【エリザベス女王杯】GⅠ馬レガレイラ、スタニングローズは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のエリザベス女王杯『美浦所属馬』かつ『キャリア16戦以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のアルゼンチン共和国杯は、最終的に3頭(タイセイフェリーク、メイショウブレゲ、ショウナンバシット)が消去を免れた。そのなかから4番人気のショウナンバシットにすべてを託したが14着に終わった。“正解”は、3着に好走した6番人気タイセイフェリークの複勝だったようだ。

今週は日曜メインのエリザベス女王杯を予想していく。2020~22年は阪神が舞台だったが、その3年間も含めた過去10年を対象に、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

『美浦所属馬』×『キャリア16戦以上』★0.0%★

まずは過去10年で【2-5-0-42】(複勝率14.3%)の美浦所属馬を取り上げる。複勝率は【8-6-9-99】(同18.9%)の栗東所属馬と大きな差はないが、好走したのはキャリア15戦以下の馬に限られる。

キャリア16戦以上の美浦所属馬は【0-0-0-23】(同0.0%)で、16年1番人気マリアライト、17年2番人気ルージュバックなど有力馬も4着以下に敗れていた。

今年の登録馬19頭のうち、この条件に当てはまったのはエリカヴィータ、ライラック、ルージュリナージュの3頭。いずれも近走は5着以内がやっと。やや手薄なメンバーになったとはいえ、上位進出のイメージは湧かない。

【今年の該当馬】
・エリカヴィータ
・ライラック
・ルージュリナージュ

『前走ローカル』×『前走4着以下』★0.0%★

続いて前走でローカルを走っていた馬に注目する。過去10年の成績は【2-1-2-28】(複勝率15.2%)と悪くない。しかし、前走4着以下だった馬は【0-0-0-15】(同0.0%)。本番で巻き返したケースはなかった。

今年この条件に当てはまったのは、エリカヴィータに加えてGⅠ勝ち馬のスタニングローズとレガレイラの3頭。スタートに難があるレガレイラにとって、京都外回りへの舞台替わりは大きなプラスになるはず。あっさり差し切っても不思議はないが、得てして悪い流れは続くもの。今回は思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・(エリカヴィータ)
・スタニングローズ
・レガレイラ

『5歳以上』×『前走2200m以上』★2.9%★

3つ目は年齢別データから【1-4-1-72】(複勝率7.7%)の5歳以上を取り上げる。本レースは4歳以下が5歳以上を圧倒しており、単純に5歳以上の馬を全て消してもいい。

ただ、ハイブリッド式ではもう一つの条件を掛け合わせる。ここでは前走2200m以上のコースを走っていた馬をピックアップ。この組み合わせに該当した馬は過去10年で【0-0-1-33】(同2.9%)で3着が1頭いるだけだった。

今年は消去済みのエリカヴィータに加えて、前走オールカマーで12着に大敗したサリエラが当てはまった。久々の牝馬限定戦で不気味な存在ではあるが、消しとする。

【今年の該当馬】
・(エリカヴィータ)
・サリエラ

『前走馬体重460kg以上』×『ミスプロ系』★5.6%★

続いては馬体重に注目。前走時の馬体重460kg以上は【7-4-4-92】(複勝率14.0%)、459kg以下は【3-7-5-49】(同23.4%)と、複勝率に大きな差があった。

特に前走460kg以上で父ミスタープロスペクター(ミスプロ)系の馬は【1-0-0-17】(同5.6%)で、昨年の勝ち馬ブレイディヴェーグ以外の17頭は4着以下に負けている。

今年は以下の4頭がこの条件に当てはまった。ゴールドエクリプスとシンティレーションの2頭を新たに消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(エリカヴィータ)
・ゴールドエクリプス
・シンティレーション
・(スタニングローズ)

『前走初角4番手以下』×『前走上がり4位以下』★5.7%★

最後は前走の初角通過順と上がり順位の組み合わせを採用する。具体的には「前走初角4番手以下」かつ「前走上がり4位以下」。これに当てはまった馬は【1-0-2-50】(複勝率5.7%)と苦戦している。

今年この条件に当てはまったのは以下の7頭。まだ底を見せていないホールネス、昨年のオークスで2着に善戦したハーパーなどをまとめて消去する。

【今年の該当馬】
・コスタボニータ
・(ゴールドエクリプス)
・ハーパー
・ホールネス
・モリアーナ
・(ライラック)
・ラヴェル

全ての条件を終えて確実に残るのは、シランケド、シンリョクカ、コンクシェル、キミノナハマリア、ピースオブザライフ、フェアエールング(福島記念にも登録)の6頭だ。

フェアエールングも含めていずれも伏兵と呼べる存在ばかり。今回の本命には単騎逃げが見込めるコンクシェルを指名する。これまで1600~1800mを主戦場にしてきた同馬は、2度の2000m戦は9、18着に大敗している。ただ、両レースともハナを切ることができなかった。今回は3コーナーまでにセーフティリードを取れば、“そのまま”の可能性もある。

買い目はコンクシェルの単勝1点勝負だけでもいいが、保険として脚質自在のシランケドの単勝も押さえる。伏兵2頭の単勝ならトリガミにはならないだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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