【高松宮記念】中京の鬼・福永祐一騎手の勝率3割超! 東大HCが中京芝1200mを徹底検証
東大ホースメンクラブ

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コース紹介
今週は中京芝1200mを舞台にGⅠ・高松宮記念が行われる。春の芝GⅠ幕開けを告げる電撃の6ハロン戦。もう2着はいらない香港帰りのレシステンシアを筆頭に、昨年の阪神Cを勝ったグレナディアガーズ、じゃじゃ馬でおなじみメイケイエール、復活の古豪ダイアトニック、短距離に目先を変えてきたサリオスなど多士済々のメンバー構成だ。
当該コースの重賞は2レース。高松宮記念に加え、サマースプリントシリーズとして夏競馬を盛り上げるGⅢ・CBC賞が行われる。なお、2022年は京都競馬場改修工事に伴う開催日程の変更で、本来は阪神で行われるGⅡ・セントウルS、京都で施行のGⅢ・シルクロードS、葵Sがこのコースで実施、CBC賞は小倉での開催となっている。コースの特徴を分析していこう(使用するデータは中京競馬場のコース改修後、2012年3月4日以降)。
まずはコース紹介。向正面の半ばからスタートし、緩い上りを100mほど進んだ地点から最後の直線途中までなだらかな下り坂を進んでいく。412.5mの長い直線には高低差2mの急坂が待ち受け、急坂を上り切った後もなお200m程度が残されているタフな条件だ。
重賞の1枠にそびえ立つ壁
枠別成績では内~中あたりが好走例に富み、外枠は不振。最も複勝率が高い4枠は高松宮記念でも2016年から5年連続で馬券に絡んだ。2019年17番人気3着のショウナンアンセムが特大の一発をぶち上げるなど人気薄でも軽視禁物。確実に買い目に入れておきたい。
対照的に重賞で苦しい戦いが続くのは1枠。該当例は【0-2-1-40】、高松宮記念では【0-0-1-19】と連対がない。2012年には“龍王”ロードカナロアですら3着が精いっぱいだった。トップクラスの短距離戦ではごちゃつくインで伸びあぐねるロスが重い。白帽なら人気馬でも疑いたい。
<中京芝1200m・コース改修後の脚質別成績>
逃げ【43-17-23-136】勝率19.6%/連対率27.4%/複勝率37.9%
先行【72-70-69-599】勝率8.9%/連対率17.5%/複勝率26.0%
差し【81-103-89-1208】勝率5.5%/連対率12.4%/複勝率18.4%
追込【24-29-38-952】勝率2.3%/連対率5.1%/複勝率8.7%
全体成績ではもちろん前有利だが、オープンクラス以上で逃げ切りを決めたのは中京2歳Sのジャングロのみ(高松宮記念を勝ったモズスーパーフレアは2位入線)。今年のメンバーに徹底ハナのタイプは不在だが、頭に入れておきたいデータだ。
重賞23レースのうち、9勝を4角7番手以下の馬が挙げているように条件が上がると差しが届く。昨年のレースは重馬場とはいえ、5着モズスーパーフレアを除く8着までの馬が全て4角9番手以下だった。後方待機勢をむやみに嫌うのは禁物だろう。
勝ち切れないダイワメジャー
<中京芝1200m・コース改修後の種牡馬別成績>
ロードカナロア【18-6-9-57】勝率20.0%/連対率26.7%/複勝率36.7%
ダイワメジャー【10-18-12-143】勝率5.5%/連対率15.3%/複勝率21.9%
ハーツクライ【1-8-1-49】勝率1.7%/連対率15.3%/複勝率16.9%
種牡馬別成績ではロードカナロアが独走。勝率2割は素晴らしい好相性の証で、昨年の高松宮記念もダノンスマッシュが勝って親子制覇を達成した。今年のメンバーで筆頭格となるのはダイアトニック。長らく好走例のない日本馬×7歳以上馬ではあるが、データで見限るのは早計かもしれない。
産駒レシステンシアの戦績通り、ダイワメジャーはなかなか勝ち切れない。前走同距離組かつ2勝クラス以上に限ると【0-5-2-48】と勝利がなく、さらに6番人気以内に限ると【0-0-0-18】と馬券圏内がない。押し出される形での1番人気なら疑う価値がありそうだ。
さらに勝ち味に遅いのがサリオスの父ハーツクライ。出走頭数が少ないとはいえオープンクラス以上で馬券圏内がなく、積極的な買い材料がない。なおメイケイエールの父ミッキーアイルは【1-2-0-5】と悪くない数字だ。
ドバイ開催と重なるため、今週は数名のトップジョッキーが不在。その状況下で中京の鬼・福永祐一騎手が日本にとどまっているのは何よりの朗報だ。勝率3割超え、単勝回収率150%近くと他を寄せ付けない圧倒的な結果を残し、前走5番人気以内だった馬で重賞に臨むと【5-1-2-3】複勝率72.7%。グレナディアガーズは初の1200mでも侮れない。
福永騎手と比較するとさすがに霞むが、池添謙一騎手も3割に迫る複勝率と高い回収率を兼備したお得なジョッキー。継続騎乗では【3-2-1-5】と半数以上が好走しており、メイケイエールを乗りこなせれば栄光のゴールは近い。
人気馬に騎乗予定の騎手では横山武史騎手と石橋脩騎手が微妙な数字。サンプルは多くないが横山武騎手は複勝率14.3%、石橋騎手は同7.7%という成績にとどまり、軸としての信頼は置きにくいのが正直なところ。妙味を求めるなら消しの選択も考えたい。
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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