【フェブラリーS】ハイペース戦で差し馬の出番だ 世代屈指の実力馬ミッキーファイトは勝ち負け必至

京都大学競馬研究会

フェブラリーSの上がり3F4位以内馬の成績(過去10年)

ⒸSPAIA

中団~後方から速い上がりを使える馬が中心

2月23日(日)にフェブラリーS(GⅠ)が行われる。ダート歴代最強世代と名高い現4歳世代からミッキーファイト、サンライズジパング、アンモシエラが参戦するほか、前哨戦の根岸Sを圧勝したコスタノヴァ、ダート9戦7勝で連対率100%のエンペラーワケア、昨年のフェブラリーS勝ち馬ペプチドナイルなど、国内ダート最高峰の舞台に相応しい実力馬が多く集結した。

以下では、本レースが行われる東京ダート1600mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。

まずは東京ダート1600mのコース形態をみる。2コーナーポケットの芝から発走し、初角まで約640m。外枠の方が芝の部分を長く走れるためダッシュがつきやすく、先手争いでは有利となっている。

ほぼ平坦な3、4コーナーを回り、ダートコースで日本最長を誇る501.6mの最終直線を駆け抜ける。これが今回のコースレイアウトだ。

まず注目すべきは初角までの距離が約640mと非常に長い点だ。さらに本レースは国内ダート最上位戦ということもあり、先行有利なダートで結果を出してきた先行馬が毎年揃うことが多い。この2点から序盤の先手争いは激化し、そして長引きやすい。

序盤がハイペースで流れたあと、コーナーを迎える中盤ではペースが緩みやすい。つまり、最後の直線を向いて再び加速するまでに、後方勢が先行勢に対してポジション差を詰めやすい。

したがって、序盤~中盤にかけて中団から後方で脚を温存した速い上がりを持つ差し馬が恵まれやすい。というのが今回のレースの質だ。

フェブラリーSの上がり4位以内馬成績,ⒸSPAIA


<フェブラリーS 上がり3F4位以内馬の成績(過去10年)>
【9-8-8-22】勝率19.1%、連対率36.2%、複勝率53.2%、単勝回収率82%、複勝回収率176%

この傾向は数字にも表れている。過去10年のフェブラリーSで上がり3F4以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。馬券内となった30頭中25頭を占めており、メンバー上位の速い上がりを使えることが本レースで好走するための絶対条件だ。

馬券内となった他5頭も相対的には上位の上がり(いずれも8位以内)が使えており、逆に地力がなく速い上がりを使えない馬の前残りは皆無である。

まずは各馬の地力を評価し、それぞれの位置取りと使える上がりの速さを重視した上で、想定される展開を加味して印を打っていく。

ハイペース必至の差し展開

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が9頭と出走馬全16頭に対して非常に多い。

その多くが徹底先行馬であり、距離延長馬も含まれる。前述のコース形態と合わせて序盤の先手争いが激化し、ハイペースになることが必至だ。

この展開で恵まれやすいのは中団か後方で脚を温存した、速い上がりを持つ差し馬だ。しかし、最後方から全てまとめて差し切るというのは先行有利なダートでは至難の業。ある程度ポジションを取れるテンの速さも評価したい。

また、想定される展開ではコーナーにあたる中盤のペースが緩み、後方勢が先行勢に対してコーナーでポジション差を詰めやすい。これを生かせるようなある程度の機動力も評価したい。上がりの速さを最も重視しつつ、ポジションとコーナーでの機動力も評価して印を打っていく。

世代屈指の実力馬

◎ミッキーファイト
ダート歴代最強世代と名高い現4歳世代において、フォーエバーヤングに次ぐ実力馬。前走の名古屋大賞典は不得意な小回り、かつ斤量57.5kgの3歳馬には過酷な条件の中で勝利。古馬相手に能力の高さを示した。

衝撃だったのは2走前のジャパンダートクラシック。1、3着に4角2、3番手の馬が来る前残り展開を4角7番手から上がり最速の脚で2着。また3着を1.0秒突き放し、勝ち馬フォーエバーヤングに0.2秒差と迫った。着差以上に評価できる内容だった。

このときの勝ち時計2:04.1は馬場改修後の大井2000mにおいてダントツに速い時計であり、その後、勝ち馬フォーエバーヤングはBCクラシック3着、東京大賞典1着となった。

また3着馬サンライズジパングはみやこS1着、チャンピオンズC6着、プロキオンS2着、4着馬ラムジェットは東京大賞典3着と好走した。

時計、メンバーともに歴代最高レベルの一戦で、現日本ダート最強馬フォーエバーヤングに0.2秒差まで迫った本馬も間違いなくGⅠ級の能力を持つ。今回のメンバーでは断然の最上位馬だ。

不器用であるため広い東京替わりはプラス。またハイペース必至の今回、距離短縮ローテも生きてくる。枠も7枠14番と絶好枠に入った。持ち前の力を最大限に発揮すれば勝ち負け必至とみる。

◯サンライズジパング
こちらも現4歳世代屈指の実力馬。前走プロキオンSは中京らしい超内有利の展開の中、大外を回って上がり2位の脚を使いタイム差なしの2着。勝ちに等しい内容だった。

2走前のチャンピオンズCも超内有利の展開の中、終始大外を回って0.5秒差6着、こちらも着順着差以上に評価できる内容だった。ジャパンダートクラシック3着が示す通り、今回のメンバーでも能力は上位とみる。

不器用で加速に時間がかかる馬であるため、広い東京コースはベスト。枠も6枠12番と絶好枠だ。相性の悪い中京コースで2度敗戦したことにより、今回は高いオッズ妙味が見込まれる。

▲ガイアフォース
前走チャンピオンズCは3.6秒差で15着に大敗。しかし大外枠の最後方から終始外を走り続け、余りにも絶望的な競馬で度外視可能だ。

2走前の安田記念は超ハイレベルなメンバー相手に0.3秒差の4着。3走前のフェブラリーSは初ダートながら0.2秒差2着。能力、ダート適性ともに高い。

初めてダートスタートだった前走はスタート直後に躓く不利があったため、慣れた芝スタートの東京ダート1600m替わりは大幅なプラス材料。枠も8枠15番と絶好枠であり、さらなる上積みが期待できる。こちらも前走の度外視可能な敗戦で高いオッズ妙味が見込まれる。

△コスタノヴァ
今回のメンバーでも最上位の瞬発力を持つ。東京ダート適性は高く、距離延長を生かして中団から運び、持ち前の末脚を発揮できれば好走可能だ。

×アーテルアストレア
前走チャンピオンズCは着順、着差以上に評価できる内容。鋭い末脚は今回のメンバーでも上位、オッズ妙味も見込まれる。

×ペプチドナイル
昨年のフェブラリーS勝ち馬。先行馬ならこの馬。外目の枠も良く、スムーズに先行できれば。

買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△×馬連5点、◎-◯▲△-◯▲△×3連複9点で勝負する。(花田)

▽フェブラリーS予想▽
◎ミッキーファイト
◯サンライズジパング
▲ガイアフォース
△コスタノヴァ
×アーテルアストレア
×ペプチドナイル

◎2024年勝負買い目個人成績(東海S~ホープフルS:25記事)
・単勝27点→4830円 回収率178.9% 的中率37.5%(的中9R/推奨24R)
・馬連105点→12480円 回収率118.9% 的中率42.9%(的中9R/推奨21R)
・3連複204点→22410円 回収率109.9% 的中率17.4%(的中4R/推奨23R)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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