【ヴィクトリアマイル】2070万馬券が出た「穴党」必見のGⅠ 1番人気と11番人気で連覇したヴィルシーナ
緒方きしん
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例年以上の豪華メンバーが集結
NHKマイルCは大外枠ダノンスコーピオン(4番人気)が勝利。2着マテンロウオリオン(3番人気)、4着セリフォス(1番人気)、5着インダストリア(2番人気)と人気馬が上位を占めるなか、3着には18番人気カワキタレブリーが食い込み、波乱が巻き起こった。
さて、今週は“荒れるGⅠ”ヴィクトリアマイル。今年はソダシやデアリングタクト、レイパパレなど例年以上にスターホースが集結したが、NHKマイルCに続き、人気薄の激走が見られる可能性は十分あるだろう。
2006年に創設され、初代女王ダンスインザムードをはじめ、ウオッカやブエナビスタ、アパパネやアーモンドアイといった名牝たちが勝利してきた一戦。今回はそんなヴィクトリアマイルの歴史を振り返る。
ここ2年は1番人気が連勝中
ここ5年で1番人気は2勝。2014年以降、ラッキーライラックやヌーヴォレコルト、リスグラシューなど1番人気が6連敗を喫していたが、2020年にアーモンドアイがその流れを断ち切ると、続く2021年もグランアレグリアが勝利をあげている。
一方、1番人気が勝利したこの2年間も、昨年は2番人気レシステンシアが6着、3番人気テルツェットが14着に敗れ、一昨年も2番人気プリモシーンが8着、3番人気ラヴズオンリーユーが7着に敗れているように、平穏決着とは言い難い。
2021年は10番人気ランブリングアレーが2着、2019年は11番人気クロコスミアが3着、2017年は11番人気デンコウアンジュが2着など、二桁人気が馬券に絡んでいる。特に2017年は馬連で4万馬券が飛び出した。
2015年は5番人気ストレイトガール、12番人気ケイアイエレガント、18番人気ミナレットによる決着で、1着-3着、2着-3着のワイドが8万馬券、三連単は2070万馬券という大波乱が巻き起こった。ウオッカやブエナビスタも敗れているヴィクトリアマイルは、穴党にとって夢のあるレースと言えるだろう。
ヴィルシーナがレース史上初の連覇達成
先述したように、2014年以降は1番人気が6連敗を喫していたヴィクトリアマイル。その転換期となった2013年、2014年の勝ち馬はどちらもヴィルシーナだった。
ジェンティルドンナが牝馬三冠を達成した2012年の3歳戦線。その牝馬三冠ロードのなかで桜花賞、オークス、ローズS、秋華賞と4戦連続2着だったのがヴィルシーナである。
牝馬三冠後、ジェンティルドンナはジャパンCに挑戦しオルフェーヴルを撃破。一方ヴィルシーナはエリザベス女王杯で5レースぶりにジェンティルドンナのいないレースに出走したものの、またもや2着に敗れた。
5戦連続2着という悔しい結果となったヴィルシーナは2013年初戦の大阪杯で6着。しかし、続くヴィクトリアマイルでは今までの鬱憤を晴らすかのような走りを披露。1番人気に応え、前年覇者であるホエールキャプチャにハナ差先着した。
しかしそこからヴィルシーナは8着→8着→10着→7着と連続して大敗。5歳シーズンに突入して2年ぶりのGⅢ(東京新聞杯)に出走したものの、そこでも11着に敗れた。続く阪神牝馬Sでも11着に敗れると、ヴィクトリアマイルでは前年覇者にもかかわらず11番人気の低評価だった。
その年は4歳世代からスマートレイアー、メイショウマンボといった強豪が集結。さらに前年の2着馬ホエールキャプチャも参戦していた。人気薄のヴィルシーナと内田博幸騎手はハナを主張し終始レースを引っ張り、前年とは全く異なる人気と戦略で連覇を達成したのだった。
三冠牝馬デアリングタクトの運命やいかに
ヴィルシーナが連覇を達成した2014年の3着はストレイトガール。同馬は2015年、2016年と連覇を達成。ヴィルシーナと同じく5番人気→7番人気と人気を落としながらの連覇だった。
今年も昨年の3着馬マジックキャッスルが出走予定。さらにはヴィルシーナの娘・ディヴィーナも出走を目指しており、注目したい存在は数えきれないほどだ。
デアリングタクトの祖母であるデアリングハートもヴィクトリアマイル出走経験があり、第1回6着、第2回3着という成績を残している。約1年ぶりの復帰初戦となるデアリングタクトは祖母の着順を超えられるのか。また今回は同期のレシステンシアとの桜花賞1、2着以来となる直接対決でもあり、レースから目が離せない。
ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
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