【2歳馬ジャッジ】リブースト再び出遅れも文句なしの勝利 本気を出したらどこまで強いのか
山崎エリカ
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10月3週の2歳馬ジャッジ
10月16日(土) 東京3R 優勝馬 エリカヴィータ 指数-3 評価A
スタートを決めて道中は中団中目折り合う競馬となったエリカヴィータ。直線で外に出されるとしっかり伸びて快勝した。ラスト2Fは11秒5-11秒4と最後まで加速。上がり3Fタイムも出走メンバー最速の34秒0。文句をつけるところはない勝利だったと言える。
この新馬戦はそこまで消耗度の高いレースではなさそうで、今後も順当に上昇が期待できそうだ。ただ、全ての面で文句をつけるところはないのだが、飛び抜けて優秀と言ったレベルでもなかった。今回の内容のみで判断するならば、今後の活躍が期待できる馬ではあるが、トップクラスにはあと少しと言った感じだろうか。
10月16日(土) 東京5R 優勝馬 ライラック 指数-3 評価B
好位の直後で折り合ったライラック。最後の直線ではスムーズに外に出し、最後まで良く伸びて勝利した。ラスト2Fは11秒4-11秒7、上がり3Fタイムは33秒9。同日3レースの新馬戦と比較すると、ラスト1Fの伸びは落ちるが、上がり3Fタイムは上回る。こちらのレースの方が距離は長く、雨の影響が多少ある馬場だったことを考えれば、3レース新馬戦と同等くらいの指数評価になる。
ライラックは札幌2歳Sを優勝したブラックホールの妹にあたる馬。同馬のように豊富なスタミナを感じさせるレースぶりで、なかなか面白い馬になりそうだ。
10月16日(土) 東京9R 優勝馬 ベストリーガード 指数-16 評価A
プラタナス賞はダートの新馬戦で古馬1勝クラス級の指数を記録したコマノカモンやインコントラーレ。それらよりも指数は劣ったが、ダート新馬戦の圧勝ぶりが目立ったカズラポニアン。前走1勝クラス、ヤマボウシ賞で2着だったケルンコンサート等が上位人気に支持された。
しかし、勝利したのはベストリーガード。同馬は芝の新馬戦では大敗し、デビュー2戦目の前走初ダート戦で好指数を記録した馬だ。今回2着のセイルオンセイラーも同様で、芝の新馬戦を大敗した後の初ダート戦を好指数で勝利して、今回がデビュー3戦目となった馬だ。
例年のことだが、ダート路線では新馬戦からダートで好成績を残した馬よりも、芝の新馬戦で負けてダートに路線転向した馬、デビューからしばらく芝で走っていながらダートに路線転向した馬の方が後々伸びていくことが多い。だからダートの新馬戦の評価は、そのあたりも考慮しなければならない。
また同時に新馬戦では本来の適性外のレースを使われ、能力を出し切れなかった馬の方が後々伸びることが多い。新馬戦で大事なことは、ただ強ければ良いというものではなく、いかに余力を残せるかだ。さて、今回のプラタナス賞はかなりの好メンバーだった。ここで負けても、後々巻き返してくる馬は多いだろう。
10月17日(日) 東京2R 優勝馬 ティーガーデン 指数-3 評価A
6月東京の新馬戦ではスタートで外の馬に寄られてやや出遅れ、直線でもスムーズに進路確保ができず、5着に終わったティーガーデン。今回もやや出遅れたが、前に行くスピードを見せて好位からの競馬。残り300m付近で先頭から押し切る強い内容で、2着に2馬身半差をつけて完勝した。
レース内容は新馬戦から格段に良化。今回は倒した相手が弱く、着差の派手さほど指数は高くないが、今回もやや出遅れており、能力を出し切っての勝利ではないだろう。この馬の姉は富士Sを優勝したソングライン。姉に負けない成長力を期待したい。
10月17日(日) 東京4R 優勝馬 ムーヴ 指数-3 評価B
スタートがやや悪く、中団からの競馬となったムーヴ。道中はやや追走に苦労していた。直線を向くと前を行く馬が多数。それでもうまく捌いて、差し切った。ラスト2Fは12秒5-12秒4。上がり3Fタイムはメンバー最速の36秒8。なかなか良い瞬発力を持っているようだ。今回の指数自体は評価に値するものではないが、秘めた素質がありそうだ。
10月16日(土) 阪神2R 優勝馬 デュガ 指数-7 評価B
オープンのフェニックス賞でデビューして3着。2戦目は重賞の小倉2歳Sで4着と異端の戦歴を持つデュガ。前走はダートの未勝利戦に使われ5着に敗退。今回は芝に戻って来た。
トップスタートを決めてハナに立つと、4角手前では後続に大きな差。結局そのまま独走で、未勝利クラスとしてはなかなか優秀な指数を記録した。
