【天皇賞(春)】長距離GⅠ実績×馬齢×斤量経験が鍵! 京大競馬研の本命はディープボンド

京都大学競馬研究会

天皇賞(春)インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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1着候補は長距離G1実績馬

5月1日(日)に阪神競馬場でGⅠ・天皇賞(春)が行われる。昨年の同レースの2着馬で、阪神大賞典を連覇したディープボンド、菊花賞馬タイトルホルダー、昨秋から4連勝中と勢い十分なテーオーロイヤルなど好メンバーが揃った。例年とは違い阪神での開催となるため過去データの使い方が難しいが、今回は過去の好走馬の傾向などを踏まえて予想していきたい。


過去10年天皇賞(春)3000m以上GⅠ馬券内経験有無別成績,ⒸSPAIA


まず、過去10年の天皇賞(春)で芝3000m以上のG1で馬券内に入った経験のある馬、ない馬の成績の違いについて調べた。

前者は【9-5-4-34】で勝ち馬をの大半を占め、一方後者は【1-5-6-103】と厳しい。しかし、2着馬に関しては同数、3着馬に関しては後者が上回っており、後者も2、3着を考えるうえで軽視することは出来ない。今回前者の条件を満たすのは、ディープボンド、タイトルホルダー、ユーキャンスマイルの3頭のみ。1着候補はこれらの馬からになりそうだ。


5歳好調、7歳以上は厳しい

過去10年天皇賞(春)馬齢別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の天皇賞(春)における馬齢別成績について調べた。4歳馬は【3-2-4-33】で勝率7.1%、連対率11.9%、複勝率21.4%、5歳馬は【6-3-1-40】で勝率12.0%、連対率18.0%、複勝率20.0%、6歳馬は【1-4-2-28】で勝率2.9%、連対率14.3%、複勝率20.0%となっている。一方、7歳以上は【0-1-3-36】で連対率2.5%、複勝率10.0%と一枚落ちる。

データ上1着の可能性が高いのは4、5歳馬で、先述した距離実績がある馬の中ではタイトルホルダー、ディープボンドが該当する。このことからも、勝ち馬は2頭のどちらかになる可能性が高い。また、6歳馬も連対、複勝率に関しては4、5歳馬と大差がなく、勝ち馬以外の評価に関しては差をつけるべきではない。しかし、7歳以上の馬は過去10年で勝ち馬が出ていないことからも、先述したユーキャンスマイルは1着で狙うには厳しいだろう。


人気馬も陥る斤量の罠?

過去10年天皇賞(春)斤量経験別成績,ⒸSPAIA


最後に過去10年の天皇賞(春)における斤量経験別成績について調べた。注目したのは同レースまでに斤量57kg以上を経験しているかどうか。

経験がない馬は【0-0-2-19】、経験がある馬は【10-10-8-118】となっている。前者で馬券に絡んだのは4歳時のシュヴァルグランと牝馬のカレンブーケドールのみ。しかし、カレンブーケドールは同レースも56kgでの出走だった。近年ではシャケトラやモズベッロなどが着外に沈んだ。今年はテーオーロイヤル、マカオンドール、ヒートオンビート、あとは牝馬のメロディーレーンが該当するが、取り扱いには注意したいところ。


ディープボンドが頭一つ抜ける、相手は波乱の余地あり

ここまで述べてきたことから、1着で狙いたいのは長距離GⅠ実績馬×4、5歳馬×斤量57kg以上経験馬。2、3着馬に関しては7歳馬、斤量57kg以上未経験馬に関しては評価を落として予想していきたい。

◎ディープボンド
本命に推すのはディープボンド。この馬は昨年同レース2着×5歳馬×斤量57kg以上経験済みと好走条件をすべて満たす。今年はタイトルホルダーの存在、この馬の動き、馬場などを考慮すれば持久力勝負になりそうだが、持久力、キレの両方で昨年よりレベルアップしており、勝ち切ることは十分可能。

また、調教での動きも抜群で状態面での心配はない。さらに騎手も長距離での経験豊富な和田竜二騎手、他の人気馬の騎手より信頼できる。道悪も問題なく、相手関係も昨年と比べると数段楽になった。大外枠ではあるが、阪神芝3200mは枠の影響はそこまでなさそうで、先団から中団辺りに付け、4角手前辺りから動かしていけば十分勝ち負けになる。

〇アイアンバローズ
長距離GⅠ実績はないものの、長距離GⅡでは2着2回と地力は上位。ある程度自分のペースで行ければ最後まで伸びる馬で、自身が最内、タイトルホルダーが16番枠を引いたことで確実に逃げ、もしくは番手の位置で競馬できそうなのはプラス。

先行勢には厳しい展開になりそうだが、前走見せた粘りは出色で馬券内は十分狙える。また道悪もこなせるタイプで、さらに一叩きして状態面も上昇。鞍上がビートブラックで今回と同じ1枠1番からこのレースを制した石橋脩騎手というのも期待が持てる。

▲マカオンドール
先述したように、斤量面での経験がないので評価は下がるが、展開、道悪馬場に関しては恩恵がありそう。前走よりも状態面では良化の傾向が見られる。鞍上も乗りなれた松山騎手に戻る点は評価できる。

△タイトルホルダー
菊花賞1着×4歳馬×斤量57kg以上経験ありと好走条件はすべて満たしている。しかし、外枠に入りスムーズに逃げられない可能性、ディープボンドに目標にされキレ負けする可能性、前走稍重馬場を気にしていた点などが懸念として残る。不安点自体はディープボンドよりも多く、オッズほどの信頼は出来ないので4番手評価。。

×ディバインフォース
前走の大敗は距離が短かった。力自体は若干足りない印象はあるが、馬場と展開は向く。内枠の今回は動き出すのに手間取る可能性があり、その点はマイナス。

×ハヤヤッコ
道悪は今回の出走馬の中では一番向く。距離をこなせるかは微妙だが、人気はなさそうなので狙い目。ただ、前回かなり絞れて状態も良かったので、馬体重が5キロ以上増えていたらマイネルファンロンと代えたい。

買い目は三連複で◎軸に〇▲△×を相手にした10点で勝負する。(文責:國井)

天皇賞(春)予想印
◎ディープボンド
〇アイアンバローズ
▲マカオンドール
△タイトルホルダー
×ディバインフォース
×ハヤヤッコ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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