【フェブラリーS】チャンピオンズCで「4番人気以内かつ6着以下」の馬が狙い目! データで導く穴馬候補3頭

鈴木ユウヤ

2025年フェブラリーS・データで導く穴馬ⒸSPAIA

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データで見る「穴候補3頭」

2月23日(日)、2025年最初のGⅠレース・フェブラリーSが行われる。

レモンポップが現役を退き、現役最強格のフォーエバーヤングはサウジカップ遠征のため不在。まだGⅠ実績がないコスタノヴァやエンペラーワケアが上位人気となる想定で、上半期のJRAダート王決定戦は混戦の様相を呈している。

言い方を変えれば、それだけ伏兵勢にも好走の余地があるということ。様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。


「チャンピオンズC掲示板外」からの巻き返し注意 サンライズジパング

まず1頭目はサンライズジパング。3歳春は芝路線を走っていたが、不来方賞でダートに戻るとあっさり勝利。みやこSでは古馬を撃破し、返す刀で臨んだチャンピオンズCは0.5秒差の6着だった。


前年のチャンピオンズカップ結果別成績(過去10年),ⒸSPAIA


フェブラリーSを予想する上で、最初に触れておきたいのが「チャンピオンズCとは着順が直結しない」ということ。

過去10年の当レースにおいて、前年チャンピオンズCの5着以内馬【0-2-1-18】複勝率14.3%に対し、同6着以下は【5-2-2-29】複勝率23.7%をマーク。掲示板外に敗れた馬の方がむしろ好成績を残している。

中京ダ1800mはイン前を器用に立ち回れる馬が好走しやすい舞台で、一方の東京ダ1600mは器用さ不問の直線末脚勝負になりがち。問われる資質がまるで異なる。そのため、着順の逆転が頻繁に起こる。

特に注目したいのが、「チャンピオンズCで4番人気以内に推されて6着以下に敗れた馬」。その成績は【4-1-1-5】複勝率54.5%、単回収率140%に複回収率130%だ。

チャンピオンズCの時点でその実力を評価されていながら、中京のコース形態に泣いて力を出せなかった馬こそ、フェブラリーSで絶好の狙い目となる。

これに該当するのが、チャンピオンズC4番人気6着のサンライズジパング。ズブく不器用な馬で、チャンピオンズCは終始外々を回ってトラックバイアスの不利が大きかった。

前走・プロキオンSも最内をロスなく逃げ切った勝ち馬とは対照的な粗いレースながらタイム差なしの2着で、ゴール前の脚勢では上回っていた。マイルは歓迎ではないが、直線が長いコースに替わるのは確実にプラスだ。


「前走初角4番手以内の距離短縮馬」が高回収率 ウィリアムバローズ

続いてウィリアムバローズを取り上げる。

昨年の日本テレビ盃ではウシュバテソーロ、メイショウハリオ、デルマソトガケらGⅠ(JpnⅠ)馬を相手に見事逃げ切り。前走のJBCクラシックでも逃げを打ったが6着に敗れ、それ以来の実戦となる。


距離短縮組の前走内容(過去10年),ⒸSPAIA


フェブラリーSで比較的成績がよいのは距離短縮組。過去10年で見ると延長組【4-3-4-56】複勝率16.4%、同距離組は【0-0-1-10】複勝率9.1%に対し、短縮組は【6-7-5-62】複勝率22.5%となっている。

その短縮組の中でも、前走時に初角を4番手以内で通過していた馬は【3-2-3-28】複勝率22.2%、複回収率137%をマーク。さらにその前走が6着以下だと【1-2-2-9】複勝率35.7%、複回収率305%となる。先行するスピードは見せたが、距離が長くて垂れてしまった……という馬がマイルに短縮して穴を開けている。

ウィリアムバローズは父ミッキーアイルという血統からしても、前走の2000mは距離が長かった。マイルはかしわ記念で一度だけ走って2.1秒差6着と大敗しているが、当時は距離云々の前に揉まれたのが敗因。砂を被らずに行ければ楽しみはある。


キタサンブラック産駒は東京ダ1600mで複勝率5割超! ガイアフォース

最後は昨年の2着馬ガイアフォース。父はキタサンブラック、母は川崎競馬で活躍したナターレという血統の持ち主だ。


キタサンブラック産駒の東京ダ1600m成績,ⒸSPAIA


キタサンブラック産駒は東京ダ1600mでよく走る。通算成績【6-3-7-13】複勝率55.2%、複回収率122%と優秀で、好走率も妙味も兼ね備えている。

また、晩成型の血統らしく3歳下半期以降に限ると【5-1-4-3】複勝率76.9%、複回収率190%とさらにアップ。圧倒的なハイアベレージを誇る。

ガイアフォース自身、昨年はフェブラリーS2着に加えて安田記念でも2年連続4着の実績がある。ワンターンの1600mは条件的にベストと言っていいだろう。

前走のチャンピオンズCは16番枠から内に入れさせてもらえず、まるで競馬にならなかった。実績のある東京で反撃だ。

<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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