【高松宮記念】レシステンシア中心もグレナディアガーズの可能性とメイケイエール、ナランフレグの適性にかける!

勝木淳

高松宮記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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4、5歳中心、6歳伏兵に注意

短距離GⅠ実績という一点に絞れば、レシステンシアで相違ない。昨年スプリントGⅠ3戦2着3回、負けた相手はここにはいない。GⅠ実績であればグレナディアガーズ、サリオスなども黙っていないが、なにせ舞台は芝1200m。スプリント戦への適応力に差がある。ここでは過去10年間のデータから高松宮記念の傾向を探り、他路線組で通用する可能性についても考えたい。


過去10年高松宮記念人気別成績,ⒸSPAIA


まず人気別成績。1番人気【2-1-3-4】勝率20.0%、複勝率60.0%はなんとも難しいライン。10年で2勝は信頼できないともとれるが、6割は馬券圏内なので、ある程度信頼もできる。また2番人気【3-4-0-3】勝率30.0%、複勝率70.0%、3番人気【2-2-3-3】勝率20.0%、複勝率70.0%で上位3頭の軸としての信頼度は高い。その反面、4番人気以下は7番人気【0-0-0-10】を除くと横並びで確たる傾向はない。10番人気以下も【0-1-3-85】複勝率4.5%、複勝圏に大穴突入も可能性はある。


過去10年高松宮記念年齢別成績,ⒸSPAIA


グレナディアガーズ、メイケイエールなどの4歳【3-2-4-30】勝率7.7%、複勝率23.1%、レシステンシア、サリオスらの5歳【5-2-3-36】勝率10.9%、複勝率21.7%。5歳から4歳という組み立てが理想。昨年ダノンスマッシュが勝利した、6歳は【1-6-3-34】勝率2.3%、複勝率22.7%。ナランフレグ、クリノガウディー、エイティーンガールなど6歳伏兵候補の2、3着には警戒したい。なお7歳以上の1勝は15年エアロヴェロシティ。


前哨戦の傾向をつかむ

上位人気堅実も6歳の伏兵に注意という点を押さえたところで、ここから前走レース別に好走傾向をつかんでいきたい。


過去10年高松宮記念前走レース別成績,ⒸSPAIA


前哨戦がズラリと上位に並ぶように、短距離戦線は基本的に間隔を詰めた馬が優位。ただ、それもまた崩れつつある。昨年は前年暮れの香港以来だったダノンスマッシュが勝利。これで前走が香港スプリントだった馬は【1-0-1-0】。レシステンシアは間隔を詰めるとパフォーマンスを落とす傾向があるので、香港スプリントからの直行はむしろ歓迎。前哨戦パスは短距離でも嫌う時代ではない。


過去10年高松宮記念前走シルクロードS組着順別成績,ⒸSPAIA


レシステンシアについて抑えたところで、前哨戦についても分析する。まず【4-2-2-22】勝率13.3%、複勝率26.7%のシルクロードS。1.08.1で勝利したメイケイエール、2着シャインガーネットがこのデータに合致する。着順別成績をみると、1着【1-1-2-3】勝率14.3%、複勝率57.1%、2着【1-0-0-4】勝率、複勝率20.0%で2頭とも好走の余地はある。


過去10年高松宮記念前走シルクロードS組斤量別成績,ⒸSPAIA


前哨戦で唯一のハンデ戦であるシルクロードS組は斤量がカギ。今回斤量が増える、つまり前走が定量より1~2.5キロ減だと【1-0-0-6】。17年セイウンコウセイが55→57キロで勝利したことを除けば、好走はない。反対に前走が背負わされていた今回1~1.5キロ減が【1-2-0-5】勝率12.5%、複勝率37.5%。さらに定量と同じ斤量をハンデ戦で背負った今回増減ゼロが【2-0-2-5】勝率22.2%、複勝率44.4%。となると前走55キロで据え置きのメイケイエールは買えるが、54キロだったシャインガーネットは評価を下げたい。


過去10年高松宮記念前走阪急杯組着順別成績,ⒸSPAIA


次に前走阪急杯【3-3-3-37】勝率6.5%、複勝率19.6%。7歳ダイアトニックが1.19.9の好タイムで勝利、2着トゥラヴェスーラ、3着サンライズオネスト、10着エイティーンガール、14着クリノガウディーがここに駒を進める。その着順別成績は1着【2-2-0-4】勝率25.0%、複勝率50.0%が抜けている。以下、2着【0-0-1-5】複勝率16.7%、3着【0-1-1-5】複勝率28.6%、10着以下は【0-0-0-6】。年齢データに引っかかるダイアトニックは自信をもって推せないところだが、2年前の高松宮記念で直線大きな不利を受け、繰り上がり3着、コース適性はある。


過去10年高松宮記念前走阪急杯組脚質別成績,ⒸSPAIA


阪急杯は前哨戦で唯一の1400m。距離短縮を考える上で、位置取り別成績がポイント。1400mの流れについていけないと本番は厳しく、中団【1-0-1-17】勝率5.3%、複勝率10.5%、後方【0-1-0-8】複勝率11.1%で逃げ、先行を買いたい。トゥラヴェスーラの評価を下げ、阪急杯からはダイアトニック、サンライズオネストを選びたい。


過去10年高松宮記念前走オーシャンS組着順別成績,ⒸSPAIA


前走オーシャンS【1-2-4-58】勝率1.5%、複勝率10.8%。ジャンダルムが1.07.9で約4年4カ月ぶりの重賞V。2着ナランフレグ、6着キルロード、8着ダイメイフジ、9着ファストフォースが登録した。ここはどちらかというと複穴候補を探したい。着順別の傾向は上記2レースとは異なり、1着【0-0-0-8】、2着【0-2-1-6】複勝率33.3%、6~9着【0-0-1-14】複勝率6.7%。データ上も左回りに課題があるジャンダルムより中京得意のナランフレグを指す。

最後にグレナディアガーズの前走阪神C【0-1-0-6】複勝率14.3%について。2着1頭は3歳で阪神C勝利から挑んだグランアレグリア。グレナディアガーズと重なる部分は多く心強い。同馬はマイルではリズムを作れない現況を1400mで見事に打開。さらに調教からも明らかに短距離型。最後に急坂がある中京芝1200mならば対応できる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


高松宮記念インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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