【京都記念】近年の好走穴馬の共通項を発見! 高配当の使者は1頭だ

逆瀬川龍之介

京都記念-単勝10倍以上かつ馬券圏内の共通点,ⒸSPAIA

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近3年は波乱傾向 穴馬の激走条件は2つ

伝統のGⅡと言われるだけあって、京都記念には「堅いレース」のイメージがあるかもしれない。確かに古くはテイエムオペラオーやブエナビスタといった名馬が人気に応えて勝つレースだった。

しかし、近年は一転して波乱傾向だ。3連単は目下3年連続で万馬券。とりわけ22年の3連単はレース史上最高となる67万円超えの高配当だった。そこで近年のトレンドを参考に、今年の穴馬を探したい。

まずは近3年の京都記念を振り返ってみよう。単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだのは、22年1着アフリカンゴールド、同2着タガノディアマンテ、23年2着マテンロウレオ、24年3着バビットの4頭。22、23年が阪神、24年が京都と舞台こそ異なるが、激走した穴馬には分かりやすい共通項があった。

(1)年明け2戦目
該当4頭は全て年明け2戦目だった。いずれも前走では4着以下に敗れていたが、使われた強みを生かし、変わり身を見せた形だ。対照的に3番人気以内で4着以下に敗れた6頭のうち、実に5頭は年明け初戦だった。したがって「レース間隔の詰まった人気薄は買い、休み明けの人気馬は割引」というスタンスが正解となる。

(2)重賞で連対実績あり
休み明けといっても相手は強く、それなりの実力がないと五分には戦えない。実際、該当4頭には全て芝1800m以上の重賞連対実績があった。そしてもう一つ、先行力も重要なポイントだ。その証拠に4頭の延べ7回の重賞連対のうち、5回が4角4番手以内=前々で立ち回ってのものだった。

実は京都記念でも4頭のうち、タガノディアマンテ、アフリカンゴールド、バビットの3頭が4角3番手以内から馬券圏内に食い込んでおり、迷った場合は先行できそうな馬を上位に取りたい。

条件ピタリの該当馬は1頭のみ

今年の登録13頭のうち、年明けにレースを使っているのはエヒト、フォワードアゲン、メイショウユズルハ、リビアングラスの4頭だ。この中で重賞連対実績があるのはエヒトのみ。22年の七夕賞を4角3番手、23年の小倉記念を同2番手から制しており、京都記念の激走条件にピタリと合致する。

そしてもう1頭、リビアングラスも要注意。重賞の連対実績はないが、23年の京都新聞杯は勝ち馬と同タイムの3着だったため「≒重賞連対馬」と考えていい。逆に人気を集めそうなチェルヴィニアやソールオリエンス、プラダリアやヨーホーレイクは全て年明け初戦。データに基づくなら全幅の信頼は置きづらい。

馬券はエヒトとリビアングラスの単勝を厚めに。夢馬券は3連複の2頭軸で、伏兵まで手広く流したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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