【チャンピオンズC】「前走芝」の馬券絡みはなし 連覇へ視界良好チュウワウィザード

門田光生

2021年チャンピオンズCに関するデータ,ⒸSPAIA

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8年目の中京開催

2021年12月5日に中京競馬場で行われる第22回チャンピオンズC。回数こそ22回目となっているが、東京→阪神→中京と場所が変わり、名前もジャパンカップダートから現在の名称に変更。当初の売りだった外国馬の参戦も今年はなし。本家(?)ジャパンカップですら来日する外国馬の数が減っているのだから、これは仕方がないことか。その代わりといっては失礼だが、今年は地方から実力馬カジノフォンテンが参戦。JBCクラシックを初めて地方馬が勝利したメモリアルな年でもあり、ここでもJRA勢の厚い壁を崩せるかどうか、注目したいところ。

そんなチャンピオンカップをデータ分析していくわけだが、中京で行われてから今年で8年目。過去7年分のデータだけでは心もとないので、ひとまずは東京と阪神開催を含む過去15年を検証し、近年の傾向として中京開催のデータも参考にしつつ、分析していきたい。

前走が芝だと……

チャンピオンズカップ出走馬の所属別,ⒸSPAIA

チャンピオンズカップ出走馬の年齢,ⒸSPAIA



冒頭で地方馬が楽しみと書いたが、地方馬はのべ3頭しか出走しておらず、2008年のフリオーソ(船橋)以来、参戦が途絶えていた。心情的に応援したいのはやまやまだが、データ的に強くは推せない。

JRA所属馬を東西別に見ると、美浦所属馬は3連対(2勝)に対して、栗東所属馬は27連対(13勝)。出走頭数に差はあるといえ、栗東馬が大きくリードしている。ただし、美浦所属馬の3連対というのはここ7年、つまり中京開催で記録したもの。そのうちの2頭が3歳馬ということは頭に入れておきたい。

活躍が目立つ年齢といわれれば、最多の6勝を挙げている5歳馬になるか。勝率、連対率もトップだが、3歳、4歳、そして6歳馬の成績が悪いわけでもない。好走率が落ちるのは、勝ち馬が出ていない7歳以上。8歳以上となると連対した馬もいなくなる。

チャンピオンズカップ出走馬の前走着順,ⒸSPAIA

チャンピオンズカップ出走馬の前走人気,ⒸSPAIA



前走着順を調べてみると、前走1着馬が7勝、2着馬は3勝、3着馬2勝……と、着順が悪くなるにつれて本番の勝率も下がっていく傾向。前走で好走している馬が有利。前走で掲示板を外した馬の勝率は1%と厳しくなってくる。

前走人気では、2番人気に支持されていた馬が12連対(7勝)と、ほかの着順に比べて抜けていい。また、こちらも前走で6番人気以下だと勝ち馬がおらず、2着馬が2頭いるだけ。中京開催に絞ると、該当する31頭のすべてが馬券外となっている。

チャンピオンズカップ出走馬の前走,ⒸSPAIA

チャンピオンズカップ出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA



前走については、単純な比較は難しくなる。中京開催と東京開催だった頃を比べると開催週が少しずれているし、何より距離が違う。当然ながら前哨戦にも影響が出てくるわけだ。まず過去15年で見ると、JBCクラシックが10連対(5勝)、武蔵野Sが6連対(2勝)、南部杯が5連対(3勝)、みやこSが5連対(2勝)の順番。これが中京で行われた近7年だと、JBCクラシック4連対(3勝)、南部杯4連対(2勝)。この2レースは影響がないとして、武蔵野Sは2連対(0勝)、みやこS2連対(0勝)と勝ち馬がいなくなる。

前走クラスも同様に、過去15年と近7年で異なる傾向が出ている。過去15年では条件戦・1勝、GⅢ・4勝、地方競馬・10勝となっているが、近7年だと全て地方競馬を使っていた馬が勝っている。ちなみに、2018年のJBCは京都で行われているが、そこを使って挑んだ7頭すべてが連を外していた。

チャンピオンズカップにおけるマイナスデータ,ⒸSPAIA



あと、気になったデータを挙げてみる。まずは前走で1秒以上負けていた馬は【1-0-4-54】となり、1.2秒以上だと【0-0-4-44】。大きく負けていた馬は割引が必要になる。なお、例外的に勝ったのは2015年のサンビスタ。牝馬唯一の連対馬でもある。続いて馬体重だが、ダートらしく大型馬有利の傾向で、前走馬体重が459キロ以下で連に絡んだのは、これまた2015年の2着馬ノンコノユメだけ。2015年はここ15年で最も3連単の配当が付いた年だったが、これだけ例外づくしなら無理もない。あと、前走で芝を使っていた馬は全て3着を外している。前走が芝といえば、あの白い馬が該当するのだが……。

決め手は年齢

チャンピオンズCのデータが出そろったので、まとめに入っていきたい。まず好走確率が高くなるのは、A「栗東所属馬」B「前走2番人気」C「前走が地方」。

逆に勝率が低くなってしまうのはD「7歳以上」E「前走6着以下」F「前走6番人気以下」G「前走が1.2秒以上の負け」H「前走馬体重が459キロ以下」I「前走が芝」。

注目馬といえば、何といってもソダシ。実績や毛色もそうだが、クロフネ産駒のうえにダート適性の高い母系。初ダートの今回、どんな競馬をするのか非常に楽しみ。しかし、このコーナーはあくまでデータ重視。連対率0%のI「前走が芝」に該当しており、ここでは無印とさせてもらう。同様に、前走で函館記念を使ったカフェファラオもデータ上は厳しくなる。

今回のチャンピオンズカップで、プラスデータは3つ。そのうちのA「栗東所属馬」には半分以上が該当。逆にB「前走2番人気」を満たしているのはエアスピネルだけ。しかし、そのエアスピネルは連対率0%の「8歳以上」。残るのはC「前走が地方」。AとCの両方を持ち、マイナスデータがないのはチュウワウィザードとテーオーケインズの2頭だけ。このどちらかが本命候補となる。着順や前走人気では大きな差はなく、ポイントとなるのは年齢。5歳馬は4歳馬に比べて連対数、勝率、連対率で全て上回っており、特に連対率は倍以上も違う。というわけで、5歳馬◎チュウワウィザード、◯テーオーケインズの順番とする。

インティ、サンライズノヴァの2頭は7歳だが、7歳は勝ち馬こそいないものの、2013年ワンダーアキュート、そして昨年ゴールドドリームと2頭の2着馬が出ている。この2頭の共通点は、前の年も馬券に絡んでいたということ。というわけで、昨年3着のインティを3番手とする。近年で最も相性のいい南部杯組というのも魅力だ。押さえはサンライズホープとメイショウハリオ。相性がいいといえないシリウスSと、近年不振のみやこS組だが、ともにマイナスデータを持っておらず、また好走確率が高い前走4着以内ということを評価したい。

◎チュウワウィザード
◯テーオーケインズ
▲インティ
△メイショウハリオ
×サンライズホープ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
アルファ、ベータ、デルタなら分かるものの、オミクロンまでいくと、表記が分かりません。ギリシャ文字の勉強にはなるものの、これ以上増えるのは勘弁してほしいものです。



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