた馬に焦点を当てる。


過去10年ユニコーンS前走オープン・L組レース別成績,ⒸSPAIA


まず好走馬が多い前走オープン・L組【5-9-5-56】勝率6.7%、複勝率25.3%から。その内訳をみると、青竜S【1-4-3-21】勝率3.4%、複勝率27.6%、端午S【1-2-0-12】勝率6.7%、複勝率20.0%といった具合。同条件の青竜Sが頭数のわりに勝ちきれない点に注意したい。


過去10年ユニコーンS前走青竜S組着順別成績,ⒸSPAIA


青竜S組は今年も1着ハセドン、3着バトルクライ、4着ヴァルツァーシャルなど大挙出走予定。その着順別成績は1着【1-2-2-2】勝率14.3%、複勝率71.4%、2着【0-1-1-1】複勝率66.7%など好走が条件。4着【0-1-0-3】複勝率25.0%だが、3着【0-0-0-6】、5着以下【0-0-0-9】と極端。データ上ではハセドン、ヴァルツァーシャルに限られる。

今年の青竜Sは前後半800m47.0-48.5の前傾ラップ、最後の400m12.1-12.4と先行型が苦しくなり、ハセドンの追い込みが鮮やかに決まった一戦。じつは前走青竜Sの位置取り別成績では、先行【0-2-3-3】複勝率62.5%、中団【0-2-0-9】複勝率18.2%、後方【1-0-0-6】勝率、複勝率14.3%とユニコーンSの位置取り別成績とリンクしている。ユニコーンSが青竜Sと同じような流れになれば問題ないが、もう少し遅くなるようだと、不発まで頭に入れておきたい。


過去10年ユニコーンS前走1勝クラス組距離別成績,ⒸSPAIA


最後に【1-0-5-49】勝率1.8%、複勝率10.9%と3着が多い前走1勝クラス組について。オープン以上で戦っていた馬からは少し落ちるものの、今年はジュタロウ、ビヨンドザファザーなど有力馬がいる。その前走距離別成績を出すと、1400m以下【0-0-1-22】、1600m【0-0-2-17】複勝率10.5%、1800m【1-0-2-10】勝率7.7%、複勝率23.1%と短縮組の成績がいい。ジュタロウ、ビヨンドザファザー、テーオーステルスなどはみんなここに引っかかる。今年もオープン組優位で考えたい。

ユニコーンSインフォグラフィックバナー,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。



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