【毎日杯】ファンダム、上がり32.5秒の衝撃V GⅠ級を確信させる3つの「数字的根拠」
SPAIA編集部

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「1:46.5以下の毎日杯勝ち馬は出世する」法則
3月29日(土)に行われた毎日杯は北村宏司騎手騎乗、2番人気のファンダムが優勝した。
道中は後方のインでじっくりと脚を溜め、4角の出口から外へ進路を切り替えると、最後は逃げるガルダイアを鋭く差し切った。これでデビューからの連勝を3に伸ばした。勝ち時計は1:45.9だった。
毎日杯が現行の1800mになった2007年以降、「1:46.5以下でこのレースを勝った馬は出世する」という法則がある。実際に見てみよう。
【毎日杯の勝ち時計上位】
1:43.9 シャフリヤール(2021年)
1:45.9 ファンダム(2025年)
1:46.0 ディープスカイ(2008年)
1:46.0 メイショウタバル(2024年)
1:46.2 キズナ(2013年)
1:46.5 アルアイン(2017年)
1:46.5 ブラストワンピース(2018年)
レコードVだったシャフリヤールは次走で日本ダービーを勝ち、翌年はドバイSC制覇。6歳末まで息長く第一線で活躍した。
ほかにもキズナにディープスカイといった2頭のダービー馬が誕生。上記のなかで唯一GⅠ未勝利のメイショウタバルも昨秋に神戸新聞杯を制しており、今週末はドバイターフへ挑戦する。そんな豪華な面々のなかで、ファンダムは2位にランクインした。
もっとも当日は牝馬限定の3歳1勝クラス戦・君子蘭賞でも1:45.8が出たように、馬場が速かったのは確か。その点を差し引く必要はあるとはいえ、優秀なことには変わりない。
1800mで上がり32秒台、後半1000mは58.0秒
もうひとつ衝撃的だったのが、ファンダムが記録した「上がり32.5秒」である。
世代限定重賞を上がり32秒台で勝った馬は1986年以降で延べ18頭いるが、半分以上はマイル戦でのもの。1800m以上の重賞に限るとエイシンフラッシュ、オルフェーヴル、スマートオーディン、ダノンキングリー、サートゥルナーリア、イクイノックス、ジャスティンミラノとほとんどがGⅠ馬である。ここに名を連ねた事実は大きい。
毎日杯までの戦歴を振り返ると、新馬戦とジュニアCは2戦続けて「レース後半1000m57秒台」というハイレベルな争いのなかで勝ち抜いてきた。そして今回も後半1000mは58.0秒。能力の非凡さを裏付ける数字的根拠はこれでもかと揃っている。
辻哲英厩舎、種牡馬サートゥルナーリアにとってこれが初の重賞タイトルだったが、順調にいけば初のGⅠ制覇を手にする日も遠くないだろう。
先々楽しみなネブラディスク
2着ガルダイアは新馬戦で3角先頭から上がり最速、ラスト11.0-11.1を記録するなど素質を見せていたが、前走の京成杯は折り合いを著しく欠いて撃沈。そこから2ヶ月、乗り替わった藤岡佑介騎手がスタートで多少押してもコントロール不能になることはなく、軽快な逃げを打って粘り込んだ。この修正力はさすが名門・国枝栄厩舎というべきだろう。
ただし、全体時計とのバランスからいえば1000m通過60.5秒はスローペースで、現に道中は馬群の中で行きたがる馬も多かった。楽な逃げで展開に恵まれたことは否定できない。勝ち馬との比較では完敗と言わざるを得ず、GⅠで勝負するにはもう一段レベルアップが欲しい。
3着ネブラディスクは道中で頭を上げるほど引っかかるシーンがあった。それでも直線は進路を見つけて脚を使い、勝ち馬には及ばないまでも上がり33.1秒と十分に鋭い伸びは見せた。
5歳シーズンに覚醒したリスグラシューの半弟で、陣営が一貫して「よくなるのはもっと先」とコメントを出している馬。それでも3歳春からこれだけ走れるのは素質の高さゆえだろう。期待通りに完成してくれば、福永祐一厩舎にビッグタイトルをもたらす馬になるかもしれない。
1番人気で7着に敗れたリラエンブレムは外目を回されるロスがあったとはいえ、ここまで負けるのは少々意外だった。
父キズナ×母父ガリレオと血統的にはやや重く、これまでの2連勝も新馬戦はラスト11.7-11.7-11.5、シンザン記念はラスト12.1-11.9-11.8。翻って今回はラスト11.2-10.8-11.3であり、10秒台後半~11秒台前半のトップスピードが求められる競馬に対応できなかったものと解釈できる。東京や阪神外回りの高速上がり勝負は苦手なのではないか。
3番人気8着キングノジョーは折り合いを欠き、ウォータークラークが控えたところでゴチャつくシーンもあった。
ハイペースを先行して小差4着だった京成杯に比べるとパフォーマンスがダウンした形。こちらも父シルバーステート、母パレスルーマー(その仔にアイアンバローズ、ジャスティンパレス)の血統面からすると、こういう極限のキレ味勝負ではなく、もっとスタミナや持続力が問われる展開になってほしい。
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