【2歳馬ジャッジ】ダートで大物が多く出現! ドライスタウトは現2歳世代最高指数を記録

山崎エリカ

2021年11月2週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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最高指数を記録した馬が現れた11月2週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回はダートの新馬戦で大差勝ちしたジュタロウや、東京で行われたダート1勝クラスを現2歳世代最高指数を記録し勝利したドライスタウトなどがでた11月13日、14日の2歳戦について、指数と評価を掲載する。

11月13日(土)  阪神2R 優勝馬 サンダップルド 指数-15(ダート) 評価A
デビューからの2戦は芝を使われ3着、4着という成績だったサンダップルド。今回は初めてダートに出走してきた。スタートはあまり良くなかったが、二の脚で楽に好位に取りつき、逃げ馬の後ろの3番手。4角で外に出しながら、直線では外に持ち出して追い出されると、後続を引き離して独走、大差勝ちを決めた。

指数は古馬2勝クラス上位入線レベルのものを記録。初ダートの一戦でいきなりの高指数。上がり3Fタイムは出走メンバー最速。スタートでやや出遅れたロスを克服した点も評価できる。今後は距離延長に対応しなければならないが、今後はダート界での活躍が期待できる。

11月13日(土) 阪神3R 優勝馬 ジャングロ 指数-6 評価B
芝の新馬戦で3着、2走目は連闘でダートを使われ2着、前走は芝に戻って2着。いかにも森厩舎らしい独特な使い方で今回が4戦目となったジャングロ。好スタートを決めて逃げたが、前脚を大きく前に掻き込むフットワークでスピードがある。いかにも米国産馬らしい馬だ。

結果はそのまま3馬身半差をつけて圧勝。指数も未勝利クラスとしては優秀だった。森厩舎の馬なので、今後もガンガン使ってくるだろう。当然、成績はムラが出るものと推測されるだけに、馬券的に狙うタイミングを間違えないようにしたい。

11月13日(土) 阪神4R 優勝馬 ジュタロウ 指数-17 評価AA
スタートはあまり良くなかったが、すぐに逃げ馬に並びかけるスピードを見せたジュタロウ。この馬も前肢が勝ったフットワークでスピードがあり、いかにも米国産馬らしい馬だ。道中は先頭列の外3番手。前に馬を置けなかったために、1~3角ではやや行きたがる感じで折り合いを欠き気味になっていたが、向正面で動いて先頭に立つと、そこからは気持ちよく走り始め、直線は完全に独走。大差勝ちを決めた。

今回の指数は古馬2勝クラスで勝ち負けになるレベル。とにかく強かった。ただ新馬戦であまりにも強い勝ち方をした馬は強い疲労が残る懸念がある。今回の走りがこの馬にとって全くの余裕と言えるほどの潜在能力の持ち主ならば、そんなことは関係ないが、そこまで甘くはないだろう。

今年、札幌の芝1200mの芝新馬戦をレコードで高指数勝ちしたポメランチェは、その後上昇するどころか、成績はどんどん下降している。ジュタロウは高い能力を持っていることは間違いないだけに、大事に使っていきたい馬だ。

11月13日(土) 阪神11R 優勝馬 セリフォス 指数-12 評価AA
6月中京の新馬戦を優秀な内容で勝利し、この連載では高い評価をしたセリフォス。その次走の新潟2歳Sでは、なかなか優秀な指数で勝利した。今回はデビュー3走戦目、1番人気には支持されていたが、今回は叩き台の色が強く、過大評価はできないと見ていた。

今回スタートは決めたが抑えて後方2番手からの競馬。3角で前との差を詰め、4角手前では好位へ。しかし、4角を逆手前で回ったため外へ膨れたが、そこからグンと伸びて勝利。ここでは役者が違った。着差はつけられず、指数も前走比でダウンの結果となったが、あくまで目標は次走だろうから、ここでは圧勝は要らない。これで疲れも大きく残さず、次に進めそうだ。

11月14日(日) 阪神2R 優勝馬 メイショウジブリ 指数-15(ダート) 評価A
デビューから2戦は芝を使われ連続3着という成績だったメイショウジブリ。今回はダートに出走してきた。最内枠からスムーズにハナを主張し、逃げる競馬。結局そのまま2着に5馬身差、3着以下には大差をつけて逃げ切った。

今回メイショウジブリが記録した指数は古馬2勝クラス上位入線レベルのもの。キャリア3戦目、初ダートでこの指数ならば、今後の活躍が大きく期待できる。この週の阪神は芝の新馬、未勝利ではそこまで目立つ存在が出現しなかったが、ダートでは大物候補が複数頭出現。そろそろダートに注目の時期なのだろう。

11月13日(土) 東京9R 優勝馬 ドライスタウト 指数-25(ダート) 評価AA
前走ダートの新馬戦ではラスト2Fを12秒1-12秒2。上がり3Fタイムは35秒4と芝のようなタイムで走っていたドライスタウト。新馬戦では好位で流れに乗り、揉まれるシーンもなく、理想的なレースができたとは言え、数字面に光るものがたくさん出ていた馬だ。

今回はデビュー2戦目、道中は好位の直後の内を追走、最後の直線では前を走っていた空馬を警戒しながら1頭分外に出して進路を確保すると、ラスト1Fから後続を突き放して5馬身差の圧勝。タイムはダート1400mで1分23秒4と超優秀だった。

指数は古馬3勝クラス勝ちレベルのものを記録。前週のもちの木賞でクラウンプライドが現2歳世代ダートの最高指数をマークしたが、わずか1週でそれを更新。ドライスタウトが現時点では指数上世代最高となった。今回の指数は例年だとヒヤシンスSあたりの時期で記録されるもの。順調ならば今後も楽しめそうだ。

11月14日(日) 東京3R 優勝馬 アケルナルスター 指数-4 評価B
新馬戦では7着も上がり3Fタイムは最速で追い込んでおり、素質の片鱗は見せていたアケルナルスター。今回は2戦目、スタートでやや出遅れ、道中は最後方からの競馬。4角で大外を回って直線で追い出されるとエンジン点火。ペースが遅く、末脚勝負となった中で、最後までしっかり伸びて差し切った。

これでデビューから2戦連続で上がり3Fタイム最速をマーク。当てにならないレースぶりではあるが、秘めた瞬発力はかなりのものがありそう。今後が面白そうだ。

11月14日(日) 福島2R 優勝馬 セレブレイトガイズ 指数-3 評価B
現在活躍中のダノンファンタジーの弟ということで新馬戦では1番人気に支持されたセレブレイトガイズ。しかし、結果は7着。次走未勝利戦はやや上向いて3着。今回がデビュー3戦目となった。

今回は出遅れ、道中は離れた最後方。大敗かと思われたが、3角過ぎから進出開始。4角ではかなり外を回らされるロス。それでも最後までしっかり伸びて差しきり勝ちを決めた。ラスト2Fの数字は12秒6-12秒4。緩みない流れで最後方待機がハマっことは確かだが、最後まで減速せずにゴールしている点にかなりの潜在能力を感じた。まだまだ上昇しそうで、今後が楽しみだ。

2021年11月2週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ドライスタウトの指数「-25」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.5秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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