【きさらぎ賞】奇数馬番の単勝回収率142% 前走京都組からウォーターリヒトを中心視
佐藤永記
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枠番傾向よりも馬番傾向をチェック
過去に数々の名馬が勝ち馬に名を連ねてきたきさらぎ賞だが、近年は2歳GⅠやシンザン記念のほうに有力馬が集まる傾向にあり、メンバーがやや小粒になってきた印象だ。ほとんどフルゲートになることがなく、直近10年の平均出走頭数も10頭を下回っている。今年は登録時点で12頭。これはむしろ多いほうだ。また、昨年までの京都競馬場改修工事の影響で、京都開催は4年ぶり。データの取り扱いには注意したい。
まず気になるのは枠番傾向。直近10年なら、1~3枠で【7-5-3-15】複勝率50%と内枠が圧倒的に有利。という結論になるだろう。しかし、これを直近3年の中京開催を除き、「京都開催の直近10年」の枠番で見ると、2枠の成績が一気に3勝から0勝に落ちる。つまり直近3年の中京開催分だけで2枠が3戦3勝していたのだ。さらにいえば、毎年少頭数のため、この2枠はすべて馬番が2番だった。
これを京都開催の直近10年における馬番別成績で見てみると、もっとわかりやすい。
1番の2勝、3番の3勝と内枠の奇数馬番が5勝、続くのが9番の2勝である。偶数、奇数それぞれのトータルで見ても、奇数馬番が【8-6-4-31】と圧倒的に優位だ。しかも奇数馬番の単勝を全部買った場合の回収率は、なんと142%でプラスだ。偶数馬番の23%とは雲泥の差だ。
理由は想像になるが、先入れとなる奇数馬番の場合、中京芝2000mでは1周回るコースのため、後入れとなる偶数枠の落ち着きが優位に働くが、1ターンでスタートからコーナーまでが長い京都芝1800m外回りだと、3歳のうちは早くゲートに入って前を見据えさせたほうが走りやすいのかもしれない。
京都組のなかでもシンザン記念組が狙い目
もう一つ、京都開催に戻ったことで気をつけたい点がある。それは前走場所別成績だ。直近の10年では前走中京組や阪神、中山組の数字が良い。ただ「京都開催の直近10年」では傾向は変わる。
京都開催の直近10年では、やはり前走で京都を走った馬が【6-3-4-29】勝率14.3%、複勝率31.0%となかなか高い数字が出ている。当たり前かもしれないが、陣営が京都向きだと考えている馬は、京都を走らせたいものだ。
今年の登録馬で前走京都組は7頭いるが、そのなかで注目したいのは1月京都のGⅢシンザン記念に出走して3着だったウォーターリヒトだ。実は「前走シンザン記念3着馬」は単勝回収率1270%と非常に高い。
勝利した2例は2013年8頭立て6番人気のタマモベストプレイと2020年8頭立て7番人気のコルテジアだ。単勝配当は、タマモベストプレイが830円で、コルテジアが2980円。直前の京都重賞を好走した馬で、この配当は美味しい。さらにタマモベストプレイは3枠3番、コルテジアは1枠1番といずれも奇数馬番だった。
馬券的にはウォーターリヒトの単勝。奇数枠に入ればなおよしだ。余裕があれば、前走京都組から奇数枠に入った馬も絡めて高配当に期待したい。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYouTubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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