【帝王賞】勝ち馬の平均上がりは36.9 大井の馬場に合う本命馬は?
三木俊幸
Ⓒ三木俊幸
昨年の覇者ゴールドドリームが回避も豪華なメンバー
JRAでは上半期の締めくくりのGⅠ宝塚記念が先週に終わったが、ダート界はまだ終わらない。6月26日(水)、大井競馬場では帝王賞(ダート2000m)が行われる。SPAIAでは新たな試みとして、地方交流GⅠの予想にもチャレンジすることとなった。
今年はJRAから出走を予定していた昨年の覇者、ゴールドドリームが左前球節炎を発症、昨年のチャンピオンズCを制し、今年の始動戦として帝王賞を予定していたルヴァンスレーヴも左前の球節に不安が出たため、出走を回避するということが発表されたのは残念だった。
それでも、フェブラリーSを制したインティや、重賞2連勝中と勢いのあるチュウワウィザードなど楽しみなメンバーが出走する。本コラムでは、地方交流GⅠ過去10年の上がりタイムと通過順位を重視した予想をしていきたい。
先行馬が断然有利
まずは過去10年の優勝馬の成績を振り返ってみよう。
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2010年のフリオーソを除いてJRA所属馬が勝利。現在の力関係を考えても、今年もJRA勢による争いとなりそうだ。馬場状態は梅雨時期らしく、良馬場で行われたのは4回のみ。その他は稍重1回、重1回、不良が4回という内訳となっている。
勝ちタイムは、2011年にスマートファルコンがマークした2:01.1が最も速い決着となっているが、2分3秒台の決着が6回あることからも、それが一つの目安となりそうだ。しかし、近2年は2分4秒台の決着となっており、砂質が少し重たくなっているのかもしれない。梅雨の時期で天気が読みづらい面もあるので、当日の馬場状態を注視したいところだ。
通過順位を見ると、圧倒的に先行馬が有利。差し馬が勝利したのは2017年のケイティブレイブのみで、それ以外は4コーナーで3番手以内に位置しており、先行力があるということは大きなアドバンテージとなるだろう。
最後に上がりタイム。地方競馬としては広いコースであることから、勝ち馬の平均上がりは36.9と比較的速いタイムが要求される馬場だ。
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馬券圏内の3着までに入った馬まで対象を広げてみると、2着馬の平均は37.5、3着が37.6と勝ち馬に比べると、上がりを要している。このことからも、脚を余して敗れるというよりは、能力を発揮しながらも勝ち馬には及ばなかったというレースが多いのではないだろうか。
大井の2000mなら逆転はある
今年のJRA所属馬が3着以内の馬券に絡んだ際に使った平均上がりタイムは、以下の通りとなっている。
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このデータから馬券圏内へ好走できそうなのは、アポロケンタッキー、インティ、オメガパフューム、チュウワウィザード、ミツバの5頭。そのうち1着候補はインティ、オメガパフューム、チュウワウィザード、ミツバの4頭だと考えるが、オメガパフュームは差し脚質、ミツバは3頭とは力差がありそうなので、本命には推したくない。
残ったのはインティとチュウワウィザードの2頭だが、この2頭は東海Sで1、2着となり、その時は0.3秒差をつけてインティが勝利した。
しかし、今回は大井の2000mに舞台が変わるので、JRAのコースより重いダートだということ、馬券に絡んだ際の平均の上がりが37.0で過去10年の優勝馬の平均36.9により近いことを加味して、スタミナタイプのチュウワウィザードに逆転の目があるのではないかと考える。
鞍上の川田騎手は、JRAの上半期のリーディングトップを快走しながらも、先日の宝塚記念では惜しくも2着に敗れるなど、GⅠレースでは勝利がなかった。心の中には期する思いもあるはずだ。馬券的な配当は期待できそうにないが、帝王賞の舞台では最高の結果を残してくれることに期待したい。
印は以下の4頭とした。
◎チュウワウィザード
○インティ
▲オメガパフューム
△ミツバ
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