【チャレンジC】コース傾向徹底分析! 強い味方は川田将雅騎手と池江泰寿調教師 覚えておきたいデータとは

勝木淳

チャレンジCインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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逃げ・先行馬に大注目も

チャレンジCはこれまで多くの変化を遂げてきた。特にこの10年間で時期も距離も変更された。今年と同条件のチャレンジCは17年からのたった4回。正直、データとして扱うにはサンプル数が少なすぎる。そこで、ここでは2011年以降の阪神芝2000m、古馬3勝クラス、オープン、GⅢの計66レースを使い、コース傾向から考えてみたい。


2011年以降同条件人気別成績,ⒸSPAIA


GⅠ大阪杯、鳴尾記念(今年は代替中京)、マーメイドS、チャレンジCと年間4重賞が組まれる阪神芝2000mは内回りコースで行われ、紛れや波乱のイメージもある。そこで人気別成績を出すと、1番人気【19-10-7-30】勝率28.8%、複勝率54.5%。66レース中30レースで1番人気が馬券圏外、これをどうとらえるか、人それぞれだろうか。

以下、好走確率はおおむね人気順に低下。2番人気【10-9-13-34】勝率15.2%、複勝率48.5%、3番人気【7-9-8-42】勝率10.6%、複勝率36.4%と推移し、6番人気【5-2-6-53】勝率7.6%、複勝率19.7%から複勝率の低下も大きくなる。


2011年以降同条件脚質別成績,ⒸSPAIA


急坂がある阪神は最後の直線で逆転するイメージも強い。坂をあがる最後の200mでラップが落ち、時計を要する決着も確かに多い。外回りならばペース次第で逃げ・先行馬が最後に厳しくなりがちだが、内回りの2000mは少々事情が違う。逃げ【9-10-4-46】勝率13%、複勝率33.3%、先行【28-20-20-159】勝率12.3%、複勝率30%。対して差し馬勢は中団【21-26-29-215】勝率7.2%、複勝率26.1%と後方【7-10-13-206】勝率3%、複勝率12.7%で劣勢。

同条件で芝1800m(61レース)をみると、後方はよくないが、中団は【25-28-25-191】勝率9.3%、複勝率29%で先行【21-12-15-171】勝率9.6%、複勝率21.9%と互角。やはり外回りは差しも届くが、内回りは先行有利といえる。

ただし、直近のリステッド競走11月20日のアンドロメダSは1着ラーゴム、2着ボッケリーニ、3着プレシャスブルーと差し決着。ん?データと違う。いや、実はこのレース、前半1000m1.01.1と遅かったが、中盤の800m通過後から最後の200mまで5ハロン連続11秒台が刻まれる、超ロングスパート型の競馬だった。このように内回りを意識して、前がかりになる競馬もあるので、展開予想はきっちりしたいところだ。


騎手は川田将雅、調教師は池江泰寿

次にこの条件に強い騎手と調教師についてデータを出していく。ここには有力馬に関わるデータが含まれるので、今回、カギを握りそうな予感がする。


2011年以降同条件騎手別成績,ⒸSPAIA


騎手の着度数順成績では、川田将雅騎手が【12-2-3-18】勝率34.3%、複勝率48.6%と圧倒的。2、3着の数と勝利数が倍ではきかないほど開きがあり、とにかく勝ち切る。単複回収値も234、110と頼もしい限りだ。川田騎手、ちょっと買い時が難しいという声もあるが、このレースに限らず、このデータを積極的に利用したい。川田騎手は大阪杯を勝ったレイパパレのようにどちらかというと、積極的なレースが多い騎手。先行有利なコースにフィットした印象だ。

ついで福永祐一騎手【6-4-5-19】勝率17.6%、複勝率44.1%、ミルコ・デムーロ騎手【5-2-0-8】勝率33.3%、複勝率46.7%、武豊騎手【4-2-3-23】勝率12.5%、複勝率28.1%と続く。そう、あの騎手の名前がない。ソーヴァリアントに騎乗予定のルメール騎手は【3-2-1-6】勝率25%、複勝率50%で着度数別9位。関東での騎乗が多いルメール騎手、そもそも騎乗数が少ないだけだった。


2011年以降同条件調教師別成績,ⒸSPAIA


次に調教師別の着度数順成績を出すと、トップは池江泰寿調教師【7-4-2-20】勝率21.2%、複勝率39.4%。次位が中距離タレント豊富な友道康夫調教師【6-1-1-12】勝率30%、複勝率40%。池江厩舎はアルジャンナ、ペルシアンナイトと複数出し、友道厩舎はヒートオンビートがスタンバイ。後者はデータ的に勝ち切り傾向があるので、要注意だ。

ほかに若手の斉藤崇史調教師が出走数こそ少ないが、【2-1-2-5】勝率20%、複勝率50%と好成績。このレースには有力馬のジェラルディーナを送る。


ジェラルディーナ買いのワケ

騎手と調教師データの次は、前走コースに注目したデータから好走傾向について考えてみたい。


2011年以降同条件調教師別成績,ⒸSPAIA


前走が阪神芝1800mだと【7-3-5-54】勝率10.1%、複勝率21.7%で着度数順トップ。これに当てはまるのが前走西宮S(3勝クラス)を勝ったジェラルディーナだ。アルジャンナの東京芝1600mは【0-3-2-19】複勝率20.8%と勝ち馬は出ていない。そもそもマイル戦と2000mでは道中のペース、特に緩みに違いが出る。緩みの少ないマイル戦から緩急ある2000mに対応するのは馬にとって簡単ではないようだ。アルジャンナは古馬になってからマイル戦を中心に走り、1800mのエプソムCでは10着。東京コースが合わないのか、距離が合わないのか、しっかり敗因を分析したい。

ソーヴァリアントの中山芝2200mは【0-2-0-7】複勝率22.2%。ヒートオンビートの阪神芝2400m【1-1-1-29】勝率3.1%、複勝率9.4%。前走戦歴からはジェラルディーナを上位にとりたい。とはいえ、阪神芝2000mに強い陣営が送るアルジャンナやヒートオンビート、さらにここが仕切り直しとなる3歳ソーヴァリアントにも注目したい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2000-2004 00年代前半戦』(星海社新書)。


チャレンジCインフォグラフィック,ⒸSPAIA



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