高齢馬の「買える条件」を徹底検証! 「芝×2月」は単回163%、「東京」は芝ダともに妙味あり

東大ホースメンクラブ

高齢馬のプラスデータ,ⒸSPAIA

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京都記念は7歳以上の高齢馬が4頭出走

今週末は京都芝2200mのGⅡ・京都記念が開催される。春のGⅠ戦線の前哨戦としてもお馴染みの一戦だ。

今年も二冠牝馬チェルヴィニアや皐月賞馬ソールオリエンスなど、豪華なメンバーが集結。さらに今回注目を集めそうなのが、明け7歳のヨーホーレイクである。

エフフォーリアやシャフリヤールと同世代というベテランだが、2度の長期休養もあってまだキャリアは11戦。今回は昨年6月の鳴尾記念以来となる3度目の重賞制覇を目指す。

今回の京都記念には、このヨーホーレイクを含めて7歳以上の高齢馬が4頭も出走する。さらにこの後に控える今年最初のGⅠ・フェブラリーステークスにもタガノビューティーやメイショウハリオといったベテランが特別登録しており、彼らの取捨選択は予想の重要なポイントとなる。

そこで今回は「高齢馬の買える条件」をテーマに過去データを分析。ここでは「高齢馬」を「7歳以上の馬」と定義し、直近5年分(2020年2月15日~2025年2月10日)の成績を使用する。


2月は高齢馬が強い

高齢馬の「買える条件」(芝),ⒸSPAIA


<高齢馬の「買える条件」(芝)>
全体成績【74-112-144-3397】
勝率2.0%/連対率5.0%/複勝率8.9%/単回収率62%/複回収率54%
2月【16-12-16-388】
勝率3.7%/連対率6.5%/複勝率10.2%/単回収率163%/複回収率67%
東京【12-15-18-484】
勝率2.3%/連対率5.1%/複勝率8.5%/単回収率179%/複回収率72%
外国人騎手【5-4-6-54】
勝率7.2%/連対率13.0%/複勝率21.7%/単回収率151%/複回収率70%

この章では、芝レースにおける高齢馬の「買える条件」を調査していく。

まず、近5年の高齢馬の全体成績を出してみると勝率2.0%、複勝率8.9%、単回収率62%、複回収率54%となる。この数字を基準に「買える条件」かどうかを判断していく。

期間別では2月と6月が好成績。2月は【16-12-16-388】単回収率163%、6月が【5-9-7-237】単回収率109%とどちらもプラス域だ。スピードよりもスタミナを生かしたい高齢馬にとって、タフな馬場になりやすい冬場や、降雨で馬場が荒れやすい梅雨の時期は絶好といえる。

競馬場別では、意外にも東京競馬場が妙味の面では狙い目。単回収率はなんと179%を記録している。

特に高齢馬の活躍が目立つのが東京新聞杯。昨年はサクラトゥジュール(7番人気1着)とウインカーネリアン(4番人気2着)による7歳馬のワンツーで、今年は8歳メイショウチタンが16番人気3着と激走した。

このほか、複勝率が10%を超えている競馬場は函館、新潟、小倉の3場となっている。

最後に騎手との相性について。短期免許の外国人騎手との相性が良く、勝率7.2%と単回収率151%は全体成績を大きく上回る。ズブい馬が多く、力強く追える外国人騎手との相性が良くなりやすいのかもしれない。

今週末の京都記念は、高齢馬と相性の良い「2月」のレースに該当。2022年は7歳アフリカンゴールドが12番人気で優勝、昨年も7歳バビットが9番人気で3着に食い込むなど、高齢馬が波乱の立役者となった。

今年も冒頭で取り上げたヨーホーレイクのほか、エヒトにバビット、フォワードアゲンが出走予定となっている。


高齢馬の「買える条件」(芝),ⒸSPAIA


ダートはとにかく距離短縮を狙え!

高齢馬の「買える条件」(ダート),ⒸSPAIA


<高齢馬の「買える条件」(ダート)>
全体成績【86-117-152-3151】
勝率2.5%/連対率5.8%/複勝率10.1%/単回収率65%/複回収率64%
2100m以上【6-4-6-163】
勝率3.4%/連対率5.6%/複勝率8.9%/単回収率201%/複回収率58%
8月【5-7-6-132】
勝率3.3%/連対率8.0%/複勝率12.0%/単回収率131%/複回収率130%
小倉【8-10-11-202】
勝率3.5%/連対率7.8%/複勝率12.6%/単回収率137%/複回収率97%
距離短縮【25-33-42-867】
勝率2.6%/連対率6.0%/複勝率10.3%/単回収率125%/複回収率89%

続いてはダートの「買える条件」を調査していく。

近5年の全体成績は勝率2.5%、複勝率10.1%、単回収率65%、複回収率64%となっており、芝よりも活躍が目立つ。この数字を基準として、「買える条件」をピックアップしていこう。

距離別では、短距離or長距離といった極端なレンジが狙い目。1200m以下では複勝率11.7%、単回収率82%、複回収率76%となかなかの高水準。また、2100m以上も複勝率8.9%、単回収率201%、複回収率58%と妙味十分だ。6歳以下の馬の層が厚い中距離以外で狙っていくのが得策といえる。

時期別では6月〜8月の夏場に注目。特に6月【5-6-9-218】単回収率155%、複回収率94%と8月【5-7-6-132】単回収率131%、複回収率130%は妙味の面でも非常に優秀である。また、7月も複勝率14.9%で一年の中で最高値を記録している点は見逃せない。

競馬場別では、小倉や東京が好成績。小倉は勝率3.5%、単回収率137%と優秀で、複回収率も97%と高水準。見かけたらとりあえず買い目に入れておいて損はない。

東京も勝率2.0%、単回収率113%とプラス域をマーク。東京競馬場は芝・ダートともに高齢馬が軽視されやすく、妙味が出やすい傾向にある。

ローテーション別の成績では、距離短縮がハマりやすいのが特徴。前走から距離短縮の馬は単回収率125%を叩き出しており、前走と同距離(単回収率57%)や前走から距離延長(単回収率19%)と比べて圧倒的な好成績だ。また、500m以上の距離短縮でも【2-3-4-78】複勝率10.3%、複回収率132%とプラス域を記録している。

2月23日に行われるフェブラリーSの舞台は東京競馬場。7歳ウィリアムバローズとペプチドナイル、8歳メイショウハリオは前走から距離短縮の好データにも該当するだけに、とくに注目が必要だ。


高齢馬の「買える条件」(ダート),ⒸSPAIA


《プロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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