【2歳馬ジャッジ】かなり評判が高いルージュスティリアだが…… 新馬戦の内容には?

山崎エリカ

7月31日、8月1日の2歳戦ジャッジ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

目指せ「2歳戦で大儲け」

このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は函館でソリッドグロウが7馬身差勝ち、新潟では評判馬ルージュスティリアが勝利した7月31日、8月1日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで

8月1日(日) 新潟1R 優勝馬 ベルクレスタ 指数-5 評価A
6月中京のセリフォスが勝利した新馬戦で2着だったベルクレスタ。今回はよほど変な競馬をしなければ順当に勝利するだろうと見ていたが、中団で折り合って2着馬を3馬身半引き離しての勝利だった。今回は相手に恵まれ、レースが末脚勝負となった中で上手く脚をタメたことが功を奏した面はあるが、これでデビューから2戦連続でメンバー最速の上がり3Fタイムを記録した点は評価できる。次走が試金石の一戦となるだろう。どの程度の着順でまとめられるかで、その後を占えそうだ。

8月1日(日) 新潟5R 優勝馬 ルージュスティリア 指数-2 評価A
大外枠からトップスタートを決めて、そのまま行ってしまうのかとも思われたが、そこから中団で折り合うセンスの良さを見せたルージュスティリア。直線で外に出すと一気に加速して先頭に立ち、そのまま押し切って勝利した。上がり3Fのタイムは32秒9。これは当日の他のレースと比較しても優秀で評価できるが、ラスト2Fは10秒4-11秒4と大幅に減速。早め先頭に立って苦しい展開だったことは確かだが、この点は今ひとつ。よくありがちな新潟芝新馬戦、並レベルのラスト2Fの数字だ。

この馬はかなりの評判馬のようだが、今回の新馬戦だけならばそこまで高い評価はできない。ただし超スローペースだったので馬が傷む可能性は低く、順当に今後の上昇が期待できそうだ。

8月1日(日) 新潟6R 優勝馬 ボンクラージュ 指数-2 評価B
好スタートから掛かり気味にハナを奪って、そのままマイペースで逃げたボンクラージュ。直線でも逃げ脚は衰えず、2着馬に2馬身半差をつけて逃げ切った。ラスト2Fは11秒0-11秒7。同日5レースの新馬戦と比較した場合、道中の流れがこちらの方が速かった分、ラスト1Fは遅くなったが、指数上の評価としてはほぼ同等と見て良いだろう。逃げて勝利した馬は次走折り合うことでグンと伸びる馬もいるだけに、警戒はしておきたい。

7月31日(土) 函館1R 優勝馬 コラリン 指数-4 評価A
6月札幌開幕日、カイカノキセキが勝利した新馬戦は粒揃いだったが、そこで4着だったコラリン。今回は出遅れたが、そこから先行勢の直後までポジションを上げ、4角で仕掛けて先頭に並びかけ、そこから突き放して2着に2馬身半差をつけての快勝だった。レース内容は新馬戦から着実に良化。道中で上がって行く時に無駄にアクセルを踏んだことを考えると、かなり強い内容だった。今後も期待できそうだ。

7月31日(土) 函館5R 優勝馬 ソリッドグロウ 指数-4 評価B
スタートはそこまで速くなかったが、二の脚で加速が付くと一気に先頭に並びかけたソリッドグロウ。道中は内のグランパドゥシャと後続を離しての逃げ争い。4角ではその争いに決着をつけて単独先頭、直線ではさらに差を広げて7馬身差の圧勝だった。

走破タイムも悪くなく、新馬戦としては指数も優秀な部類。ただし、ラスト2Fは11秒9-12秒8と大幅に失速。やはり余力を残せたようなレースぶりではない。スピード能力は高いが、成績が不安定なタイプになりそうだ。

8月1日(日) 函館5R 優勝馬 ロン 指数-2 評価A
わずか5頭立ての新馬戦。マイペースで逃げたロンが2着に3馬身半差をつけて快勝した。ラスト2Fは11秒1-11秒6。減速していはいるが、マズマズの数字と言える。また、時計が掛かり始めた函館の馬場で逃げ切ったことは高く評価できる。最後までほぼまっすぐに走れており、まだ余裕を感じさせるフットワークをしていた。意外と面白い存在になっていくかもしれない。

7月31日、8月1日の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ルージュスティリアの指数「-2」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.2秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。


《関連記事》
【2歳馬ジャッジ】一見地味だが光った内容 指数・評価ともにコマンドラインを超えてトップの馬は?
【2歳馬ジャッジ】怪物級の指数をマークしたポメランチェ 今後に向けての懸念点とは?
【2歳馬ジャッジ】6月は新馬一発でGⅠ級の馬は出現せず レッドベルアーム、ジオグリフの評価は?
【2歳馬ジャッジ】また芝短距離に破格の指数を記録した怪物ウィリンが出現 フィデルの評価は?
【2歳馬ジャッジ】ついに大物が出現! クラシックを狙えるエクラノーブル
【2歳馬ジャッジ】リューベックは全姉ディアドラを超えるような国際的な名馬となれるか?
【2歳馬ジャッジ】函館芝中距離の新馬戦としては破格のタイムを記録したトップキャスト 次走への評価は?

おすすめ記事