【2歳馬ジャッジ】かなりロスがありながらも豪快な末脚で勝利! ドグマは今後の成長が楽しみな逸材

山崎エリカ

8月14日、8月15日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA

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目指せ「2歳戦で大儲け」

このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は小倉でドグマが圧巻の末脚で勝利。札幌ではモンゴリアンキングが好内容で勝った8月14日、8月15日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで

8月14日(土) 新潟1R 優勝馬 ベストリーガード 指数-10 評価B
デビュー戦は芝を使われ、7着だったベストリーガード。今回はダートに出走。スタート直後の芝の部分ではあまりダッシュが利かなかったが、ダートに変わると一気に加速がついて先頭に。結局そのまま2着に8馬身差をつけて圧勝した。

ベストリーガードの父はダートで活躍したダノンレジェンド。父の血統で予定通りに仔の適性が決まることはそんなに多くないが、この馬は見事にダート適性が高いようだ。新馬戦では適性のない芝で全能力を出し切れなかったことで、余計な疲労もなく、今後に向けて順調に成長が期待できそうだ。

8月14日(土) 新潟5R 優勝馬 ミント 指数-4 評価A
ミントは大外枠。駐立が悪く、スタートがあまり良くなかったが、中団後ろで口向きの悪さを見せながらも折り合うと、直線では馬場の良い外目を最後までしっかり伸び、2着に3馬身半差をつけて圧勝した。

指数も新馬戦としては優秀な部類。なかなか強かった。さらに最後までほぼ真っ直ぐに走れていた点から、体幹の強さも感じることができ、高く評価した。ただし、ラスト2Fは11秒1-11秒9と大幅に減速。この日の新潟芝は稍重でタフな馬場。そこまで余裕を残して勝てたわけではないだろう。今後すんなりとはいかないかもしれないが、秘めた素質は高そうだ。

8月15日(日) 新潟3R 優勝馬 リアグラシア 指数-5 評価B
リアグラシアの姉はローズS勝ちなど、現在も活躍中のリアアメリアと言う良血馬だ。そういったこともあり前走の東京芝1600mの新馬戦では1番人気に支持されたが、結果は3着だった。今回は2戦目。新馬戦の余力次第では良い方にも悪い方にも変わる一戦だったが、さすがに良血馬らしく良い方に変わって勝利した。

指数もデビュー2戦目の馬としては悪くない。ただし、直線では馬場の良い外を通れているし、差し有利の展開に恵まれた点もある。ここまでの走りからはそこまで高い評価はできないが、良血馬だけにどこかで覚醒してきそうだ。

この未勝利戦で光ったのは、2着のショウナンアメリア。最内枠から先行して、直線では馬場がやや悪い内を通り、ラスト1F地点で外の馬が有利な態勢から、差し返した内容は負けて強しだった。近いうちに勝ち上がれそうだ。

8月15日(日) 小倉1R 優勝馬 エクロール 指数-3 評価A
新馬戦では中枠から出遅れ、外を回りながら勝ちにいったため伸びきれず6着だった。今回も出遅れ、序盤は後方馬群にいたが、そこからポジションを上げ、前走同様に4角では外を回る競馬。しかし今回はそこからしっかり伸びて、2着馬に2馬身半差をつけて勝利した。

ラスト2Fは12秒0-11秒8と、最後までしっかり加速。超スローペースが多い新馬戦で最後まで加速することも難しいことだが、レースの流れが緩みなく流れる新馬戦以外で、最後まで加速できる馬はそう多くない。エクロールはここまでロスのある競馬を続けているだけに、秘めた能力はかなりのものがありそうだ。

8月15日(日) 小倉5R 優勝馬 ドグマ 指数-3 評価AA
ゲートが開くのに驚いて出遅れたドグマ。そこから後方でレースをするも折り合いを欠いた。3角過ぎに外からスパートして前との差を詰め、4角では大外。そこまでかなり脚を使っており、並みの馬ならば最後失速がお約束のパターンだろう。

ドグマは直線半ばでは届きそうもなかったが、最後までしっかり伸びて差し切った。ラスト2Fは11秒6-11秒6。かなり長く良い脚を使った。またロスのある競馬だったことからも、潜在能力はかなり高そうだ。

8月14日(土) 札幌1R 優勝馬 レッドラディエンス 指数-7 評価A
前週のダークエクリプスが勝利した新馬戦では、断然の1番人気に支持されながら6着だったレッドラディエンス。今回は連闘での出走で前回同様、断然の1番人気。藤沢厩舎とルメール騎手のコンヒで過剰人気なだけの馬ではないかとも思っていたが、今回はよほど連闘効果が大きかったのだろう。

まさに手応え一変、好指数で勝利した。同日のオープン、コスモス賞に出走していても好勝負だった計算になる指数だ。ただ今後に関しては、デビュー2戦目に連闘で無理に能力を引き出してしまった疲れがとにかく懸念される。潜在能力がかなり高い馬であることは確かなだけに、今後のケアがとても大事だ。

8月14日(土) 札幌5R 優勝馬 モンゴリアンキング 指数-4 評価AA
モンゴリアンキングは道中2番手からレースを進め、4角手前では抑え切れない手応えで早々と先頭に立ち、そのまま押し切った。同馬は見栄えのする馬体とフットワークが光る馬だ。

この日の馬場で走破タイム1分29秒1は優秀。3着以下がバラバラになってゴールインしたのも頷ける。ラスト2Fは11秒6-11秒9。ゴール前でヨレたように余裕はなかったのだろうが、走破タイムの速さから考えれば、最後の減速は少なく、なかなか評価できる。大事に使えば、かなり上が目指せる馬だ。

8月15日(日) 札幌1R 優勝馬 フリートオブフット 指数-5 評価B
新馬戦では快速馬ポメランチェの2番手を追走する厳しい競馬で最後に失速して3着だったフリートオブフット。今回は前2頭が飛ばす展開を見ながら、4番手を追走と楽なレース展開となり、なかなか優秀なタイムで勝利した。前走の厳しい競馬の経験が生きたのだろう。

今回は現状の能力を出し切った競馬。昇級後即通用かは微妙も、デビュー2戦目でこの時計、指数で走れるならば、高い能力の持ち主であることは確かだ。

8月15日(日) 札幌5R 優勝馬 ホウオウプレミア 指数-3 評価A
セレクトセールで2億7000万円の高額取引きされた評判馬ホウオウプレミア。1番人気に支持された。五分にスタートを切りテンから促したが、道中の進みが悪く、先団から一旦下がって離れた5番手を追走。しかし、3角過ぎから少しずつポジションを上げていき、4角では先頭に並びかけ、最後は前を行く馬を差し切った。

ラスト2Fは11秒8-11秒8。前を目標に出来た展開には恵まれたが、最後までしっかり伸びた点と、レースぶりが幼く、伸びしろを感じさせたところは評価できる。


8月14日、8月15日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA



※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ドグマの指数「-3」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.3秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。


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