今回は前走でダートを使われた効果が大きく、能力を出し切ったようなレースぶり。次走に余力を残せたかは微妙だが、キャリア4戦目で今回の指数が記録できるならば、高い能力を持っていることは間違いない。渋い活躍をしてくれそうだ。
10月16日(土) 阪神3R 優勝馬 シホノスペランツァ 指数-5 評価A
シホノスペランツァは新馬戦では出遅れ&行きっぷりも悪く、最後方からの競馬。向正面で外に出してポジションを上げ、4角では大外を回る大味な競馬ながらマテンロウスカイの2着に入線した。
今回はスタートを決めて好位の後ろ、外目からの競馬。3角過ぎから内に進路をとりながらポジションを上げ、直線に入ると早くも先頭。そしてそのまま3着馬には5馬身4/1差をつけて勝利した。
新馬戦から大幅に内容良化。豊富なスタミナを感じることができるレースぶりだった。このタイプは使われながら相手強化の重賞などで穴を開けたりするタイプ。面白い馬になりそうだ。
10月16日(土) 阪神5R 優勝馬 フォースクエア 指数-3 評価A
スタートではっきりと出遅れたフォースクエア。ところが鞍上が手綱をしごいて気合をつけると、内からあっという間にポジションを上げて好位につけるスピードを見せた。そんなレースぶりでもしっかり折り合う競馬ができるセンスの良さ。直線では前にいた逃げ馬が少し外に膨れたこともあって、そのまま内を突いて後続を押さえ切った。
ラスト2Fは10秒8-11秒6と減速の結果となったが、かなりロスの多い競馬だったことから、能力を出し切ってのものではないはず。次走以降の上昇が楽しみだ。
10月16日(土) 阪神9R 優勝馬 リブースト 指数-11 評価AAA
新馬戦では出遅れて後方から、直線では進路取りにスムーズさを欠きながらも勝利したリブースト。対するは、新馬戦でスムーズにマイペースの競馬をしながらも、ラスト2Fを11秒5-11秒3と優秀なラップでまとめて勝利したブルーグロット。他の出走馬は明らかに弱く、完全な一騎打ちムード。前走不利が勝つか、前走完璧な内容が勝つか、注目の一戦だった。
結果は前走不利のリブーストが楽勝。直線で持ったまま突き抜けた走りは異様な強さを感じるパフォーマンスだった。今回も出遅れており、能力を出し切ったものではないだろう。どこが能力の天井になるのか? 今後のクラシック戦線での主役候補が出現した。
10月17日(日) 阪神3R 優勝馬 モズタンジロウ 指数-4 評価B
新馬戦では時計の掛かる馬場を逃げ馬の外2番手でレースを進め、直線では早めに抜けようとしながら、バテて4着だったモズタンジロウ。負けて強しの競馬だった。
今回は出脚が悪く後方からの競馬になり、3~4角で大外を回って進出開始。4角ではさらに外に張られてしまうロスがあった。しかし、直線では進路を変えずにそのまま大外から、豪快に差し切った。
このようなレースぶりは派手で強く見えるが、実際は次走以降に繋がらないことも多く、過大評価はできないところもある。しかし、多くのロスを克服したことは確か。次走はどうなるだろうか。
10月17日(日) 阪神4R 優勝馬 デリカダ 指数-13(ダート) 評価A
スタートを決めて好位の外からの競馬になったデリカダ。このレースは超スローペースで流れたため、向正面でカフジオクタゴンが捲って先頭に立ったが、デリカダはそれをやり過ごして自分の競馬。3角過ぎから進出開始し、直線では最後までしっかり伸びて快勝。
ラスト2Fは12秒4-11秒9。3着馬には大差をつけての好指数勝ちとなった。文句なしの内容。今後が楽しみだ。また、カフジオクタゴンもなかなかの好指数で2着。近いうちに未勝利を勝ち上がれそうだ。
10月16日(土) 新潟2R 優勝馬 アーテルアストレア 指数-11 評価B
芝の新馬戦では後方のまま10着と大敗したアーテルアストレア。今回はデビュー2戦目、初ダート。スタートがあまり良かったとは言えないが、加速がつくと一気に先頭に立ち、逃げる競馬となった。直線では完全に独走、大差勝ちで好指数勝ちを決めた。大きなフットワークが大物感を感じさせる馬。今後の上昇も見込め、楽しみな馬だ。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)リブーストの指数「-11」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.1秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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