【ヴィクトリアマイル】比較の難しい豪華メンバー 32秒台の末脚を信じてデゼル

佐藤永記

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多彩なローテの激突 比較なんて無理

今年のヴィクトリアマイルは様々な路線の牝馬が一堂に会する、多くのファンにとって楽しみでありつつも予想が難しいGⅠだろう。あまりにも多彩なローテから出走があるため、対戦成績だけでは比較できそうにない。なにかモノサシを用意しないと優劣をつけるのが難しい状況なのではないだろうか。

そこで純粋に、過去のヴィクトリアマイルの傾向から条件に合いそうな馬を探す、という基本に立ち返って登録馬を見ていく。

ヴィクトリアM 1着馬の上がり,ⒸSPAIA


まず着目しなければいけないのは上がり勝負であること。2015年から7年連続で1着馬の上がりが32~33秒台。直線526mをトップスピードで駆け抜ける脚が何よりも大事であるのは明白だ。

なにせ一昨年1着のアーモンドアイが上がり32.9、昨年1着グランアレグリアの上がりは32.6である。この2頭が強かったというのもあるが、今年もかなりの豪華メンバー。2、3着には先行残りがあるにせよ、上がり32~33秒台で勝ち切る馬がいる、と考えるのが自然だ。

ヴィクトリアM 4角位置成績,ⒸSPAIA


あとは位置取りである。いくら上がりが速くても、後方すぎると厳しい。4角で11番手以下だった馬は【0-3-3-64】と、脚を溜めて馬券圏内に入る例はあるものの、勝つとなるとマイルでは遠すぎる。ちなみに馬券に絡んだ下限の位置は2016年3着ショウナンパンドラの4角14番手まで。15番手以下にチャンスはない。また、4角11番手以降の馬券圏内6例は2018年リスグラシューの2着(4角13番手)が最後で、直近3年では出ていない。

東京に次ぐ長い直線で結果を出しているデゼル

狙えそうな馬が多く、絞り込むのが大変なヴィクトリアマイルだが、ハマれば来そうな穴馬1頭に絞り、単複で狙い撃つなら腹を括れるだろう。そこでピックアップしたいのがデゼルだ。

昨年のヴィクトリアマイルは8着だったが、上がりは3位タイ。なおかつ2着からはクビ、クビ、クビ、クビ、クビ、アタマ差の大接戦まで詰めている。その後秋は状態が上がらずだったが、今年に入ってから愛知杯3着、阪神牝馬S3着と復調しつつある。

そしてなにより、昨年の阪神牝馬S1着時の内容がよい。東京に次ぐ、長さ476mを誇る阪神外回りの直線で上がり32.5秒を出した実績があり、今回のヴィクトリアマイル出走馬中、1着時の上がりタイム実績でトップだ。今年の阪神牝馬Sでも上がり33.7秒を出しており、状態も上がってきているという厩舎コメントを信じるなら、2年連続で続いている上がり32秒台の決着に参戦できるかもしれない。魅力は十分だ。

位置取りが後ろすぎると勝ち切るのが難しいレースだが、スムーズな追走さえできれば、トップクラスの末脚で届くはずだ。人気にもならなそうなので、単複でも十分なオッズを期待できる。1番人気が苦戦している今年のGⅠ戦線で、持っておきたい夢馬券ではないだろうか。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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