【2歳馬ジャッジ】ラブリイユアアイズが強い内容で勝利! 現2歳世代トップの指数を記録し今後の活躍に期待

山崎エリカ

8月21日、8月22日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA

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目指せ「2歳戦で大儲け」

このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は札幌でラブリイユアアイズがクローバー賞を勝利、新潟ではシンシアウィッシュが上がり最速をマークし3馬身差で勝利した8月21日、8月22日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで

8月22日(日)  新潟1R 優勝馬 サンカルパ 指数-3 評価B
新馬戦ではスタートが悪く、後ろからの競馬。レースの流れに乗り切れず、4角で外に出してメンバー最速の上がりで良く伸びてきたものの、6着までだったサンカルパ。

今回はスタートを決めて好位からの競馬。枠なりで馬場の良い外を通り、最後までしっかり伸びて勝利した。これでデビューから2戦連続でメンバー最速の上がりを記録し、底を見せていない。このレースは雨の影響で馬場がタフ。この経験は次走で最後の粘りに繋がってきそうだ。

8月22日(日) 新潟3R 優勝馬 コンシリエーレ 指数-10(ダート) 評価B
コンシリエーレは好位に付けながらも、揉まれないように外目を通る競馬。直線を向くと他の馬がバテて行く中、ラスト2F12秒5-12秒7で最後までしっかり伸びて、結果は大差勝ちと強かった。今後も活躍が期待できるだろう。

しかし、JRAの2歳ダート新馬戦を強い勝ち方をしても、その後の番組も少なく、また例年芝でデビューした後にダート転向した馬の伸び代の方が大きいことが多い。ダート路線で最初から最後まで好成績を残すことはかなり難しいことではある。

8月22日(日) 新潟5R 優勝馬 シンシアウィッシュ 指数-3 評価A
シンシアウィッシュは外枠からスタートを決めて、スッと位置を下げて折り合い、中団中目からの競馬。直線で外に出すと最後までしっかり伸びて3馬身差の圧勝だった。レースセンスの高さを感じる。

ラスト2Fは10秒9-11秒5とやや減速してしまったが、上がり3Fは33秒5。このタイムは当日他のレースとの比較で、直線1000mの出走馬を除けば最速タイム。この点はかなり優秀で評価できる。次走の昇級戦の対応力次第では、かなり面白い存在になりそうだ。

8月22日(日) 小倉2R 優勝馬 サウンドクレア 指数-3 評価B
新馬戦、未勝利戦と連続2着で、なかなか優秀な指数を記録していたアランヴェリテ。後の新潟2歳Sの2着馬アライバルが勝利した新馬戦で、メンバー最速の上がりで追い込んでいたマイシンフォニーなど、好メンバーが揃った未勝利戦だった。

勝利したのはポツンと最後方からレースを進めたサウンドクレア。五分のスタートを切ったものの、スッと位置を下げて終始馬場の良いギリギリ内を通り、最後も外有利の小倉の馬場を生かしての見事な追い込み勝ち。鞍上の好判断が光った一戦。内容としては展開が上手くハマった感は強いが、かなりの好メンバーを差し切った点には、非凡さも感じる。今後は瞬発力を磨いて大きく育つ可能性がある。

このレースで強かったのは勝ちに行く競馬をして、明らかに不利な流れで2着を死守したマイシンフォニーだろう。近いうちに未勝利クラスは突破するはずだ。同馬にプレッシャーをかけられながらも、今回4着に粘ったアランヴェリテも次走で巻き返す可能性が高い。

8月21日(土) 札幌1R 優勝馬 アンビション 指数-3 評価B
6月東京の新馬戦では3着だったアンビション。今回は圧倒的な1番人気に支持された。レースは出遅れ最後方からになったものの、3角過ぎから捲って行き、外々から直線へ。最後に何とか差し切って勝利した。今回は強さを感じない走りだったが、出遅れるロス、捲り上げるロスを考えれば、勝利したこと自体に価値がある。この馬の能力判定は次走ですべきだろう。

8月21日(土) 札幌5R  優勝馬 ウォーターナビレラ 指数-2 評価B
ウォーターナビレラは好スタートを決めてマイペースの逃げ。4角では後続馬に捲られそうになったが、そこからもうひと伸びして快勝した。ラスト2Fは11秒2-11秒4秒。多少減速したが、逃げて自らレースを作っての数字だけに評価できる。今回はスローペースの無理のない逃げだっただけに、そこまで疲れは残らないだろう。次走の昇級戦でも面白い存在になりそうだ。

8月22日(日)  札幌5R 優勝馬 スカイフォール 指数-2 評価A
道中は好位のインで折り合ったスカイフォール。直線でも最内を通ってラスト2Fが11秒5-11秒4の加速比べをわずかに制した。好位の内で脚をタメて、直線ではロスのない最内と、スローペースの競馬としてはほぼ理想的な競馬運び。鞍上の好騎乗が光ったレースだった。ラスト2Fが11秒5-11秒4と言う数字は光るものだが、あまりにロスのない競馬内容だったので、その点は評価に悩むところがある。

8月22日(日) 札幌9R 優勝馬 ラブリイユアアイズ 指数-12 評価AA
今回は前走の未勝利戦を好内容で勝利したブッシュガーデンが最有力と見ていた。ブッシュガーデンは期待に応えて、オープン特別好走レベルの指数で走った。しかし、今回はそれを上回る走りを見せた馬が出現。ラブリイユアアイズだ。

今年6月に行われた札幌芝1200m新馬戦の中では、一番遅いタイムで決着した一戦を勝利したラブリイユアアイズ。タフな流れを勝ちに行く苦しい競馬をしていたことが、今回に繋がったのだろう。それにしても前走から大きく指数を伸ばした。

現時点で現2歳世代の芝部門でトップの指数を記録。今回も早め先頭から押し切る強い内容だった。走破タイムも馬場状態を考えれば優秀。今後も活躍が期待できる。


8月21日、8月22日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA



※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)サンカルパの指数「-3」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.3秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。


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