【フェブラリーS】安定感抜群ミッキーファイトは「危険な人気馬」 ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のフェブラリーステークス『前走地方』かつ『前走が人気以上の着順』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

今回は日曜に東京で行われるダートGⅠ、フェブラリーSを予想する。いつも通り、過去10年のデータを使って、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

今年はフルゲート16頭に対して23頭が登録しているが、除外対象の7頭(ドゥラエレーデはレーティング上位で出走可能に。サンライズホークは除外対象)を除いて進めていきたい。

『前走地方』×『前走が人気以上の着順』★0.0%★

まずは前走地方組を取り上げる。前年末の東京大賞典と、23年まで1~2月に開催されていた川崎記念をステップに出走してきた馬が目立つが、過去10年の成績は【0-3-3-44】(複勝率12.0%)と振るわない。

また、フェブラリーSで馬券に絡んでいた6頭にはある共通点があった。それが、「前走で人気を下回る着順」だったこと。人気通り、もしくは人気を上回る着順だった馬は25頭すべてが4着以下に敗れている。

今年は以下の4頭がこのデータに当てはまった。上位人気が予想される4歳馬のミッキーファイトはキャリア6戦全てが3着以内と抜群の安定感を持つ。前走の名古屋大賞典も古馬相手に強い競馬で勝利を収めたが、今回は「危険な人気馬」として扱いたい。

【今年の該当馬】
・アンモシエラ
・デルマソトガケ
・ミッキーファイト
・メイショウハリオ

『父or母父がロベルト系』×『7歳以下』★0.0%★

続いては血統データを見ておこう。父か母父がロベルト系(シンボリクリスエス、ブライアンズタイムなど)の馬は、過去10年で【0-0-1-17】(複勝率5.6%)。複勝率10%未満なので、これだけでも消去対象となる。しかし、ハイブリッド式では別の条件を掛け合わせる。

今回は7歳以下という条件だ。18頭の中で唯一3着に好走したのは、21年に8番人気で3着に入った8歳馬のワンダーリーデルだった。7歳以下だった他の17頭はそろって4着以下に敗れている。

今年は母父がロベルト系のシンボリクリスエスである7歳馬のウィリアムバローズが消去法の網に掛かった。逃げた時は真価を発揮するが、今回は同型馬のアンモシエラやミトノオーもいて楽な展開にはならないだろう。

【今年の該当馬】
・ウィリアムバローズ

『父サンデーサイレンス系』×『前走4番人気以下』★3.8%★

3つ目も血統データを取りあげたい。今回は父がサンデーサイレンス系(キズナやキタサンブラックなど)の馬だ。過去10年の成績は【2-4-1-44】(複勝率13.7%)とやや苦戦気味。特に前走で4番人気以下だった馬は【0-1-0-25】(同3.8%)と好走例が少ない。唯一の好走馬は、18年に1番人気で2着に入ったゴールドドリームだった。

今年はチャンピオンズCから直行予定のアーテルアストレアとガイアフォース、そして9歳セン馬のヘリオスの計3頭がこのデータに当てはまった。昨年当レース2着のガイアフォースは、前走15着からの巻き返しをはかるが、今回は消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・アーテルアストレア
・ガイアフォース
・ヘリオス

『前走GⅢ以下(中央のみ)』×『前走3着以下』★4.7%★

続いては前走クラス別データで、中央のGⅢ以下を走っていた馬を取り上げる。過去10年の成績は【4-3-4-55】(複勝率16.7%)と悪くない。ただし、その前走で3着以下に敗れていた馬は【0-1-1-41】(同4.7%)。4つ目はこの組み合わせを採用する。

今年は、前走の根岸Sで競走を中止したタガノビューティー、前走リステッド競走で14着のミトノオーが該当。この2頭を消去する。

【今年の該当馬】
・タガノビューティー
・ミトノオー

『前走上がり4位以下(中央のみ)』×『今回馬番12番から外』★0.0%★

4つの条件を終えて、対象とした16頭のうち10頭を消去した。最後は前走上がり3ハロン順位と馬番を組み合わせて、さらなる絞り込みを図りたい。

採用したのは、「前走中央のレースで上がり4位以下」かつ「今回馬番12番から外」という組み合わせだ。過去10年で該当馬は16頭いたが、当レースで3着以内に入った馬はいなかった。

残る6頭のうち、前走上がり4位以下だったのは逃げ先行タイプの4頭。もし馬番12番から外に入った時は迷いなく消去する。

【今年の該当候補】
・エンペラーワケア
・サンデーファンデー
・ドゥラエレーデ
・ペプチドナイル

全ての条件を終えて確実に残るのは、コスタノヴァとサンライズジパングの2頭となった。本命にはサンライズジパングを推したい。マイルはやや短いようにも思えるが、今回はハイペース必至で、展開は向くはず。テン乗り(初騎乗)の幸英明騎手とも手が合うとみた。馬券は同馬の単複と、残った馬へのワイド流しで勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の予想結果◆
<京都記念>
◎プラダリア(3番人気、6着)
※単勝、複勝→不的中

《関連記事》
【フェブラリーS】「前走根岸S1着」は勝率50% 東京ダ1600m3戦3勝のコスタノヴァは文句なし
高齢馬の「買える条件」を徹底検証! 「芝×2月」は単回163%、「東京」は芝ダともに妙味あり
【フェブラリーS】過去10年のレースデータ