【2歳馬ジャッジ】出遅れから破格の上がり3Fタイム33秒3を記録! プレサージュリフトに大物の予感

山崎エリカ

2021年10月4週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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期待の素質馬が勝ち上がった10月4週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は東京の新馬戦を破格の上りタイムを記録し勝利したプレサージュリフトや、阪神の未勝利戦を好内容で勝利したソダシの全妹ママコチャなどがでた10月23日、24日の2歳戦について、指数と評価を掲載する。

10月23日(土) 東京3R 優勝馬 アグリ 指数-3 評価B
6月阪神のタガノフィナーレが勝利した新馬戦では、1番人気に支持されながら3着だったアグリ。新馬戦ではじわじわ2番手に上がり、勝ち馬の2列目外でレースを進め、見せ場は作ったが、最後が甘くなって3着に敗れた。今回はそれ以来約4ヵ月の休養明けの一戦。今回もじわじわ上がって2番手外からレースの流れに乗って、2着に3馬身差をつけての快勝だった。

今回は着差のわりに指数はそこまで優秀なものではなかったが、この日の東京芝は稍重発表でやや時計の掛かる状態。そのようなタフな馬場は休養明けの馬、特に先行する競馬では苦しくなりがち。その不利な状況を克服して、勝利したことには価値がある。もっと奥がありそうだ。

10月24日(日) 東京2R 優勝馬 エテルナメンテ 指数-5 評価B
新馬戦ではスタートも行きっぷりもかなり悪く、離れた最後方からの競馬で大敗したエテルナメンテ。今回はデビュー2戦目、前走と一変して好スタートを決めると、行きっぷり良く先手を取って逃げる競馬。結果2着に2馬身半差をつけて、悠々と逃げ切った。

今回は指数も悪くない。このような成績乱高下タイプは、昇級後すぐにとなるとあてにならない面はあるが、新馬戦で大敗した馬が軌道に乗ってくるとかなり強くなることが多いだけに、この馬も後々は強くなってくる可能性がある。

10月24日(日) 東京5R 優勝馬 プレサージュリフト 指数-4 評価AA
大外枠からスタートで大きく出遅れたプレサージュリフト。そのまま内に入れずに後方を追走する競馬になった。4角でじわっと上がって直線を向いて追い出されると、前で後続を引き離していたローシュタインを目標に、最後までしっかり脚を使って突き抜けた。結果は2着に3馬身、3着には7馬身の差をつけての勝利。

指数は派手な着差ほど高いものにはならなかったが、ラスト2Fで11秒7-11秒6と最後まで加速できたことは高く評価できる。また上がり3Fタイム33秒3は、この日の東京芝で古馬のレースを含めても断トツの最速タイム。

新馬戦でこのような上がりタイムを記録できる馬はかなり強くなることが多い。パッと思い出すところでは、かつて大阪杯、安田記念などで好走したショウナンマイティの新馬戦が挙げられる。今回の勝利は後方一気が上手く行った面もあり、全幅の信頼がおけるわけではないが、かなりの将来性が期待できる馬だ。

10月24日(日) 東京6R 優勝馬 キミワクイーン 指数-11 評価A
6月東京の新馬戦ではラスト2Fを10秒8-11秒0の流れを勝利して強さを感じさせたキミワクイーン。今回は新潟2歳Sで3着のオタルエバー、4着のコムストックロード、そして6着のキミワクイーンが出走。1勝クラスとしてはかなり骨っぽいメンバーだった。

ここでも新潟2歳S同様にオタルエバーが逃げたが、今回のキミワクイーンはトップスタートを切って、その2列目の内からオタルエバーを目標にレースを進め、最後にしっかり差し切った。この時期の1勝クラスとしてはなかなか良い指数での勝利。短距離オープンでは、通用のメドが立った指数を記録したと言える。今後も楽しめそうだ。

10月23日(土) 阪神3R 優勝馬 テンダンス 指数-6 評価B
新馬戦では内から逃げたグレートキャンベラを見ながら2番手を先行し、勝ちに行く競馬。そのグレートキャンベラがラスト2Fを過ぎた辺りでラチに激突し、早め先頭に立って目標にされたぶん、苦しくなっての2着だったテンダンス。

今回は前走から1F距離が短くなったこともあり、五分のスタートから折り合って中団。直線ではしっかり伸びて4馬身差の勝利を収めた。未勝利クラスとしてなかなか優秀な指数を記録。折り合って能力を出し切れば強いということを証明した。今回は展開等が向いての勝利だったが、兄カデナ同様に昇級後は使われながら着実に上昇していきそうだ。

10月24日(日) 阪神3R 優勝馬 ママコチャ 指数-8 評価AA
新馬戦では8着、次走は3着、ここまで特に目立った戦績ではなかったママコチャ。今回は2番手からスピードが有り余る感じの追走、なかなか良いフットワーク。そのスピードは最後まで衰えず、2着に2馬身半差、3着以下には6馬身半差をつけて勝利した。

未勝利クラスとしてはかなり優秀な指数での勝利で強かった。なぜ、ここまで急上昇したのかなと思えば、ママコチャはあの白毛の女王ソダシの全妹。毛色が違っても能力の高さは伝わっているようだ。今後の活躍がかなり期待できそうだ。

10月24日(日) 阪神5R 優勝馬 リアド 指数-6 評価A
セレクトセールで4億7000万円(税抜き)で取引きされたことで注目を集めていたリアド。今回は1番人気に支持された。道中は前のグループからやや離れた4番手を追走。直線で追い出されるとしっかり伸びて3馬身差で快勝した。

新馬戦としては優秀な指数を記録。ただラスト2Fは10秒7-11秒9と失速。上がり3Fタイムはメンバー最速なのだが、そこまで余裕があったわけではなさそうだ。このあとはやや過剰人気の危険タイプになりそうな気配を感じるが、友道厩舎だから大事に成長を促すため、休養させるのではないか。それならば一段階さらに強くなりそうだ。

10月23日(土) 新潟5R 優勝馬 インプレス 指数-3 評価B
新馬戦では後方から鋭い脚を使って2着と強さを感じさせていたインプレス。今回はデビュー2戦目、スタートで大きく出遅れてしまった。よくありがちな新馬戦好走後の反動が出たパターンかと見ていたが、最後の直線では他の馬が馬場の悪い内を避ける中、内を突いて抜け出し勝利した。

おそらく手応えがあまりよくなかったため鞍上は外に回す余裕がなかったのだろう。体調面があまりよくなかったと推測される。そのような状況でも底を見せずに勝利したインプレスは、なかなか奥がありそうだ。

10月23日(土) 新潟6R 優勝馬 マブセレナード 指数-8 評価B
新馬戦では9着、その後3着、5着で今回がデビュー4戦目だったマブセレナード。今回はあまり有利とは言えない新潟直線1000mのやや内目の枠だったが、好スタート、好ダッシュを決めると一気に有利な外ヘ出し、そのまま5馬身差で圧勝した。

今回は1クラス上の指数を記録。この走りは高く評価できる。ただ2歳で新潟1000m好指数を記録した馬は、その後やや苦戦することも多い。今後は距離延長に対応することがカギになるが、秘めた潜在スピードが高い馬だけに、いずれ化けるシーンがありそうだ。


2021年10月4週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)プレサージュリフは、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.4秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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