【キーンランドC】実力はスプリント界トップクラス 東大HCの本命は安定感抜群のナムラクレア

東大ホースメンクラブ

キーンランドC 主な前走条件別複勝率

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2週連続のスプリント重賞

今週日曜日、札幌競馬場でGⅢ・キーンランドCが行われる。CBC賞に続き2週連続となる短距離重賞だ。昨年勝ち馬でGⅠでも馬券圏内に入っているナムラクレア、函館SSを制したサトノレーヴ、久しぶりの国内レース出走となるオオバンブルマイなど、フルゲート16頭が出走する。勝って秋のスプリンターズSに名乗りを上げるのはどの馬か。今回も過去10年のデータから迫っていく。

穴はUHB賞組

キーンランドCの前走レース別成績,ⒸSPAIA


<キーンランドCの前走レース別成績>
函館SS【3-2-3-27】勝率8.6%/連対率14.3%/複勝率22.9%
→3着以内【2-2-3-8】勝率13.3%/連対率26.7%/複勝率46.7%
UHB賞【2-3-1-43】勝率4.1%/連対率10.2%/複勝率12.2%
→6着以下【2-1-0-20】勝率8.7%/連対率13.0%/複勝率13.0%
高松宮記念【0-0-2-3】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率40.0%

本レースは夏の北海道開催終盤ということもあり、函館SS、UHB賞組の参戦が多い。そこで前走レース別のデータから考えていく。

最も勝ち馬が多いのは函館SS組の3勝。その勝ち馬は【0-0-1-3】とサトノレーヴには少し不安が残るデータだが、3着以内に広げると【2-2-3-8】と約半数が馬券に絡んでいる(ほか19年ダノンスマッシュは函館SS除外から勝利)。基本的には着順を信頼していい。反対に大敗した馬は苦戦しており、2着とクビ+クビ+アタマ差のオタルエバーはともかく、セッション、マテンロウオリオン、ジュビリーヘッドは今回も難しそうだ。

次はUHB賞組。間隔が詰まることやOPであることからか凡走例が多いが、1着馬は【0-2-1-4】と頑張っている。着差を0秒1以上つけていると【0-2-1-2】。プルパレイは戦えそうだ。また、2~5着馬【0-0-0-19】に対し、6着以下から2勝、2着1回と逆転が起きているのも特徴。好走例は17年エポワス(7着→1着)、20、21年のエイティーンガール(20年7着→1着、21年13着→2着)。エポワスのUHB賞はトップハンデが厳しく、エイティーンガールは中1週が【2-2-0-0】と使い詰めがプラスになるタイプだった。

今回の該当馬3頭のうち、推奨したいのはシナモンスティック。昨年本レース2着に逃げ残っており、中1週【1-1-0-1】、中2週【1-1-0-3】と使い詰めた方が走るタイプ。エイティーンガールと重なり、同じように2年連続好走する可能性はある。

しらかばS(OP昇格後)は【0-0-0-3】と全滅。ただし昨年のシュバルツカイザーは55kgでの勝利から本レース4着。今年トップハンデながら最後方から差し切ったゾンニッヒはチャンスがある。

青函Sは【0-0-1-2】。22年のヴァトレニが0秒3差で勝利したあと本レース3着としたが、残る2頭はどちらも3番人気ながら着外に敗れた。今年タイム差なしで勝利したモリノドリームは、ルメール騎手への乗り替わりで人気しそうだがデータ的には推せない。

前走を北海道以外で走った馬だと、葵S組は【1-1-0-2】。ただし4頭とも葵S連対からの参戦であり、0秒4差4着のエトヴプレはやや力不足か。高松宮記念組は【0-0-2-3】。こちらは5頭いずれも前走7着以下で、18着から3着に入ったマジンプロスパーの例もある。大敗馬でも相手緩和で通用してくる。前述のダノンスマッシュ(前走函館SS除外)も実質的には前走高松宮記念4着と考えると、今年の高松宮記念2着のナムラクレアは信頼できる。

連覇の期待大

◎ナムラクレア
昨年の勝ち馬。スプリントGⅠで3戦連続で馬券圏内にきており、無冠ながら現在の国内短距離馬では最強格と言える存在。過去2年も春のGⅠシーズン後に洋芝重賞を使うというローテーションを取っており、そのどちらも勝利している。秋の悲願達成に向けてここは負けられない。

◯サトノレーヴ
3連勝でOP入りすると阪急杯4着、春雷S1着。前走の函館SSは2枠を生かして1番人気アサカラキングの後ろのポジションを確保。直線で同馬が後退したところで抜け出し、後続を振り切った。やや展開に恵まれた面はあるが、ここまで【6-1-0-1】と安定感抜群。良馬場では5戦5勝と負け知らず。今回も大崩れはないだろう。

▲シナモンスティック
昨年はUHB賞1着、本レースは8番人気2着に入った。秋以降は大敗が続いたが、2走前のしらかばSでは2着に粘った。前述の通り間隔を詰めた方が好走するタイプで、また7~9月【2-3-1-4】と夏の成績がいい。中2週で出走して最下位に敗れた前走は物足りないが、ハナを取れなかった点が響いたか。逃げたレースに限れば【0-2-0-1】、8着の春雷Sも0秒3差とそこまで離されていない。今回は直近2走で逃げた馬が他におらず、ハナを取れる可能性は十分ある。本レースのデータとしても過去10年の逃げ馬【1-2-2-5】であり、狙ってみたい1頭だ。

△ゾンニッヒ
直近3戦は上がり3F3位以内。短距離に転向してからは中団から追い上げるも届かずというレースが多かったが、しらかばSでは外からゴボウ抜きで勝利した。こちらも展開の利は必要だが、ペースが流れれば再度の直線一気もある。

以下エイシンスポッターまで印を回す。馬券は◎1頭軸の3連複で勝負する。

▽キーンランドC予想▽
◎ナムラクレア
◯サトノレーヴ
▲シナモンスティック
△ゾンニッヒ
×エイシンスポッター

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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