【大阪杯】エフフォーリア、ジャックドールをデータで検証! 対抗するのは阪神重賞実績馬4頭!

勝木淳

大阪杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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基本的に先行有利の舞台

4月終わりの香港が遠征不可になった。大阪杯はそういった事情も影響したのか、フルゲート16頭のところに18頭が登録。GⅠ昇格後、フルゲートになったのは18年の1回しかない。その結果は1、6、2番人気。今年はどうなるだろうか。ここではGⅠに昇格した17年以降5回分のデータから攻略のヒントを見つけていきたい。


過去5年大阪杯人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気。1番人気は【2-0-2-1】勝率40%、複勝率80%。負けたのは19年ブラストワンピース6着だけ。連軸として信頼できる。2番人気も【1-1-1-2】勝率20%、複勝率60%とそこそこいいが、3番人気が【0-0-0-5】と好走がない。ただし4番人気は【1-1-2-1】勝率20%、複勝率80%と好成績なので、3番人気不振が不思議でならない。5番人気【0-0-0-5】、6番人気【0-2-0-3】複勝率40%、7番人気【0-1-0-4】複勝率20%。3番人気が厳しい分、複穴出現の可能性はある。


過去5年大阪杯年齢別成績,ⒸSPAIA


4歳【2-2-4-15】勝率8.7%、複勝率34.8%、5歳【3-2-1-21】勝率11.1%、複勝率22.2%の2世代が主力。6歳【0-1-0-10】複勝率9.1%、7歳以上【0-0-0-8】。アフリカンゴールドはこのデータに立ち向かう。


過去5年大阪杯年齢別成績,ⒸSPAIA


舞台は阪神内回り芝2000m。馬場状態が比較的いい春開催ということもあり、基本的に先行優位で逃げ【1-0-1-3】勝率20%、複勝率40%、先行【2-3-0-9】勝率14.3%、複勝率35.7%。中団【1-2-3-25】勝率3.2%、複勝率19.4%、後方【0-0-0-15】なので、まずは先行勢から検討したい。当然ながら逃げるジャックドール、その後ろにいるだろうレイパパレは注目。エフフォーリアも基本的には好位から競馬できる。コース形態を考え、後ろに下げることはない。


金鯱賞2~4着【0-0-0-8】

それではここからは前走成績の傾向から具体的に好走馬を絞り込んでみたい。


過去5年大阪杯前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まず前走クラス別成績を出すと、GⅠ【1-1-1-7】勝率10%、複勝率30%、GⅡ【3-4-4-36】勝率6.4%、複勝率23.4%。GⅠらしく格重視で組み立てたい。


過去5年大阪杯前走有馬記念組脚質別成績,ⒸSPAIA


前走GⅠのなかでも有馬記念は【1-1-0-3】勝率20%、複勝率40%と好成績。王者エフフォーリアの有馬記念1着は【0-0-0-1】。人気別で触れたブラストワンピースがこれに該当する。前走有馬記念組の注意点はその位置取りにある。有馬記念組の好走は逃げ【0-1-0-0】(19年2着キセキ)、先行【1-0-0-1】(17年1着キタサンブラック)と前に行った馬に限られており、中団は【0-0-0-2】。

データのサンプル数が少ないので、傾向として判断しづらいところだが、先行しなかったエフフォーリアはどうなるか。このデータは、おそらく距離短縮で位置が予想外に下がり、リズムを乱すことが響くのではないか。上記の通り、舞台は先行有利。位置を極力下げたくない。エフフォーリアは自在性があるので距離短縮にも対応してくれるだろう。ちなみに前走GⅠが優勢であっても香港Cは【0-0-0-2】。


過去5年大阪杯前走GⅡ組レース別成績,ⒸSPAIA


次は前走GⅡ組について。その内訳は金鯱賞【2-1-1-14】勝率11.1%、複勝率22.2%、中山記念【1-1-1-5】勝率12.5%、複勝率37.5%、京都記念【0-2-1-9】複勝率25%といったところだ。キングオブコージのAJCCは【0-0-0-4】。


過去5年大阪杯前走金鯱賞組着順別成績,ⒸSPAIA


まず金鯱賞。1着ジャックドール、2着レイパパレ、3着アカイイト、4着ポタジェ、6着ショウナンバルディ、11着ステラリアが登録。着順別成績をみると、1着【1-0-1-0】、2~4着【0-0-0-8】、6~9着【0-1-0-3】、10着以下【0-0-0-3】。ジャックドールはOKも、レイパパレ、アカイイト、ポタジェがデータ上厳しく、穴ならショウナンバルディだろう。


過去5年大阪杯前走金鯱賞組脚質別成績,ⒸSPAIA


さらに金鯱賞の位置取り別成績をみる。逃げは【0-0-0-2】で今度はジャックドールが引っかかる。ただ2頭の大阪杯での人気は10、13番人気の人気薄なので、これをもってジャックドール危険とはいえない。金鯱賞は先行集団を引きつけながら、直線で余裕を持って突き放す好内容。評価は下げられない。

一方、着順で引っかかったレイパパレの先行は【2-0-0-4】勝率、複勝率ともに33.3%で位置取りのデータでは浮上する。ローテを香港からこちらに変更した影響は気になるが、さすがに昨年の勝ち馬が休み明け金鯱賞2着と無事立て直しに成功した以上、評価は下げられない。

ただしアカイイトの中団は【0-0-1-5】複勝率16.7%とやや厳しい。展開が見事にハマったエリザベス女王杯と同じ阪神内回りなので、巻き返す余地はあるものの、そのエリザベス女王杯は先行集団には辛い流れ。時計がかかる芝になり、ジャックドールへのマークが執拗になりそうなら、連下に抑えるかといったところか。

なお中山記念は2着以内が【1-0-1-2】で今年は該当なし。京都記念も2着以内【0-1-1-3】なので1着アフリカンゴールドを抑えればいい。今回はジャックドールがいるので、控えても京都記念のようなパフォーマンスを発揮できるかがカギだ。

最後に直近3回の1、2着馬は阪神の重賞実績があった。昨年1着レイパパレ(GⅢ勝ち)、2着モズベッロ(GⅠ・3着)、20年1着ラッキーライラック(GⅠ・1、2着)、2着クロノジェネシス(GⅠ・2、3着)、19年1着アルアイン(前年3着、GⅢ勝ち)、2着キセキ(GⅡ・2着、GⅢ・3着)。また18年2着ペルシアンナイトにはGⅢ勝ちがあった。

エフフォーリア、ジャックドールは阪神の重賞出走歴すらなし。今年この傾向に合致するのはレイパパレ、アカイイト、ステラリア、マカヒキの4頭だ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


大阪杯人気別成績インフォグラフィック,ⒸSPAIA



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